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所在地 | 茨城県・千葉県 |
面積 | 220 km2 |
周囲長 | 249.5 km |
最大水深 | 7.1 m |
平均水深 | 4 m |
貯水量 | 0.85 km3 |
水面標高 | 0 m |
成因 | 海跡湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | 過栄養湖 |
透明度 | 0.6 m |
【概要】
霞ヶ浦(かすみがうら)は、茨城県南東部から千葉
県北東部に広がる湖。湖沼水質保全特別措置法指定
湖沼。「霞ケ浦」(ケが大文字になっている)と表
記することもある。西浦・北浦・外浪逆浦(そとな
さかうら)・北利根川・鰐川・常陸川の各水域の総
体である。河川法ではこの範囲を「常陸利根川」と
いう利根川の支川としている。国土地理院発行の「
標準地名集(自然地名)」では「ケ(大文字)」を
用いており、地名としては「霞ケ浦」が正式表記で
ある。
湖面積220.0km²は日本第2位、茨城県最大。主な水
域別の面積は次のとおり。
西浦(172km²)
北浦(36km²)
外浪逆浦(6km²)
常陸利根川(6km²)
尚、 平野部に位置するため流域面積は2156.7km²と
広く、茨城県の面積の約35%を占める。水際線延長は
249.5kmで、これは日本最大面積を誇る琵琶湖(235
km)よりも長い。平均水深は約4m、最大水深は約7m、
年間流下量は約14億m³、貯留量は約8.5億m³。主な
流入河川は桜川、恋瀬川、巴川、小野川など。
太平洋岸気候区にあるため、梅雨期と台風による降
水が多く、冬は晴天が多く降水量が少ない。特に周
辺では冬に「筑波颪(つくばおろし)」と呼ばれる
強い北西の季節風が吹く。流域の年間平均降水量は
約1300mmで全国平均(約1780mm)に比べると少ない。
北には涸沼があり、南には利根川が流れ、北西には
八溝山地の南端にあたる筑波山(標高877m)を擁し
ている。周辺は、台地と低地が入り組んだ場所が多
く、筑波山は周辺の最高点であるため潮来市など比
較的遠く離れた場所でもよく望むことができる。
元々は「浦」という名前のように海の入り江に由来
し、砂州や河川堆積物によって出口を閉ざされたラ
グーンである。そのため、時期や場所によって塩分
濃度に違いはあるものの、かつての湖水は塩分が混
じる汽水であった。特に1950年代から1960年代には、
下流の河川改修(浚渫)の影響で海水が遡上し、近
年ではもっとも汽水化が進んだ時期だった。当時を
知る人々にとって「汽水湖」という印象が強いのは
そのためである。
しかし、1963年に治水と塩害防止を目的にして竣工
した常陸川水門(逆水門)を利用することで淡水化
が進行した(詳しくは霞ヶ浦の歴史を参照)。その
ため、現在は、ほぼ淡水湖とかわらない状況にある。
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霞ヶ浦の水のCOD、TN、TPの経年変化を追ってみた
のが左のグラフです。霞ヶ浦とその周辺では、湖沼
法にもとづく規制とともに、水質をよくするための
インフラ整備をはじめとして数々の対策がとられた。
下水道整備、合併処理浄化槽の設置、底泥浚渫、畜
産排水処理施設の建設、紫外線浄化施設の設置、植
生浄化施設の設置、アオコ除去船の運行などがおこ
なわれてきた。これらの対策にもかかわらず、結局、
植物プランクトンの量は減少しないままだ。3つの
水質基準値にはいずれも改善傾向が認められない。
特に、近年、TP濃度が顕著に上昇しているという
ことが理解できる。
この原因はいまのところわかっていないが、植物プ
ランクトンだけでなく、水に溶けた状態の難分解性
有機物が増えていることではないかと考えられてい
る(難分解性有機物の蓄積や漸増は最近顕在化した
新しいタイプの水質汚濁現象)。
つまり、難分解性有機物は浄水場における塩素殺菌
処理過程で生じる発ガン物質トリハロメタン等の原
因物質が重金属や化学物質と結合し有害物質を水に
溶ける形態にし、能動化させる危険性懸念されてい
おり、下水処理水が難分解性有機物の生成に一役買
っていると推察されるという。
この対策として水処理の高次化(=高級化)で対応
ができるが、処理費用とのバランスを配慮した対応
が急がれる。また、農業排水系の対策は方法論から
の検討が必要であり、琵琶湖の水質保全と比べて劣
悪な状態にある。
【福島原発の影響】
下水処理場 | 採取日 | 試料名 | 放射能濃度(Bq/kg) | |
---|---|---|---|---|
放射性ヨウ素 | 放射性セシウム | |||
那珂久慈浄化センター | 5月3日 | 脱水汚泥 | 290 | 493 |
5月3日 | 焼却灰 | 120 | 17,020 | |
霞ヶ浦浄化センター | 5月4日 | 脱水汚泥 | 300 | 716 |
5月4日 | 焼却灰 | 検出せず | 7,545 | |
さしまアクアステーション | 5月4日 | 脱水汚泥 | 100 | 252 |
【エピソード】
結局のところ、前職を定年までも全うしてしまった
が、故田中豊一さんや故石井智幸さん達とこの運動
を細々とながら続けて来て、両賢兄を相次いで失し
たが、これはひとつの節目として象徴している様に
も思える。畢竟、こんかいの福島第一原発事故は、
若狭、敦賀原発群の事故の甚大さを想定させるもの
であった。勿論、このことはこの運動に関わる70年
代から想定されていたことで、いまにはじまったこ
とではない。かといって反・脱原発運動に具体的に
関わってこなかったことに負い目はない。
負い目はないが、想定内のことがらが具現化したか
らにはなんらかの行動を起こす必要があるとぞと、
両賢兄が背中を押しているような気がする。それに
答える行動を模索したいと思う。会員諸氏の意見を
拝聴したい。
故田中豊一氏の命日の 6月30日(水)午後に会合を
設定したいと思います。
【脚注及びリンク】
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(1)「かすみがうら*ネット」
(2)「霞ヶ浦速報」
(3)「湖沼において増大する難分解性有機物の発生原
因と影響評価に関する研究」
(4)「福島第一原子力発電所事故に伴う県内水道水へ
の影響について」
(5)「国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦河川事務所」
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