霞ヶ浦

2011年05月17日 | 日本の湖沼百選




衛星写真 

所在地 茨城県・千葉県
面積 220 km2
周囲長 249.5 km
最大水深 7.1 m
平均水深 4 m
貯水量 0.85 km3
水面標高 0 m
成因 海跡湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 過栄養湖
透明度 0.6 m

 

 

 

 

 

 

 





【概要】

霞ヶ浦(かすみがうら)は、茨城県南東部から千葉
県北東部に広がる湖。湖沼水質保全特別措置法指定
湖沼。「霞ケ浦」(ケが大文字になっている)と表
記することもある。西浦・北浦・外浪逆浦(そとな
さかうら)・北利根川・鰐川・常陸川の各水域の総
体である。河川法ではこの範囲を「常陸利根川」と
いう利根川の支川としている。国土地理院発行の「
標準地名集(自然地名)」では「ケ(大文字)」を
用いており、地名としては「霞ケ浦」が正式表記で
ある。

湖面積220.0km²は日本第2位、茨城県最大。主な水
域別の面積は次のとおり。

西浦(172km²)
北浦(36km²)
外浪逆浦(6km²)
常陸利根川(6km²)

尚、 平野部に位置するため流域面積は2156.7km²と
広く、茨城県の面積の約35%を占める。水際線延長は
249.5kmで、これは日本最大面積を誇る琵琶湖(235
km)よりも長い。平均水深は約4m、最大水深は約7m、
年間流下量は約14億m³、貯留量は約8.5億m³。主な
流入河川は桜川、恋瀬川、巴川、小野川など。
太平洋岸気候区にあるため、梅雨期と台風による降
水が多く、冬は晴天が多く降水量が少ない。特に周
辺では冬に「筑波颪(つくばおろし)」と呼ばれる
強い北西の季節風が吹く。流域の年間平均降水量は
約1300mmで全国平均(約1780mm)に比べると少ない。



北には涸沼があり、南には利根川が流れ、北西には
八溝山地の南端にあたる筑波山(標高877m)を擁し
ている。周辺は、台地と低地が入り組んだ場所が多
く、筑波山は周辺の最高点であるため潮来市など比
較的遠く離れた場所でもよく望むことができる。

元々は「浦」という名前のように海の入り江に由来
し、砂州や河川堆積物によって出口を閉ざされたラ
グーンである。そのため、時期や場所によって塩分
濃度に違いはあるものの、かつての湖水は塩分が混
じる汽水であった。特に1950年代から1960年代には、
下流の河川改修(浚渫)の影響で海水が遡上し、近
年ではもっとも汽水化が進んだ時期だった。当時を
知る人々にとって「汽水湖」という印象が強いのは
そのためである。

しかし、1963年に治水と塩害防止を目的にして竣工
した常陸川水門(逆水門)を利用することで淡水化
が進行した(詳しくは霞ヶ浦の歴史を参照)。その
ため、現在は、ほぼ淡水湖とかわらない状況にある。

 



【水質経年推移変動】

霞ヶ浦の水のCOD、TN、TPの経年変化を追ってみた
のが左のグラフです。霞ヶ浦とその周辺では、湖沼
法にもとづく規制とともに、水質をよくするための
インフラ整備をはじめとして数々の対策がとられた。
下水道整備、合併処理浄化槽の設置、底泥浚渫、畜
産排水処理施設の建設、紫外線浄化施設の設置、植
生浄化施設の設置、アオコ除去船の運行などがおこ
なわれてきた。これらの対策にもかかわらず、結局、
植物プランクトンの量は減少しないままだ。3つの
水質基準値にはいずれも改善傾向が認められない。
特に、近年、TP濃度が顕著に上昇しているという
ことが理解できる。



この原因はいまのところわかっていないが、植物プ
ランクトンだけでなく、水に溶けた状態の難分解性
有機物が増えていることではないかと考えられてい
る(難分解性有機物の蓄積や漸増は最近顕在化した
新しいタイプの水質汚濁現象)。

つまり、難分解性有機物は浄水場における塩素殺菌
処理過程で生じる発ガン物質トリハロメタン等の原
因物質が重金属や化学物質と結合し有害物質を水に
溶ける形態にし、能動化させる危険性懸念されてい
おり、下水処理水が難分解性有機物の生成に一役買
っていると推察されるという。

この対策として水処理の高次化(=高級化)で対応
ができるが、処理費用とのバランスを配慮した対応
が急がれる。また、農業排水系の対策は方法論から
の検討が必要であり、琵琶湖の水質保全と比べて劣
悪な状態にある。


【福島原発の影響】

測定結果 茨城県環境放射線監視センター(5月5日
下水処理場採取日試料名放射能濃度(Bq/kg)
放射性ヨウ素 放射性セシウム
那珂久慈浄化センター 5月3日 脱水汚泥 290 493
5月3日 焼却灰 120 17,020
霞ヶ浦浄化センター 5月4日 脱水汚泥 300 716
5月4日 焼却灰 検出せず 7,545
さしまアクアステーション 5月4日 脱水汚泥 100 252

 

【エピソード】

結局のところ、前職を定年までも全うしてしまった
が、故田中豊一さんや故石井智幸さん達とこの運動
を細々とながら続けて来て、両賢兄を相次いで失し
たが、これはひとつの節目として象徴している様に
も思える。畢竟、こんかいの福島第一原発事故は、
若狭、敦賀原発群の事故の甚大さを想定させるもの
であった。勿論、このことはこの運動に関わる70年
代から想定されていたことで、いまにはじまったこ
とではない。かといって反・脱原発運動に具体的に
関わってこなかったことに負い目はない。

負い目はないが、想定内のことがらが具現化したか
らにはなんらかの行動を起こす必要があるとぞと、
両賢兄が背中を押しているような気がする。それに
答える行動を模索したいと思う。会員諸氏の意見を
拝聴したい。

故田中豊一氏の命日の 6月30日(水)午後に会合を
設定したいと思います。

                     


【脚注及びリンク】
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(1)「かすみがうら*ネット

(2)「霞ヶ浦速報

(3)「湖沼において増大する難分解性有機物の発生原
  因と影響評価に関する研究」

(4)「福島第一原子力発電所事故に伴う県内水道水へ
   の影響について

(5)「国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦河川事務所
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