九州の阿蘇カルデラをしのぐ、日本最大の屈斜路カル
デラのなかに横たわる巨大なコバルトブルーの湖。川
湯温泉の西2.キロメートルにあり、周囲57キロメート
ル、面積79.3平方キロメートル、最大深度117.5メー
トルの日本で6番目(カルデラ湖で1番)の大きさを
誇るカルデラ湖。湖心に浮かぶ中島は、淡水湖内では
日本一大きい島で、周囲12キロメートル、面積5.7平
方キロメートルもあり、その巨大さが想像できる。湖
を望む3つの峠に立ち、眼下に広がる雄大な原生林に
囲まれた湖を見下ろし、どこまでも広がる天空の青を
眺望(美幌峠で車を降り)できる。
周囲から小河川が流入し、南端から釧路川が流れ出
す。河川からの流入は、湖に入る全水量の20パーセ
ントほどで、残りは地下から湖底に入る。
屈斜路湖はキャンプ、ヨットやウィンドサーフィンな
どのウォータースポーツ、フィッシング、温泉浴など
で賑わうリゾート地。また、冬期間は全面凍結するが、
地熱が高く一部解氷部分が出来ることから、毎年400
~500羽の白鳥が羽を休る。
● 歴史
約30万年前に屈斜路火山が大噴火を繰り返し3万
年前に屈斜路カルデラが形成された。現在の2倍以
上の広さの湖が誕生したが、その後の噴火活動によ
って硫黄山や摩周火山などが形成されて現在の形に
なった。中央部に浮かぶ中島もじつはそうした火山
のひとつ。エクボのような摩周湖の中島とはちがっ
て、湖中島としては日本最大の周囲12キロ、高さ
は355メートルある。屈斜路カルデラの火山群の
中でも最後発の活火山が硫黄山(アトサヌプリ)。
後の噴火はほんの数百年前に起きている。その名の
通りかつては硫黄を豊富に産出し、明治時代には日
本の重要な輸出資源として安田財閥などによって盛
んに採掘されにぎわったという。輸送のために敷設
された鉄道は現在の釧網本線の基礎となっている。
屈斜路湖は酸性湖沼に分類されています。実際1960
年にはpH4を記録。かなり強い酸性湖でした。とこ
ろが、1980年代から次第に中性化しはじめ、現在の
pHは7を越ている。
● 屈斜路湖畔温泉郷
火山地帯であることから、周囲には火山や温泉が多数存
在し、湖岸を掘ると湯が湧き出す砂湯は観光名所となっ
ている。また湖底からも温泉が噴出している。 弟子屈町
周辺に名湯スポットが点在している。
コタン露天温泉と白鳥
● 伝説
アイヌの伝説では、英雄アタシントクルが巨大なア
メマスを捕らえて山に結びつけたところ、暴れるア
メマスのせいで山が崩れ、中島が生まれたという。
昭和50年代(1975年から1985年頃)に大きな影が遊
泳する様子や湖面の波紋が立て続けに目撃され、こ
の湖に巨大な未知の生物が棲んでいるという噂がテ
レビなどで取り上げられた。ネッシーにならってク
ッシーと名付けられたが、酸性が強いこの湖に大型
水生生物が存在する可能性は無いとされる。
● 由来
道北にあるクッチャロ湖とは、呼び名が似ているこ
とから混同されるが、全くの別物である。ただし、
語源は同じである(アイヌ語のkut-char(沼の水が
流れ出る口))。江戸時代の探検書・古地図には「
クスリ・トー」(アイヌ語で温泉、薬の湖の意)と
書かれていた。その後、釧路川源流付近にあったコ
タン名「クッチャロ」(喉・口、湖からの流出部の
意)から現在の「屈斜路湖」となった。
【脚注及びリンク】
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1.Wikipedia
2.釧路湿原自然再生全体構想 北海道地方環境事務所
3. 気候変動による水質等への影響解明調査 2013.03
4. 屈斜路湖底の温泉
5.屈斜路湖の魅力 | 摩周湖エリア | 釧路湿原・阿寒湖・
摩周湖エリア・北海道東部の観光情報ポータルサイト
6.屈斜路湖畔温泉郷 Wikipedia
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