ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

クレオパトラ

2019-01-17 10:09:25 | 映画のレビュー
   
 昨日、エリザベス・テイラー主演の「クレオパトラ」を観ました。 とっても、懐かしい!
思えば、高校生の時初めて見て以来、後も2度ほど鑑賞した記憶があるのですが、その時の感想は「昔のハリウッドらしい、大がかりなセットやスターを使っているけど、結構退屈かも?」というもの。

これは、一般的な評でもあるらしく、当時のハリウッド史上最高の制作費を使った大作であるにもかかわらず、長たらしくて退屈――つまり、大失敗作というのがおおむねの見方となっています(おまけに、その頃29歳くらいだった、世界一の美女エリザベス・テイラーがクレオパトラを演じているのに)。


しかし、今回二十年振りかで見た、この「クレオパトラ」。とっても面白くて、一気に観通してしまいました。クレオパトラのリズも、アントニー役のリチャード・バートンも、ユリウス・カエサル役のレックス・ハリスンも皆、とってもいい!
大スター達が、繰り広げる、古代歴史絵巻を3時間あまり、じっくり堪能しました。

     
古代エジプト最後の女王クレオパトラ。これほど、ドラマチックで、歴史としてもヒロインとしても、面白い人生は他には、ちょっと見当たらないのですが、この映画の失敗が響いてか、以後ずっと再映画化はされていません。まあ、現代のハリウッドに、クレオパトラを演じられるような、スケールの大きな女優がいないような気もするんだけど。
これより以前のヴィヴィアン・リー主演の「シーザーとクレオパトラ」も面白く、華麗な大作ですが(このブログの映画評でも、取り上げています)、ヴィヴィアンが、繊細で情熱的な美しさなら、リズのそれは、ふてぶてしいといっていい(大味ともいえる)、堂々たる美貌であります。

実いうと、この時、リズは太ったりして、せっかく高価なクレオパトラの衣装を作っても、サイズが合わず、何度も作りなおしたりしたのだとか……この、コミカルさは、リズならでは。アントニーを迎えにやって来る、クレオパトラの豪華なガレー船も、豪華絢爛というより、現代のリッチなクルーズ船の金ぴかの内装なのに、思わず笑ってしまいました。
この俗っぽさは、やっぱりハリウッド娯楽作?

オクタヴィアヌス(彼にとって、ユリウス・カエサルは大叔父)を、エリザベス・テイラーと同じ子役出身であり、彼女の生涯を通じての仲の良い友達であったロディ・マクダウェルが演じているのも、ちょっとした驚きでした。

昔のハリウッド映画らしく、ゆったりしたスペースで物語が進むのも、疲れなくていいな~。年を取ってくると、最近の映画のように急テンポで、あっという間に物語が進んでゆくものは、ついていけないことも多いのです。

 往年のハリウッドの輝きが感じられる、一大スペクタル映画!
 

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