2020年が終わろうとしています。
この1年、ウイルスの影響はロードレースの現場にも大きなダメージをもたらしました。
いつものように希望を抱き新たなメンバーでのシーズンスタートラインに並びましたが、レースへのスタートラインへ向かおうとしては消え、今度こそはと向かえば消えることの連続でした。
選手はチームや主催者の決定に残念な気持ちを表すことはありましたが、どうしようもない状況を理解し、希望を伴う活動を続けることで社会へ前向きなメッセージを送る努力を続けました。
ようやく初戦を迎えたのは通常であればシーズン終盤の9月末。
直前までスタートできるかすらわからない準備のままレースを走り、数時間のレースに対応できる身体はできておらず結果は散々でした。
サポートして頂いている立場で不謹慎にも思われそうですがレース後、チームはみな一様に清々しい笑顔を見せていました。
新たなスタートラインに立つことができた感覚があったからです。
来季の活動がどのようなものになるか不安は持ち越したままですが、気持ちを共有できるチームと共にいるかぎり、前向きさを手放すことなく進んでゆけると確信しています。
発表があったように今季を最後に黒枝咲哉選手、小野寛斗選手の2名がチームを離れる事となりました。
黒枝選手は3年間、小野選手は1年間と僅かな時間しか活動できませんでしたが2名と共に過ごした記憶は止め処なく思い起こされます。
自分は指導者として彼らを率い教える立場ですが、実は私とは違う時間をそれぞれに本気で向き合ってきた彼らから影響され、教えられる事で少しずず成長できている感覚があります。
彼らと活動出来ること、その周囲を取り巻く様々な人から好影響を受けることは自分が今進んでゆこうと思える最も大きな動機となっています。
次のスタートラインに立ち進む姿を誰かの勇気につなげる事ができるよう、新たなチームと共に走り出したいと考えています。