ジャパンカップが終了しました。
今年も過去に増してお客さんの数が多く驚き、感動しました。そんな中走る事が出来る選手は幸せですね。もちろん私も。結果は思うようなものに届きませんでしたが、あらためてこの場所の価値を知り、モチベーションが高くなりました。応援頂いた皆様ありがとうございました。
今週末は『さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランス』です!埼玉にツール・ド・フランス優勝者はじめ多くのスター選手が集結し、日本の皆様の前で走りを披露します。
こんなイベントが日本で開催されるなんて嘘ではなかろうか?と疑いを持って現地に向かったのは昨年の事。結果はというと本当だってではありませぬか!!
ツール覇者、クリス・フルームやらアルカンシェルを纏ったルイ・コスタやらが普通にホテルを行ったり来たりしています。ジャパンカップの応援の数も凄かったですが、こちらも凄い。そりゃ、サイクルレースファンであれば一目彼らの走る姿を見ておきたい事でしょう。
先々週は石川県輪島市、先週は栃木県宇都宮市、今週は埼玉県大宮市と長距離遠征が続いています。
今週末の遠征を加えると、この半月間で5000㎞程車での移動をこなす事になりそうです。『仕事の大半は運転だよ』なんて言葉を、ヨーロッパ大陸で活動するチーム監督らが言っているのを聞いたことがありますが、近年日本でもレース数が増えたことでそのような状況が増えてきているように思います。
先日参加した石川県のレースでは、チーム所属の西村大輝選手が激しくクラッシュし怪我を負いました。クラッシュ後は動く事が出来ず、誰もが骨盤の骨折を疑い肩を落としました。
私もその一人、昨年、腰を痛め長く辛いリファビリ期間を経てようやくレースへ復帰した彼を再び襲った事実に、最悪の結果を想像してしまったのです。
幸い骨折の診断は無かったのですが、しばらく動く事はおろか、立ち上がる事も困難、としばらく入院し経過を見る事になったのです。
我々は彼を病院に残し、ひとまず大阪へ引き返します。
がしかし、次の日には『何とか身の回りの事が出来るようになりました、退院もできるようです』との事。
相変わらず気が抜ける状態では無いと判断しましたが、次の予定も迫っているので、昨日片道500㎞かけて帰った能登半島へ向け再び車を走らせました。
病院の入口へ車をつけ、『自分で行けます』と言った彼を待つ私の目に信じられない光景が!
『あ、お待たせしました、あざーす!』と元気いっぱい歩く彼の姿が!いや、本人的には痛みをこらえ一生懸命歩いていたのでしょうが、車椅子か松葉杖で出てくるものと思っていた私には、‘体育会系男子が先輩を待たせている時に見せるフルダッシュ’をして出てきたようにすら見えました。
私は驚愕し『な!なんちゅー回復力!!』と叫びました・・・叫びませんでした。
『で、電車で帰ぇって来いよ・・・』と心の中で叫んだわけです。
が、しかしそれまで抱いていた様々な緊張が和らぎホッとした部分大きく、帰りの500㎞はストレスの少ない道のりでした。
↑写真でベットの足元に立ちBICYCLE21誌にコラムを持つ‘富和ドクター’は最新号文中に、こんな事も書いています『そういったリスクを乗り越えていくのもまたスポーツであると受け止めております』。
競技には高いリスクがあり、対策を怠るのは言語道断としたうえでの記載ですが、まさにその通りと思います。
辛く、時に危険を伴うスポーツを何故するのかと問われ、明確に答える事は難しいです。しかし、スポーツばかりでなく、デスクワークであってもハードに続けていれば身体への危険があります。-私は机に向かうだけで、かなりのダメージを受けますが(笑)-
そもそも、生きていくことはイコールで何かを乗り越えて行く事なのではないでしょうか。
それを単純明快に見る事が出来るものの一つがスポーツで、その実感を競技とそれに向けた鍛錬の中で感じられる人種が選手なのだと思います。
もちろん、だからこそ常に安全を意識し、行動することを怠ってはいけませんよね。
・・・ここまで書いて、ほんとか?という疑問も出てきましたが、結局何が言いたいのかというと、選手は選手として頑張り、私はスタッフとして頑張り、そんな普通な事をこれからも続ける事に何の疑問も異論も無いという事です。
車の運転だって何のその。
でも電車で帰ぇって来てほしかったなー。