3月に入りレースシーズンがスタートしました。
選手は暖かい土地でのトレーニングキャンプばかりでなく、それ以前にも真冬の極寒の中毎日数時間のトレーニングを重ねてきました。
近年、ペダリングパワーを記録し、自らの基本能力とトレーニングによるストレスを数値化することにより、リスクを減らし最良の成長を可視化されたグラフを見ながら行う事が可能となりました。
参考: パワーメーターのデータ分析で調子の波を支配する! シマノレーシング入部正太朗これがなかなか素晴らしく、私が現役時代に繰り返してしまっていた失敗を防ぎ競技力をもっと伸ばせたのでは、と思わされます。
その'失敗’とは多くの場合は気持ちが先行し、トレーニングや食事により身体やメンタルに負荷をかけすぎた事によるパフォーマンスの低下を経験したことです。
その時は自分のパフォーマンスが低下した事にすら目をそむけ『トレーニングを続ければ解決する』と信じ立ち止まることを拒み続けていました。
もちろん、後に冷静に考えれば意味がなく逆効果であったことは明白ですし、その時も気づいてはいたのですが、'やらない失敗'より‘やる失敗’を選ぶこと自体を自分の中で美化していた節があります。
パワーデータは強くなるためのステップを数値やグラフという形として見せてくれることはもちろんですが、過剰な負荷による悪影響により弱くなる兆しを事前に予想し防止する為の利用に非常に便利なものとなっています。
競技に真剣に向き合う選手にとって『もっと休みなさい』という他人からのアドバイスを受け入れることほど難しい事はありません。
人間味には欠けますが、デジタル機器が客観的に自分の状態を評価してくれる数値を選手が信頼し利用することは、必然なのかもしれません。
がしかし、それらデータの利用はまだまだ経験や検証が必要なものであるし、個人が持つフィジカルはもちろん、メンタルや技術、その他さまざまを正確に測りきることはできません。
私が後悔する『失敗』に関しても、それをするたびに自分がこの競技に向き合えている気になっていたし、競技人生を通してはその過程があったからこそ、私のような不甲斐ない選手が周囲の協力を得ることができ、自分でも夢と思っていたような結果の幾つかを実現してくれたのだとも考えています。
もし私の現役時代にパワーデータ、ストレススコアの数値があったとしても、そこから得られるアドバイスや警告をどれだけ耳を傾ける事が出来たか、疑問に感じています。
が、やはり失敗を繰り返し最終的には、コンピューターの画面にお世話になるかもしれませんね。反省
とにかく寒くても、暖かく環境が良くても、レースでも、通年長時間、心身に強い負荷を与え続ける自転車選手。
先日、Jプロツアーの開幕戦は1周5㎞と短く、厳しいコースでしたが選手の苦しむ顔も数多く見ることとなりました。
ハイペースを維持し苦しみチャレンジする姿はすばしい!
でも、
幸せになるための健康ペースのキープも必要だし、自分や周囲の喜びにつながる事を忘れてはいけませんね。
何を言いたいかといえば、、、自分でもよくわかりません。
勝利と同時に健康を維持し幸福をめざしましょう。
と、ここ数日間で見た素晴らしい景色を見返して思ったのです。
よ、日本一!