ミラノ・サンレモ、ジョン・デゲンコルブ選手が勝ちましたね。
私はシクロワイアードの記事でその事を知ったのですが、 シマノレーシングも関わっていたチームの選手がやり遂げた結果に興奮を覚えました。
勝利した選手はもちろんですが、チーム総出で盛り上がっている事でしょう。 そんな記事を目で追っていたのですが、気が付いたら興味が違う方向に逸れていました。
勝者のコメント ~
『ミラノ〜サンレモに100%照準を合わせていた。過去3年間と同じように木曜日にイタリア入りして、 金曜日にロングライドに出掛けた。そして今年は勝利した』~
金曜日、 つまりレースの2日前に勝者はロングライドに出かけています。 彼らの言う‘ロングライド’は2時間~60km程度の距離では無いはず。
少なくとも4時間120㎞以上は走ってきたのでは無いかと想像しています。293kmのレースを走る2日前に。
私の場合、全日本選手権などの重要なワンデイレース前には、2日前こそ身体を休ませるタイミングと考えトレーニングを組み立てっていました。
その日のトレーニングは自転車に乗っても1時間の強度の低いライド、完全休養でも良い考え方です。 そしてレース前日は2時間ほどの軽いライド、レースに向けなるべく疲労を抜き、筋肉の張りも維持する目的です。
もちろん目標のずっと以前から、このリズムがベストとなるためのトレーニングを遂行しているので、 単にこの数日の期間を切り取り比較することは意味が無い事と解っています。
サイクルロードレースの世界に限った事ではありませんが、試合でパフォーマンスを発揮するために、 トレーニングも休養も細心の注意をはらいプログラムしていく必要があります。
『100%照準を合わせていた』と言うデゲンコルブ選手が金曜日にロングライドに出かけた事は、 理論と経験に基き緻密に行われた事でしょう。
決して、『イタリアかぶれの俺はついついその景色に魅了されてロングライドに出かけてしまったぜ、チャオ―。』 と言ったノリで行った事では無いはずです。
そんなノリな選手ならもうワタクシ大ファンです。笑
言える事は、単純に『蓄積疲労の少なさ=パフォーマンスの発揮できる大きさ』では無いという事。
レースに対しベストな状態までビルドアップされた身体には、それなりの疲労も混在していて当然、 そのバランスをどこでとるかが鍵となります。
私は現役時代、トレーニング過多となり調整失敗、疲労困憊でスタートラインに立った事が何度かありました。
しかし、距離が長いレースでは苦しみながらも、その身体状態からは驚くような良い結果がついてきた事も多くありました。
休養の仕方こそ失敗しましたが、トレーニング量は決して裏切らなかったという事。その結果に犠牲にした時間が報われました。
が、それはやはり身体がトレーニングに対応するほど強靭で無かったのかもしれませんし、その強靭さがあれば、さらに良い結果がのぞめたのかもしれません。
世界最高峰へ上り詰める選手は、その強靭な身体も持ち合わせているのでしょう。
がしかし、293㎞のレース2日前にロングライド…。
その言葉を見ただけで、それ以前にどの様なトレーニングを行っていたか気になり、 あれやこれやと妄想が広がり他の事が手につきません。
想像しただけで世界一線の戦いの凄みを感じますね。
ロングライド、何キロやねん!