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Hidenori Nodera 野寺秀徳『輝く路の上で』

SHIMANO Racing野寺監督のブログ

シクロクロスで輝く!

2019-01-22 20:35:57 | 日記

争いごと。

と言っても、スポーツですよ。

シクロクロスというロードバイクとマウンテンバイクを融合したようなバイクで走るあれです。

ロードレースのオフシーズントレーニングとして選手が取り入れたりするこの競技ですが、なんといっても1時間以内の短い競技時間の中で、バイクを進めるための様々な要素を必用とされる種目です。

ロードレースではペダルを力強く踏み込む事がバイクを進める要因の大部分を占めていますが、シクロクロスでは左右に曲がる、タイヤの滑りで崩れたバランスを修正する、上に飛ぶ、何かを避ける、バイクを降りたり乗ったり担いだり、時には人を含む障害物との接触に対応する等の変則的な運動を毎秒のように処理しながら進んでゆく競技なのです。

高い運動強度と共に集中力が必要な分、アドレナリンも多く放出するからこそこの競技に魅せられるライダーも多いのでは、と思っています。

ロードレースのプレシーズンもすぐそこに迫るなか、私も最後にと「関西シクロクロス堺みなとグリーン広場」に参加させて頂きました。

C2という第2カテゴリーへの出走資格を得た私は軽い気持ちでエントリーです。

大会前日、所属会社の地元という事で他の社員の方々とコース設営のお手伝いに参加させて頂いたのですが、ここで担当したのはコースを縁取っていく杭打ち。

堅い地面にハンマーを振り下ろすことをひたすら繰り返し、全身ヘロヘロのボロボロ。お昼に頂いた‘のり弁当’の海苔に箸を貫通させる事も難しくなるほど指と腕の力が消耗していました。

そんな余裕が無い状況で、ひたすら杭を打ち続けたのですが、ふと振り返るとその杭に巻きつけられたコーステープが見事なレースコースを描き出しているではありませんか!

ほとんどが見渡せる今回のコース。

見ていたら走行中の苦しさを想像し、自然と緊張感が湧きあがりました。

前日の設営があったからかレース当日は何故か気持ちがいつもよりちょっとだけレースモード。

直前に最高カテゴリーレースを終えた木村圭佑選手のバイク(もちろんGIANT)が私の物(もちろんGIANT)より完成度が高く、急きょわがままを言ってお借りする事になりました。

この冬例年よりは不摂生が少なかったからか?先週山の中をさまよい続けたからか?レースでも想像以上に身体が動き全力で走っているうちに先頭争いに加わる事ができました。

ロードでもTOP選手であった辻善光選手との争いとなった事もあり、既に中盤限界を迎えていた私に更なる集中力が湧きあがります。

このまま2名での争いと思っていましたが、最終ラップにはこのシリーズチャンピオンにも輝いたことがある入江選手が後方から迫りそちらへの焦りも感じはじめます。

辻選手には何度も置いて行かれそうになりますが粘りつづけゴールスプリントへ。

一瞬僅かに車輪が前に出たのですが、私の身体の中の火薬は3秒で全て燃え尽き機能停止、ロード競技でもスプリントで他を圧倒する力を誇っていた辻選手の走りにかるーく抜き返され2位敗退。

ゴール後はしばらく動けない程身体が追い込まれてしまいました。自分で自分を褒めたいと思います。by有森選手

しかし、選手を引退し8年経過した今、あの時と同じように誰かと争い熱い気持ちになれた事は素晴らしい経験でした。

レースを応援してくださっていた方々も先頭争いを「見応えがあった!」と言ってくださり、一時だけまた勝利を追い求める現役選手になったような気持ちにも。

やはりスポーツは、自転車競技は素晴らしい。

と、思わされたのです。

そして、スポーツの素晴らしさはライバルあってからこそ。

今回、一時だけでも最高の形でライバルとなってくれた辻選手、そして入江選手に感謝します。

ありがとうございました。


↑写真は大会公式フェイスブックよりお借りしました

ってワタクシどこ目指してるのでしょうか。

そうです東京五輪日本代表選手です。 うそ、もうこんなキツイのこりごりです。

 

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大寒を楽しむ

2019-01-17 20:00:26 | 日記

いんや、それにしてもさみーですね

朝、ぬくもりと優しさと温かさにあふれた世界(ふとん)をかえりみず一人外界に飛び出す時などは、ただそれだけで自分が勇敢な戦士になったようにすら感じます(といってもまだ部屋の中ですが)。

その後、石油ストーブが点火するまでの1分間ほどは身動きできず、お地蔵様になった気分。

 

 

今週末から2月の最初頃までは『大寒』1年で一番気温が下がると言われる時期らしいですね。

年齢を重ねるにつれ基礎体温を上げる能力が落ちているようで、室内にいる場合でも嫌な寒さを感じる事が多くなっている気がします。

が、それはオフィス等で運動していない時間の話。

実はわたくし、寒さの中、外で活動する楽しさを感じる事も年齢を重ねるごとに覚えている気がするのです。

若いころは好きな季節と聞かれればなんだかアクティブでカッコいい気がして『夏』と即答していたのですが、今はどの季節も楽しむ術を知りました。

選手として長らく自転車と共に屋外に身を置く事で、色々な経験をしその素晴らしさを知る機会も多かったのかもしれません。

私にとって自転車は、「競技機材」よりも「旅の道具」として接していた時間の方が長かったのかもしれません。

と言ってしまったら、競技者として様々なサポートを頂いていた立場として不謹慎なように感じますが、世界で活躍する選手含め多くの選手にとっても実はそんなものなのでは?と考えています。

もちろん、強くなるための考え方やアプローチは人それぞれ。

しかしレース時間もトレーニング時間も長いロード競技、私の場合そんな思考を持ち合わせなければ気が滅入り活力が湧かなかっただろうと考えています。

どんな場面でも、その状況を楽しむ術を見つけ、成長してゆくための活力を自ら生産する。

とても大切なプロセスなのではないでしょうか。

そういう意味では、「悲しい、寂しい、名残惜しい」より「俺って勇者!」と心で叫びながら飛び起きた方がこの冬の寒さを克服し、味方に変え、成長できるのだと思います。



なんのこっちゃ。

 

 

先週末の休日、その日も多くの時間を外で過ごしました。

日中、仲間とマウンテンバイクで山道を通過した時、頭に乗せていたはずのアイウェアを紛失。

一旦帰宅してからそれを探しに、同じ山へ今度は登山に出かけました。

入山は日の入りと同時刻、山の中は闇に包まれていましたが、ヘッドライトと替えの電池を幾つか持ち必用な視界に困る事はありませんでした。

見つけられる可能性の大小は見当も付きませんでしたが、発見した時の感動を求め宝探しのような気分で闇の中を歩きます。

いちばん心当たりにしていた場所でも見つからず。

 

そんな中、標高700m超の山道で同じように歩いている方とお会いしました。

獣避け?の鈴を幾つかつけ、シャンシャンという音と共に闇の向こうから近づいてきます。

このルートは夜歩く登山者も珍しくないと聞いていたので、それほど驚きはありません。

『サングラス落ちてませんでした?昼来た時に落して。』

と尋ねると

『え!!今それを探しに来たんですか!?』と変人を見るようにあきれ顔。

それもそうですが、すかさず私は思ったのです。

いやいやオタクも世間から見たら同じくくりですょ。

-と。

ま、そんな事はさておき、私の進行方向から来たお方が、広くない登山道をヘッドライトで足元を見ながら歩いてきたのに目に入らなかったのだから既に他の登山者に拾われた、もしくは道を外れた茂みの中に入ってしまった可能性が高いです。

諦めながらもあと少し、と進んでゆくと別の収穫物がありました。

一緒に走った仲間が無くしたウォータボトルが木の根元に転がっていたのです。

彼もいつ落したのか気づかず走っていたとのこと。

それを回収したことで、自分たちが自然を汚すことを少し避ける事ができたと思うだけでも登った甲斐がありました。

結局この日は朝の9時~夜の21時過ぎまで、ほとんどの時間を外で動いていた事になります。

※山は危険が多く潜みます。十分な備えと知識をもってゆとりを持った行動を心がけましょう。


闇に包まれた山林の中から一人煌びやかな街明かりを見おろすのも良いものです。(オバケや獣と遭遇しなければ)


サイクルロードレースのオフシーズンも、あっという間に終わりに近づき、月末から合宿を中心としたプレシーズンが始まります。

 

新たなシーズンへ向けた活力を高めるためにも、この季節にしかできない事を楽しんでいます。


でも、やっぱり朝はふとんとのお別れが悲しく寂しく名残惜しくてとても苦手です

あ、それは夏でも同じか。

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自転車なおしマン

2019-01-15 19:29:06 | 自転車マン

先週の事です。

日の入り前にチームクラブハウス付近の道路を車で通過していた時、気になる光景が目に入りました。

小学生高学年くらい?の男の子が歩道で自転車をサイドスタンドで立てた状態でしゃがみこみ、後輪中心付近を見ながら何か作業をしています。

通過する一瞬見ただけですが、永らく自転車に携わっている私にはそれが何らかのトラブルである可能性が高い事は容易に想像ができました。

私も同じような年齢の時、同じような恰好で、同じような場所を覗き込みそのトラブルを解消しようとしたことがあります。

一旦通過し路肩に車を停車させ、「自転車壊れたの?」と聞きながら近づく私に、多少の訝しげな表情を浮かべながらも「うん」と少年。

近寄ってみると案の定、チェンがギアから脱落し車輪とフレームの間に噛み込むことでペダルを回すことができない状況となっていました。

自分で解決できるならと、そこに手を伸ばそうとする彼を少しだけ静観しましたが、どうにも困ってる様子。

ちょっとやらせて、と偶然持っていた軍手を手にはめチェンを引き抜きギア上に戻しました。

どうやら、変速機のアジャスタボルトの調整がしっかりできていなく中心が正常位置からずれています。

「前にも同じようになったことある?」と聞くと「はい。」と少年。

「あの車見てみてよ、’SHIMANO’って、君のギアに書いてある文字と一緒でしょ?オッチャンこの部品作ってるところで働いてるんだよ。キミ、お客さん。あざぁーすっ!」

と伝えると、あ!とようやく少年の顔がほころびました。

「このネジを回すと良くなるよ。もう同じトラブルは起きにくいと思う」

と、持ち合わせの無い工具の代わりに家の鍵を使用しネジを少々回転させ、正常な位置へ定めました。

※機材を傷める可能性があるので整備は正しい工具を使用しましょう。

そして、もう大丈夫、とドヤ顔全開で少年に自転車を手渡したのです。

「ありがとうございます」と言う彼。

彼の役にたったという結果があったならば、私にとっても嬉しい出来事です。

 



こんな写真がありました。

 

2005年、オーストラリア遠征時のものだったと思います。

古い車のボンネットをあけ道端で困っているお嬢様達。

トレーニング中にその光景が目に留まり修理を手伝っているところです。

写真には、阿部良之選手、狩野智也選手、廣瀬佳正選手、山本雅道選手、品川真寛選手、辻貴光選手、土井雪広選手と懐かしい当時シマノレーシングに所属していた面々が。

私は、自動車の知識が全くなくこの場では役立たず。おもひで写真を撮ることくらいしかできなかったのですが、車に詳しいメンバーも多く、原因を予想しその場で出来る事を試しています。

結局、エンジンを始動する事はできず助ける事は出来なかったのですが、お嬢様がたは皆の努力にとても感謝していた記憶があります。

 

自分の持っている知識や能力が人の役に立つのは素晴らしい事ですよね。

もちろん誰もが行っている様々な労働も、世の中の役に立っているからこそ存在するものと思います。

誰かに助けられているぶん、誰かも助ける。

そんな気持ちを持ち続けたいものです。

周りに迷惑ばかりかけて常に助けられながら生きている私が言うのもなんですが(ー_ー)


以前にも同じような事書いていました。

10年以上前。

このブログもそんな前からと思うと同時に。

10年で全く成長できていない自分にも気が付くのでした・・・。




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山サイクリング

2019-01-05 22:34:22 | 日記
遅くなりましたが、

あけましておめでとうございます。

新しい年がスタートしました。

私は今年もサイクルロードレースの現場で活動させていただきます。

それだけで、嬉しいことも辛いことも様々な事が起こることを想像できますが、緊張を伴う活動の中でチームメンバーと共に成長してゆけることは掛け替えのない貴重な時間です。

今年も皆様の支援を受けながらその時間を大切に活動してゆきたいと思います。


昨年末、シーズン中はなかなか時間が取れずゆっくり共に過ごすことができない家族と山登りに出かけました。

嬉しさのあまり張り切りすぎて、小学生低学年には厳しすぎる登山ルートを選択してしまい反省しましたが、それでも山の中で無心に歩き家族と共に過ごす時間は濃密で貴重な時間でした。

山の中で食べるカップラーメンはそれだけで高級なお店で頂く料理と並ぶ、いやそれを上回るスペシャルな味。

高級な店の味を自分ははたして知っているのでしょうか。

空腹は最高の調味料です。






今日は今日で自転車初乗り。

という事で、マウンテンバイクで一人大阪の山に向かいました。

そこらじゅうにイノシシが土を掘り返した跡があり、イノシシ年の主役の彼らが元気に活動している事を確認。笑



山には危険が多くひとりで過ごすにはそれなりの準備と覚悟が必要です。

しかしながら、そこにしか無い空気感があるのも確か。


私は小学生の頃から1人で遊ばなくてはいけない事が多く、その遊びのひとつに裏山の探検がありました。

今思えば大した距離を進んではいなかったと思いますが、行くたびに好奇心と恐怖心を抱きながら少しずず山の奥へと距離を伸ばし歩いた事をおもいだします。

私にとってそこは幼い頃に過ごした場所を連想させる空間なのかもしれません。


今日、山を走行している時、山歩きをしている方に道を譲って頂く場面が2度ほどありました。

自転車を降りて、お礼を言いながら狭い登山道で道を譲ってもらうのですが、自転車は山を荒らすというイメージを持たれているのでは無いかと気が引ける場面でもあります。

その場でイメージを変えることは難しいのかもしれませんが、せめてもの行いとして可能な範囲で登山道に落ちているゴミは拾って持ち帰るようにしています。

本日の収集物はお菓子の袋一つとコンビニおにぎりのビニール包みの切れ端ひとつ。

捨てられた、というよりは先を行く誰かが落としてしまったもののようでまだ汚れがほとんどありませんでした。

思えば、そんなゴミは日々出るでしょうが山にはゴミが少なく感じます。

山に入る人たちの多くはゴミを拾いながら進んでいるのでしょうね。

とにかく、大好きな山も自転車も今後継続して楽しめるように。敬意を払いながらマナーを重んじて山で過ごしたいと思わされました。

街の中の走行も同じ、いやそれ以上に周囲に気を配りマナー良く走る事で道路上での自転車の認知度を高めてゆければ良いですね。

選手はとっくのむかしに辞めましたが、まだまだ自転車に乗りたい欲は尽きる事ありません。

そろそろ趣味でロードレースにも出てみたい。

今年の目標にしてみましょうかね。

無理かな('ω')



↑元旦は息子と凧揚げに。空高く飛びました。凧揚げは海釣り用の竿とリールを利用すると凧をコントロールしやすいです。が周りからの目が羨望なのか軽蔑なのか判断が難しいところw。






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