先週の事です。
日の入り前にチームクラブハウス付近の道路を車で通過していた時、気になる光景が目に入りました。
小学生高学年くらい?の男の子が歩道で自転車をサイドスタンドで立てた状態でしゃがみこみ、後輪中心付近を見ながら何か作業をしています。
通過する一瞬見ただけですが、永らく自転車に携わっている私にはそれが何らかのトラブルである可能性が高い事は容易に想像ができました。
私も同じような年齢の時、同じような恰好で、同じような場所を覗き込みそのトラブルを解消しようとしたことがあります。
一旦通過し路肩に車を停車させ、「自転車壊れたの?」と聞きながら近づく私に、多少の訝しげな表情を浮かべながらも「うん」と少年。
近寄ってみると案の定、チェンがギアから脱落し車輪とフレームの間に噛み込むことでペダルを回すことができない状況となっていました。
自分で解決できるならと、そこに手を伸ばそうとする彼を少しだけ静観しましたが、どうにも困ってる様子。
ちょっとやらせて、と偶然持っていた軍手を手にはめチェンを引き抜きギア上に戻しました。
どうやら、変速機のアジャスタボルトの調整がしっかりできていなく中心が正常位置からずれています。
「前にも同じようになったことある?」と聞くと「はい。」と少年。
「あの車見てみてよ、’SHIMANO’って、君のギアに書いてある文字と一緒でしょ?オッチャンこの部品作ってるところで働いてるんだよ。キミ、お客さん。あざぁーすっ!」
と伝えると、あ!とようやく少年の顔がほころびました。
「このネジを回すと良くなるよ。もう同じトラブルは起きにくいと思う」
と、持ち合わせの無い工具の代わりに家の鍵を使用しネジを少々回転させ、正常な位置へ定めました。
※機材を傷める可能性があるので整備は正しい工具を使用しましょう。
そして、もう大丈夫、とドヤ顔全開で少年に自転車を手渡したのです。
「ありがとうございます」と言う彼。
彼の役にたったという結果があったならば、私にとっても嬉しい出来事です。
こんな写真がありました。
2005年、オーストラリア遠征時のものだったと思います。
古い車のボンネットをあけ道端で困っているお嬢様達。
トレーニング中にその光景が目に留まり修理を手伝っているところです。
写真には、阿部良之選手、狩野智也選手、廣瀬佳正選手、山本雅道選手、品川真寛選手、辻貴光選手、土井雪広選手と懐かしい当時シマノレーシングに所属していた面々が。
私は、自動車の知識が全くなくこの場では役立たず。おもひで写真を撮ることくらいしかできなかったのですが、車に詳しいメンバーも多く、原因を予想しその場で出来る事を試しています。
結局、エンジンを始動する事はできず助ける事は出来なかったのですが、お嬢様がたは皆の努力にとても感謝していた記憶があります。
自分の持っている知識や能力が人の役に立つのは素晴らしい事ですよね。
もちろん誰もが行っている様々な労働も、世の中の役に立っているからこそ存在するものと思います。
誰かに助けられているぶん、誰かも助ける。
そんな気持ちを持ち続けたいものです。
周りに迷惑ばかりかけて常に助けられながら生きている私が言うのもなんですが。(ー_ー)
10年以上前。
このブログもそんな前からと思うと同時に。
10年で全く成長できていない自分にも気が付くのでした・・・。