古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県高取町・市尾宮塚古墳

2015-09-05 08:08:15 | Weblog
奈良県高市郡高取町市尾天満の独立丘陵上にあります。
近鉄吉野線・市尾駅の西北西約400m、徒歩約10分のところです。
天満神社の東側です。

全長47m、後円部径28m・高さ6m、 前方部先端幅24m・高さ4m 二段構築の前方後円墳です。
前方部を東に向けています。









1997年に調査が、1981年に発掘調査が行われています。
後円部にある埋葬施設は、花崗岩で造られた両袖型横穴式石室です。





凝灰岩製の刳抜式家形石棺が収められていて、縄かけ突起があります。
石室は羨道の長さが5.4m・幅1.4m・高さ1.5m、玄室の長さ6.2m・高さ3mの単室構造です。
石室内にはY字形の石組み排水溝が設けてあるそうです。
北西方向に開口しています。
現在石室内には入れませんが、石室の前に立つとセンサーが作動して自動的に内部照明が点灯し、実物の石棺を柵越しに見れるようになっています。
石室は四角に削った巨石を内向きに積み上げる方法で造られています。
石室壁面や石棺には赤い顔料が塗られているそうです。

盗掘を受けていますが、主な出土品として金銅装環頭太刀・刀子・水晶製三輪玉・小札・鉄鏃・弓金具・金銅装杏葉・鞍縁金具・金銀装辻金具・金銀製歩揺・金鈴・金銅装耳環・水晶製切子玉・ガラス製トンボ玉・須恵器 など多数にわたります。
遺物の豊富さでは、あの「藤ノ木古墳」をしのぐとも言われています。
外国産の遺物もたくさんあることから、被葬者は「外交に携わっていた豪族」の墓とみられています。

古墳時代後期・6世紀中頃の築造と推定されています。

昭和56年3月31日、国の史跡に指定されています。

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