古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

福岡県行橋市・ビワノクマ古墳

2019-08-03 05:41:52 | Weblog
福岡県行橋市大字延永字ビワノクマ、長峡(ながお)川と波瀬川に挟まれた海抜約25mの独立丘陵上にあります。
築造当時は海岸そばにそびえる高台だったようです。



全長約50m、 後円部径約25m・高さ約4.5m、 前方部先端幅?m・高さ?m  の前方後円墳です。















昭和30年(1955年)、延永地区出身戦没者の墓碑造成中に石室の一部が発見されました。
同年5月1日~14日、九州大学・鏡山猛助教授のもとで発掘調査が行われました。
その結果、主軸を西北ー東南にとる竪穴式石室と判明しました。




床面が長さ3.8m・幅1.2mの長方形の平面で粘土床がつくられていて、高さが1.7mあり天井は5枚の平石を並べて塞がれていたそうです。
人骨片少量、中国製内行花文鏡、変形四獣鏡、素環頭太刀、短剣、鉄鏃、硬玉製勾玉、青色ガラス製小玉、箭柄(やがら)、織布製矢筒、挂行革綴小札(甲)、土器などが出土しています。
挂行革綴小札(甲)は、奈良県の別所城山2号墳に出土例があるだけの珍しいものだそうです。
被葬者は北西に頭部が配されていたそうで、頭部に銅鏡、体部にガラス製小玉群が見つかっています。
北東側壁寄りには北から順に刀・剣・織布製矢筒・鉄鏃・多数の挂行小札が置かれていたそうです。

この古墳は調査時から長い間円墳とみなされてきましたが、平成21年~23年にかけて行橋市教育委員会が実施した墳形確認のための測量調査と発掘調査の結果、前方後円墳と判明したそうです。
なおこの地は古墳築造以前から墓地として利用されていたようです。

古墳時代前期・4世紀末頃の築造と推定されています。

昭和30年9月6日、福岡県の史跡に指定されています。

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