古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

滋賀県米原市・塚ノ越古墳

2020-04-11 05:31:09 | Weblog
滋賀県米原市新庄の平地にあります。
「近江はにわ館」の東すぐ、北陸自動車道の西脇です。


             (右奥がはにわ館)

全長46m、 後円部径18m・高さ2.1m、 前方部幅?m・高さ?m  の前方後円墳です。
前方部を西に向けちます。







(前方部)





               (奥が北陸自動車道)

(後円部)


墳丘の周りには幅7~9mの周濠があります。
1989年(平成元年)に近江町教育委員会による発掘調査が行われています。
墳丘には葺石が施されていたようです。
円筒埴輪や家形埴輪・人物埴輪・馬形埴輪・鶏形埴輪・岩見型盾形埴輪などが出土していて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。
岩見型埴輪は、全国で約50ほどの出土例があるそうですが、ここ滋賀県では前述の「山津照神社古墳」とこの古墳でしか出土していません。
墳丘裾部に巡らされていたようです。
玉杖の頭飾りを模した威儀具とみられていて、5世紀後半には大和政権にかかわる古墳にのみ立てられました。

埋葬施設は横穴式石室です。
1885年(明治18年)に主体部が掘られ、その後の土取りで封土が失われ、石室の石材も抜き取られるなどして墳丘は破壊されました。
石室があったとみられる部分は大きくへこんでいて、小さな祠が祀られています。









画文帯神獣鏡(新庄薬師堂所蔵)、ガラス製勾玉、管玉、丸玉、切子玉、金環、鉄刀、金銅製装身具 などが出土しています。

古墳時代後期・6世紀初頭頃の築造と推定されています。