靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

勝ち/ 負けということ

2012-01-25 00:07:02 | 子育てノート
勝つか/ 負けるか、世の中はそんな視線・パラダイムに溢れている。自分の方が強い、自分の方が優れている、自分の方が大きい、自分の方が・・・。

個々の内に刻まれた「勝ち/ 負け」視線。ほおっておくと家庭の中にも「勝ち/ 負け」パラダイムが蔓延していく。兄弟姉妹、夫婦、親子の間。「勝ち/ 負け」から「勝ち/ 勝ち」へのシフト。まずは家庭の中から実践を心がけていく。子ども達の内に「勝ち/ 勝ち」パラダイムを刻んでいく。

「勝ち/ 勝ち」とは互いが納得できる着地点を見つけ出すということ。相手も自身と同様に大切であるということの証。「私」から「私達」への移行。

「勝ち/ 勝ち」は「勝ち/ 負け」とも「負け/ 勝ち」とも違う。

「勝ち/ 負け」は相手がどうなろうと知りやしない、自分が勝ってさえいればよい的姿勢。

「負け/ 勝ち」は自身が踏みにじられようとされっぱなし。相手に勝たせてばかりで相手にとっては居心地よく周りにも「いい人」に見えたりする。でもその場限りで長い目でみたら結局誰も勝たない(育たない)。

自身も勝ち、相手も勝ちを子ども達にトレーニングしていく。

気づいたり見聞きしたり読んだりしたことを実際に試してみていいと思うこと:

・「○○はあんなこともできないんだよ」「なんて下手くそなんだろ」「そんなことも知らないのお」そんな言葉が聞かれたのなら「じゃああなたが教えてあげてね」と伝える。相手より何かができるということは相手に教えてあげられる機会ととらえさせる。

・自分が勝っておしまいでなく、相手も勝たせるにはどうしたらいいのか。互いが納得できる解決策を見つける努力をさせる。

・負けたとしゃがみこんで泣いてないで他に解決策はないのか考え動くようにさせる。

・競技会、スポーツなどの勝ち負けの世界でも、勝つということだけがゴールではないと思い出させる。チームワーク、技術の向上、フェアさ、楽しみ、などなどゴールはいくつも。

・親子間でも「勝ち/ 勝ち」。といってキャンディーを5個食べる、テレビを2時間見続ける、ウォーターパークに行ってアイスクリームを食べて、などのその場のインスタントなハッピー満面笑顔が「勝ち」なわけではない。子どもの時点では理解するのが難しい長い目で見たその子にとっての「勝ち」。その子が今欲しいものとその子に必要なものは違う。必要なものを納得して受け入れさせるにはまずは親子関係を充実させることがキー。

・親子間でも子どもの年齢が上がるにつれ「勝ち/ 勝ち」の話し合いをする。子どもの言い分にオープンに。こちらの言い分も出す。互いに納得できる着地点を模索する。同意したのなら、その同意に互いが依るようにする。


「勝ち/ 勝ち」パラダイムを、家庭という内から外へ。

競争の軸は

2012-01-25 00:06:56 | 子育てノート
レゴリーグ競技会、なるべく多くのチームにトロフィーが行き渡るよう考慮されている。1部門で優勝したら他部門で高得点でも他チームに賞が回される、など。

チームメートの親、友人が言う。

「全員にメダルをあげたり、全員にトロフィーをあげるというような風潮、私はあまり賛成できない。大きくなって社会に出たらそれは厳しいもの。現実とは違う夢を見させてその場は皆嬉しいかもしれないけれど、長い目で見たら子ども達のためになんてならないわ」

日本の手繋ぎかけっこで仲良く一緒にゴール、学芸会で7人が一緒に主役などなどの話を思い出す。

私も1つのものさしに皆を横並びにさせたところでどうしようもないと思う。多様なものさしを生み出すことの方に力を注いでいかないことには。

かけっこがどべなら、違うことで頑張ればいい。どべであることが、他分野への興味を強めるかもしれないし、ひょっとしてどうしたら早くなれるかと工夫していく機会になるかもしれない。周りの大人はまやかしの横並びでなく、どうしたらその子がこの厳しい社会でより生かされていくのかを真摯に模索していくべきなのだろう。1人1人に必ずギフトはある、それらを磨き育てていくことへ。

競争はよりよきものを生み出す原動力にもなる。ただその競争の軸は様々あるといい。そして究極の競争は昨日の自身との競争。

レゴリーグにロボットだけでなく、チームスピリット、プロジェクトなどの様々な面からの評価があるのはいいと思う。

レゴリーグの目標の一つは、科学数学に携わる人材を育てるためとされている。アメリカでますます弱くなりつつある分野、この分野の多くが海外からの人材で占められている状況といわれる。切磋琢磨し合い、輝く人材が誕生することを願いつつ。

とことん向き合うこと

2012-01-25 00:05:16 | 子育てノート
何かにとことん向き合うことで見えてくるものがある。同じものを前にしながら以前は見えなかったもの。

「僕たちだってこれだけ何日もロボットに向き合わなかったら、テーブルの少しの長さの違い、マットのシワ、ゆがみ、そんなことを気に留めもしなかったんだろうな」

微妙にあちらこちらズレて作られた大会のレゴ・テーブル。「大工仕事でさっと作られちゃったんだろうね」というコーチの言葉に、チームメート。

とことん向き合うことの意味は、見えなかったものが見えるようになっていくこと、その変化にある。

子ども達、いい体験をさせてもらっている。