靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

あの景色の広がりを内に

2013-06-23 11:39:45 | アラスカ南東への旅2013
次は何をどう作って食べて、それにはどこに何がしまってあって、どう片付けて、これからどこへ行って何をして、どの服を着せて何を洗って、どこに泊まって・・・、

あの態度はないよなあ、あの表情あの言葉! 子供たちや夫の気になる態度や言葉に気を揉み、

この子こんなんで大丈夫かなあ、これから随分と苦労しやしないかなあ、子供たちの将来を心配し、

ああ、あれもしたいしこれもしたいのに、やること山積みで、そう帰宅してからの生活を思い、焦り悩み、


ふと、顔を上げると、そこには、はるかどこまでも続く山々、まぶしく広がる澄み切った水、



大地の輪郭をなぞる真っ青な空、



雲の流れ、



波の音、川のせせらぎ、鳥のさえずり、風にゆれる草木の音・・・




圧倒され、深呼吸。


あの山々がこうして聳え立ち、大地がこうして水に満たされ、木々がすっくと伸びるまでには、それはそれはもう途方にくれてしまうほどの時が過ぎ去り、

何百年も何千年も何万年も、こうして、どしりとあり続ける存在

こまごまと入り組み、移り変わり続ける営みに、せかせかと埋め込まれた自分

そのコントラストに、はっとさせられる、そんな瞬間を旅の間、何度も何度も体験しました


それは、ああ、こうして、常にそこにあり続けているんだな、

そんな、安心感に包まれるような瞬間でもあり


大海で、バタバタと必死で手足動かすミジンコのような自分

ふと手足を休め、ぷかりぷかりと浮かんでみる

そしてまた、前へと泳ぎ始める、大海の広がりを内に抱きつつ


あの景色の広がりを内に、日常の細部に丁寧に向き合っていこう、そう気持ち新たに!


かつて野心渦巻いた地にて

2013-06-22 23:59:16 | アラスカ南東への旅2013
スキャグウェイ(Skagway)から舗装されていないガードレールなし川沿い崖道を、

7マイルほど行ったところにあるダイー(Dyea)のキャビンに3日間。

クロンダイク(Klondike)へ続くチルクート・パス(Chilkoot Pass)の入口だったダイー、今は民家がところどころに見られ、キャンプ場などがあるのみ。


ゴールドラッシュ当時(19世紀終わり)、この地に10万人近く集まったものの、気候の厳しさ(冬はマイナス50度!)、カナダ政府によるクロンダイクへの山越えには1年分の食料を持っていくべしという要請から、1トン近くにもなる荷物を運ぶ必要があったなどの過酷な条件により、金鉱にたどりついたのは3万人ほど、金を獲得したのはその中でも4千人ほどと言われている。

金鉱目指して急斜面を重荷担いで登る人々。クロンダイク・ゴールドラッシュの象徴的図。チルクート・パス。


ゴールドラッシュに集まる人々に向けての商売(宿泊施設や食事の提供など)目当てで、この地にやってきた様々な人々の記録も残されている。

過酷な環境に、一攫千金を狙って集まった人々。燃え上がる野心、ゴールドを目指した猛者達。

またそれらの背景には、多くのネイティブ・アラスカンがリザベーションに移され、亡くなったという歴史も。




そんな当時の様子は跡形もなく、今は観光地としてクルーズ客を迎える地。

志半ばに亡くなった人々、大金を得伝説になった人々などの墓地が、ひっそりと森の中に残されている。

当時町があったところ。




この地に立ち、野心というものを、改めて見直す機会になったように感じてます。

野心とバリューを、ヒレとウロコ(ヒレはプロペラ、前へ進ませる動力=野心、ウロコは身体そして魂を守るもの=バリュー)を、共に持つこと。

何に、どんな方向へと、渦巻く野心を生かしていくのかを見極めること。


そのすさまじい野心のエネルギーを、肌に感じつつ、

厳寒の雪山を、肩がひきちぎれるほどの重荷を背負って、何ヶ月もかけ、登り続ける勢いで、

Boys & Girls, be ambitious! そう子供達と話したダイー滞在でした。

アラスカ南東への旅1、2,575キロ走行!

2013-06-20 02:37:36 | アラスカ南東への旅2013
アンカレッジに無事、戻ってきました!

大きな事故怪我もなく、ありがたいこと、そうほっとしながらも、旅の片付け(衣服+寝袋+ブランケットなどで天井にまで届きそうな洗濯物の山!泥だらけ長靴やテント干しやらなどなど)を何とか終えたと思ったとたん、週の初めから再び怒涛の夏休み生活に走り回ってます。旅の余韻に浸るのも、この嵐の中で。(笑)

今年の夏は本当に快晴続きで、気温も30度近くの日々(記録的な気温上昇)! 毎日半そでショーツ、寝るのも窓開けて、なんて夏は、本当に久しぶりです。

旅中もずっと天気に恵まれ、皆すっかり夏の肌。

今日も快晴! 身体中に染み渡る太陽の熱、満喫中!



アラスカ南東への旅、とにかく、よく走りました。

カナダの国境を越え、アラスカ南東部スキャグウェイ(Skagway)へ、そこからフェリーで1時間のヘインズ(Haines)、そしてへインズからアンカレッジへ。合わせて約2,575キロメートル!(1600マイル:行き832マイル、帰り768マイル)。

日本縦断するとこれぐらいでしょうか。といって日本とは全く違い、途中小さな村をいくつか通るくらいで、ほとんど車にも出会わない道を時速百キロ以上でひたすら飛ばし続けるといった感じ。ということで、走っていたのは行き二日、帰り二日の四日間程。途中何度かちょっと休憩、ちょっと炊事食事としながら。

こんな出で立ちで。

自転車やらカヤックやら食料やら引っ張って。「引越し?」と出会った人々に聞かれながら。(笑)


車窓に広がる風景にひたすら圧倒! のドライブでした。

それらの風景、私の小さなカメラには、到底おさまりきらないのですが・・・:














道路横に光る深緑な湖に吸い込まれるように車をとめ。

「スピリット湖(Spirit Lake)」という立て札。

「ナショナル・ジオグラフィック」(雑誌)見てるみたいと、長男。(笑)


スキャグウェイに入る前に広がる風景、雪がところどころ残り、半分凍った湖、こげ茶の岩や山が広がり、もう何というか、この世のものとは思えない景色でした。日が傾き、その多くは光の加減でうまくカメラにはおさめられなかったのですが。



動物との出会いも:

グリズリーに二度(一度は小熊連れ)、

むしゃむしゃタンポポ食べてました。

鹿の群れ、


他にも、黒熊、ハリネズミ、シャチ、などなど。


出会った風景の一つ一つが、今も内に広がっています。

アラスカ南東への旅2、食事宿泊

2013-06-20 02:36:52 | アラスカ南東への旅2013
実は宿泊予定だったところに、出発二日前、泊まることができないということになり。さてさて、まあ何とかなるでしょうと出かけた今回の旅。(笑)

テント毎日でもいいし、と思っていたのですが。なかなかそういうわけにもいかず。

一つには「」、ドライブしていても三頭の熊に会ったのですが、カナダのキャンプ場では「熊が頻繁に出るのでテントでのキャンプは禁止(キャンピングカーならOK)」の立て札も。食べ物をきちんと車にしまい、こちらから熊を驚かせさえしなければ、だいたいの場合は大丈夫なのでしょうが(子持ち熊は例外)。夜中もトイレに起きたりとうろちょろする下の子達連れ、ちょっときついかなと。

二つ目には「」。アラスカの州鳥は何? 蚊、でしょ。 そんなジョークがあるくらい、アラスカの夏といえば「蚊」なのですが、場所によってはもう、人の近くにそれぞれ黒い煙が立ち上っているのかと思うほどの蚊。野生動物の皮膚を突き抜くほど強い針、ジーンズはいてても刺されることも。僕は38、私41かな、旅が終わり、皆で蚊に刺された箇所を数えて。(笑) キャノピーに網がついたものがあるといいですね。キャノピーは用意していたものの、網はアンカレッジの店、どこも売り切れで旅前には手に入らず。

ということで、キャビンなどに宿泊。

道中カナダでは、こんなテントを少し丈夫にしたようなところに。

といって結局ここは、隙間から蚊が入ってきてぶ~んぶ~ん、皆夜通し眠れず。

中にはベッド。


残りはこんなログキャビンの日々。


シャワーつきなんて贅沢なものもあれば、こんなバンクベッド&床に寝袋のところも。


コインランドリーにも一度お世話に。

一気に四台占拠。

食事は、おなべ用のコンロが大活躍。出発後一日半は自宅で作り持参したカレー、残りはペストorトマトソースにショートパスタやスパゲティが主、時々缶のスープやラーメンやホットドッグ。ちょこちょこサンドイッチも作って。

副菜には、じゃがいも、とうもろこし、玉ねぎなどこうしてホイルに包んで、


焚き火に。


レタス、トマト、アボガド、ベルペッパー、オリーブ、豆のマリネなどもアピタイザーに。

外でいただくわけですが、

こんな川辺で、


踊りながらだったり、

はだし・・・

花摘みながらだったり、


森の中だったり。


蚊が多くてとても座っていられない場合は、車の中で。

蚊を振り払いながらのラーメン作り。


ここでも、広げてみたものの、「蚊の煙」状態で車の中へ。


デザートはマシュマロとチョコを溶かしグラハムクラッカーに挟み、アメリカでキャンプといえば欠かせない「スモア」。


スナックにはオレンジやグレープフルーツなどなど。


8日間、水以外補給することなく、何とか乗り切ることができました!

外で作って食べて、美味しさも倍増ですね。

アラスカ南東への旅3、化石採集

2013-06-20 02:35:15 | アラスカ南東への旅2013
さて、出発!と早朝アンカレッジから一時間半ほど走ったところ、サットン(Sutton)。

車をとめて、こんな朝の道を一キロほどいくと、


アラスカ大学の地学の課外授業の場でもある、化石ごろごろ斜面。


あった!


こんなのが、あちらこちらに。


ふむふむ。


朝の日差しの中。


ここで一日過ごせそうというくらい五人夢中。旅は始まったばかり、また来ようねと約束して。


わたしのおへやにおくの、と。


皆お気に入りを少しずつお持ち帰り。

アラスカ南東への旅4、水に遊ぶ

2013-06-20 02:34:30 | アラスカ南東への旅2013
澄み切った水に手を足をひたし、つめた~い!

カナダ、Cluane Lake。


どこまでも澄んだ空に水に、石投げて。


きもちいいね。



スキャグウェイから7マイルのところにある、クロンダイク・ゴールドラッシュ跡ダイーへ向かう途中の海にて。


カヤック!


いえ~い!


岩へ、


よじ登り。


私達はゴムボート。


きゃ~、波と戯れ。


耳澄まし。



ダイーのゴールドラッシュ住居跡を回りながら、川渡り。



三日間お世話になったスキャグウェイ、バイバイ!


車ごと乗ってしまえるなんて、こんな大きな船初めて!と大興奮な子供達。



ヘインズの海!

ひゃっほ~。


海辺を歩き、


おやまつくってみたの。


おはな摘んで。


ざぶざぶ走り。


さいこ~。



アンカレッジへの帰り道、トークから一時間ほど、昼ごはんはポーキュパイン川の川辺で。



子供達の水辺での楽しみの一つに、石や貝殻の収集があります。この形、この色とうっとりしながら。

車中で収集品の披露会なども。


かにの甲羅も収集・・・。

こんな大きなの手に取るの初めてな子供たち。

澄んだ水に、心洗われました。

アラスカ南東への旅5、森に野に遊ぶ

2013-06-20 02:33:33 | アラスカ南東への旅2013
スキャグウェイから七マイルのダイー(Dyea)にて、ゴールドラッシュ跡をサイクリング!

装備確認。


ちびっ子達は、三輪車や補助輪つき自転車こいだり、トレーラーに乗ったり。


それ~。


建物跡を横に。


長男もトレーラーを引っ張れるようになり、助かります。




ダイーのゴールドラッシュ跡、森の中の墓地を歩く。この枝何だかすごいね。


スキャグウェイのダウンタウンからトレールを行き、ゴールドラッシュの墓地を抜けると、滝。




ヘインズの森を行く。


進むほど植生が変わる。



緑に囲まれ、


花図鑑を片手に、花々に目を留め。

bunchberry


yukon beardtongue


star flower


wild sweet pea

アラスカ南東への旅6、人の集まり今昔

2013-06-19 23:59:37 | アラスカ南東への旅2013
スキャグウェイ(Skagway)の町を一望。

人口約900人という小さな町。

そこへ、一隻9000人ほど収容というクルーズが、


毎日三隻から四隻寄港。


ダウンタウンの通りには、ファンシーな店が並び、


世界中からの観光客が。


ラフティング、町観光、ゴールドラッシュ跡巡りなど、ツアー客を乗せたバスがこんな小さな町を何台も何台も走り回る。

ヤングレンジャー養成プロジェクトをしてくれる建物も。


ブースを回り、スクリーンに示される問題を解いていく。


ゴールドラッシュ時の人々になってみたり、


当時の玩具で遊んでみたり。


最後に宣誓。

ヤングレンジャーバッジをいただき大喜び。

百年程前、ゴールドラッシュに十万人ほどが押し寄せたという北の果ての地、今は観光地として大賑わいでした。