靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

整理、過程にフォーカス

2012-11-25 02:18:52 | 今週の整理
1.今年は家族でひっそり感謝祭かなと思っていたのだけれど、一週間ほど前に数家族で集まることにとんとんと決まる。持ち寄られた数々の料理、はしゃいで走り回る子供達、ゲームあり大笑いあり、真夜中近くまで。家族ぐるみでお会いするのは1年ぶりの方々も。リズミカルな日常の繰り返しに、異空間のスパイス。思い出し笑いしたり、友人達の表情や様々なシーンが蘇ったり、祭の余韻を楽しみつつ。感謝を込めて。

2.これから年末年始に向け行事続き。はっとする大音響に、しっとりと耳を澄ます調べに、旋律の中心で、移り変わる音を楽しんで

3.「ママ、怒らないでよ。実は今日校長室に呼ばれてね・・・」と長男。こちらでは問題の大きさによって、先生からの注意、カウンセラーやプログラムの担当送り、校長室送りと、段階がある。「校長室送り」と言えば、最終的な段階。息を呑む私。
 何でも仲の良い友人二人がバインダーに車輪をくっつけ、スケートボード!と廊下を滑り、ガードマン(こちらの中学校には廊下にセキュリティーガードが何人か立っている)に激突したそう。スケートボードの友人二人は一日停学、横で大笑いした長男ともう一人の友人は校長室に呼ばれたよう。「トラブルに巻き込まれないよう注意しなさい。友達が間違った選択をしている場合は止めなさい」と校長からの話。親に何の連絡もないところ見ると、注意だけですんだよう。「時と場所を考えないとね」としみじみ話しながらも、「でもバインダーに車輪なんてクリエイティブね」とつい笑いもこぼれ。
 停学という処分に驚く。皆小学校からよく知った子達。こちらの公立小中学校の厳しさ。中学生になってすぐの頃の長男、オフィスでコンピュータスクリーンを眺めるセクレタリーに書類を渡そうと近づいたら、今度デスクの内側に足を踏み入れたら停学だと忠告を受けたこともある。その場のルールへの敏感さを養いつつ、限られた範囲内にも工夫して選択肢を見つけ、たくましく中学生活を楽しんでいってほしい、そう願いつつ。

4.算数の飛び級テストに向け、ここ二ヶ月ほどこつこつと勉強を続けてきた長女。毎晩宿題を済ませると算数の勉強に取り掛かり、傍から見ていてもよく頑張ってきたと思う。子供達の通うプログラムでは半数以上の生徒が算数を飛び級している。最近算数が面白くなってきた様子の長女、頑張ってみようかなと挑戦。二ヶ月ほどの間に六年生で習う範囲をカバーして。
 今週初めに二日がかりで受けたテスト、合格点には足りず。基礎的な概念を学んだものの、まだまだひねった問題に応用する力はついていなかったよう。手ごたえを感じていただけに、悔しさもひとしおの長女。
これだけ頑張ったことは絶対にこれからの力になっているから。今すぐどうこうといった結果はね、それほど大切じゃないのよ
「Life goes on(人生は続く)だね」
「まだまだこれから。こつこつと歩き続けていこうね」
結んだ口を緩め、笑顔を見せた長女が、何だか一回り大きく見えた。

5.聖書の「創世記」にレアとレイチェル姉妹の話がある。妹のレイチェルは美しく魅力的でカリスマがあり、出会う人々皆がため息をついて見上げる存在。一方姉のレアは疲れた様子で弱弱しい眼差し、周りの人々が特に目を留めるということもない存在。ヘブライ語でレイチェルは「and there was light(そして光があった)」、レアは「 one who is weary(疲れた人)」と同意義とされ、レイチェルは「完全」を、レアは「努力」を象徴しているとされる。そしてレイチェルとレアの両者とも、一人一人の内にいると
 「創世記」の中で、レアはレイチェルに先立ちジェイコブの先妻となり 十二部族の元となる六人を産み、死後ジェイコブの墓の隣に埋められ、レイチェルより恵まれることになる。思い通りにならない人生に何度も泣き、祈り、真摯に「神」に向き合い、誠実に努力し続けたレア。「神」の目には、出来上がった結果よりも、過程での努力こそが貴い、創世記二十九章には、そんな教えが込められている。

6.こうしたらうまくいった、ああしたらうまくいかなかった、そんな体験を集め、人々がアクセスできるようにしていけたら、そんな話を友人達と。多様なデータが集まれば、画一的な方法ではしっくりこない人々でも、これだと思う方法が見つかるかもしれない。もっと多種多様な方法があっていい。
 そしてこの目の前の葛藤も、どう越えたかの一つのフォーマットを作る機会と考える。他者が参考に出来るかもしれないデータを提供できるかもしれない機会ととらえる。すると瞬間瞬間の出来事を、また違った角度から眺められる。一つのデータ提供のためのそれぞれの人生、そんな話を。

 
7.朝ごはんの時間になってもダイニングに来ない長女と次女。部屋をのぞくと、まだパジャマのまま、今日何を着ていこうかと相談中。
「あなたたち何時だと思ってるの! さっさと着替えて朝ごはんの準備手伝いなさい!」
 そう声を上げそうになるところ、深呼吸。
「今何時?」
「あっ、八時十分前! 急がないと」
慌てて着替え始め、顔を洗いに。台所に戻り弁当を詰めていると、食卓に慌しくつく長女と次女。目玉焼きとトーストをほおばり、フルーツをよそい。そこへ長女が勢いよくついだミルクがグラスからこぼれ、次女の服がびっしょり。
「せっかく今日着ていこうと思った服!」
泣きながら走って部屋へ着替えに行く次女。出かける時間! 食べかけのトーストを車で食べられるよう容器に入れ、皆で玄関へ。三女に、起きたばかりでぼおっとしている次男にスノーパンツをはかせるよう伝え、ジャケットを持って玄関に戻ると、長女が帽子が見つからないと探し回っている。ようやく皆でガレージの車に乗り込むと、次女が「弁当箱忘れた!」

その日、皆が帰宅した後、おやつを食べながら話し合い。
「今日の朝、どう思う?」
「むちゃくちゃだった」
顔を合わせ噴出す子供達。
「どうしたらもっと落ち着いて朝過ごせると思う?」
「朝もう少し早く起きる」「着ていく服を前日の夜に決めておく」「朝ごはんを食べ始める時間を早くする」「帽子と手袋とジャケットと、夜玄関において置く」「小さい子の準備は少し早くから始める」口々にアイデアを出し合い。
「じゃあ朝早く起きるにはどうしたらいい?」
「夜早く寝る」
「夜早く寝るには何時までに宿題や次の日の準備を終わらせておくといい?」
「八時頃かな」
「ほんとね、八時頃までに終わらせるといいね。じゃあもう少しゆったりと朝ごはんを食べるために、朝早く起きる以外にできることある?」
「早く台所に下りてきて準備を手伝う」「夜テーブルをセットアップしておく」
「そうしてくれるとママも助かるわ。ママもね、弁当五人分に、朝ごはん作りに片付け、自分の準備もしないといけないし目が回るような忙しさだからね。あなたたちができることを手伝ってくれると、本当に助かるのよ。自分が出発する準備ができたら、他に何か手伝えることある?」
「○○(弟)にスノーパンツやジャケット着せること」
「そうしてくれると、皆随分と余裕を持って出かけられるわね」

 子供は、自分の頭で考え自分の言葉で表したことを、主体的に実行しようとする。子供が自分のすることを整理できるような質問をしていきたい

8.完全と不完全、共に抱いて


マイナス15度近くな日々。雪の結晶、氷の輝き、今日は生姜たっぷり七面鳥スープで温まります! アンカレッジより。

Have a wonderful week!

感謝祭!

2012-11-25 02:18:02 | 出来事や雑感や (行事)
かんぱ~い!


七面鳥をえいやーと切っていただき。


いっただっきま~す!

持ち寄られた料理の数々。

デザートも。

パイ各種に、柿羊羹。

食べては、


遊び、


遊んでは、


食べ。


大人も本気で椅子取りゲーム。


ピアノあり歌あり。


真夜中近くまでノンストップに、楽しかったです。
感謝を込めて。

感謝祭準備

2012-11-24 23:59:31 | 出来事や雑感や (行事)
学校での感謝祭宴のため、長女と次女チョコイチゴ作り。

チョコを溶かして、いちごに絡めて。

甘い!


七面鳥は塩とハーブを入れた水につけブライン。


冷蔵庫で一晩。

ブラインすると肉がぱさぱさしない。

翌朝、皮の内側にもバターを塗りこんで、


オーブンへ。


途中、あふれ出た脂を何度かかける。


四時間もして出来上がり!


クランベリーは煮詰めてソースに。七面鳥につけていただきます。





整理、子供のメガネを借りて

2012-11-18 00:14:09 | 今週の整理
1.近所の湖が凍る。三ヶ月前にはちょっとカヤックへ、だったのが、今はちょっとスケートへに。風を切って滑る。ゆっくりの三女と私を、上三人がびゅんびゅんと抜かしていく。今年初めてスケートの三歳次男、犬を連れた夫の隣ではしゃいで何度も転び。ピンクの朝やけに、青い空に、オレンジの夕焼けに、ちらちらとまたたく星明りに、子供達の笑い声が響く。身体を動かし、凛と澄み切った空気に触れ、リフレッシュ。

2.「張り過ぎず緩み過ぎずと瞬間瞬間整えて。難しい状況に張り、嬉しい出来事に緩み、日々揺れながらも、「過ぎず」に。子供達の状態も見守りつつ。「not too tight, not too loose」、毎日テストやプロジェクトや競技会やと続く長男に、時折かける言葉の一つ。
 「張り過ぎず緩み過ぎず」というと、私の中では、剣を腰に挿した隙の無い侍の姿と、ユダヤの結婚式のピークに婿が右足でグラスを割る姿と、足を組んで座る釈迦の姿と、祭事をする神社の神官の姿と、ゴールを決めるスポーツ選手の姿などが、コラージュになって浮かぶ。

3.毎日子供達と一緒に勉強中。小中学時代に習ったことを、英語で復習。といって、長男の勉強内容ぐらいになると、かなり専門的な英単語も多く、「復習」というよりは「新しく学ぶ」感覚のものも多い。次女の小数点計算や音節、三女のトポロジーや図形移動、先週カエルの解剖をした長男の生物の身体構造機能や中米の地理歴史や英単語クイズ(vociferous, virulent, synopsis, iota, innocuous, hedonism, harbinger, extol, equanimity, anomaly, arcane, chagrin, catharsis boon, cajole, debutante, laconic, rife)など。単語も毎週覚え。普段使わない脳の部分がちょっと活性化されるようで、これがなかなか楽しい。

4.今の教育制度も学校という場も確かに不完全で、それでも学ぶ」ということ自体の楽しさをしっかりと抱きしめて。今まで知らなかったことに出会い、新しい発見に視界が広がり、昨日までとは違った風景を見出す瞬間。この楽しさを子供達が繰り返し体験していけたら。

5.汚濁の中にも必ず光の粒がある。教育制度がだめだと学問を捨て、宗教がだめだと全ての教えを捨て、中へ入らず傍から見て通り過ぎてしまうことは、揺り籠ごと赤子を捨ててしまうようなもの。
 どんな出来事にも、どんな人にも、必ず光の粒、真実の瞬間がある。批判することは簡単、まだまだこの世にあるもの全ては、あまりにも不完全なのだから。濁って見える中に、光の粒を見出し掬い取る、そんな姿勢が日々の生活を豊かにし、次へと進む道を築く。真実の瞬間は、どんなものにも埋め込まれている。

6.人の言うことは、大体八くらい聞いて、二くらい空けておく。二は自分自身の感覚で探索し、切り開いていくスペース。

7.週に一度の「ビジョン・ミーティング」、食、健康(今週はもっぱら股関節を柔らかくについて友人が熱く語る)、スピリット、掃除、子育て、仕事、様々なトピック、ブレインストーミング。NPO作りの話も。これからの土台作りのイメージで

8.スワイショウと腕ふり運動どちらがいいか試し中。スワイショウにはねじれが入るけれど、腕ふりはまっすぐ。実父がヨガと太極拳を毎朝欠かさずしてきた人で、父のスワイショウをする姿は私の中に原風景としてある。七十近く、今でも仕事で何度か海外に出かけ、医者びっくりの健康体。

9.頭ごなしに「あれしなさいこれしなさい」というよりも、子供本人が何をしたらいいのか整理でき、自分の足で歩いていけるような「質問」を心がける。「明日までに何する必要がある?」「何時に始める?」「何時に寝る?」「前回何ができなかった?」「どうしたらできるようになると思う?」

10.まずはその子の気持ちに寄り添うことで、子供はどうしたらいいかを自分自身で考えるようになる。昨日学校へ迎えに行くと、三年生の次女が泣きべそをかきながら車の助手席に乗る。
「どうしたの?」
「てぶくろが片方見つからないの」
「先月買ったばっかりじゃない!」と叫びそうなるのを呑み込み、「とっても気に入ってたのにね」と背中をなでてやる。しくしくと泣き出す三女。しばらくなでていると、次第に落ち着く。
「最後に身につけたのはいつどこでだった?」
「う~ん、放課に校庭で遊んだときだったと思う」
「そう」
「・・・。てことは、学校のどこかにあるはずなんだよね」
「ホントね」
「・・・。あっ、○○ちゃん全く同じ手袋持ってるから、間違って持ってちゃったんじゃないかな。明日聞いてみる。あと先生にも教室に落ちてなかったかどうか」
「見つかるといいね」
「・・・。もし校庭に落ちてたなら、学校の落し物入れに届いてるはずだから、明日調べてみようかな」
肩をぽんと叩く私。頷きながら、泣きべそ顔から笑顔に。

11.分かってくれた! そう子供が感じるとき、子供の心は開く。扉が閉じたところに何度こちらが伝えたいことを繰り返そうと、子供の心には届かない。その子を理解しようとし、まずは嬉しかったね、悲しかったねと共感し寄り添うことで、その子は自分で主体的に考え動くようになる。

12.メガネ  

大人のメガネ
壁のいっぱいある迷路を 
こっちに曲がって
あっちに曲がって 
ああ まっすぐいったらぶつかる!

大人のメガネを 
子供にかけさせてばかりでなく
ときには 
子供のメガネを借りてみる

目の前に壁はなく
思いっきり
飛んだり
跳ねたり
走り回れるスペース

遠い昔に見た
あの鮮やかな色彩が
まぶしく輝いているかもしれない


今日は早朝から長男長女水泳競技会に、その後長男の航空関係の集まり。競技会中にちょっと書けるかな。来週は感謝祭、木曜日から四連休。七面鳥を仕込もう!

Have a wonderful week!

湖スケート!

2012-11-18 00:12:30 | 風景・散歩・旅
ちょっとスケートへの日々。

靴の刃をカバーし、歩いて湖へ。


夏カヤックを運んだ湖で、

今はスケート!


オールを漕ぎ出した岸。


よし、滑るぞ~。


私と、僕は、転んで歩いて転んで歩いて。


スノーエンジェル~。


それ~、


しゅ~、


ひゃっほ~。


湖に面した家々のマイスケート場が整備されていたり。


アイスフィッシング跡も。


朝日に。

日常の風景、模型飛行機・パン作り

2012-11-17 23:59:46 | 風景・散歩・旅
長女のリモートコントロール模型飛行機作り開始。

ガレージに、テーブル設置。


設計図を開いて、


ワックスペーパーで覆い。

楽しみ!

プレスクールの粉ひき機。麦から小麦粉。パン作りに。

先生がごりごり回すのを見ながら、こくんこくんと眠ってしまった次男。そのまま一時間ほど寝ていたそうで・・・。(笑)

週に一度のプレイデイもパン作り!

ホワイトチョコに、クランベリーに、コーン。全部テーブルに並べておいたら、やはり皆一つのパンに全種類ずつ入れていた・・・。

こんがり!

なかなかユニークなお味です。

整理、一歩の積み重ねが違いをもたらす

2012-11-11 00:57:36 | 今週の整理
1.一面真っ白に。白い息を吐きながら、毎日元気に走り回っています。早朝書き、朝昼晩と動き回り、くったくたになりながらも星を眺め温かい毛布に包まって、皆でその日あったことを振り返り感謝の言葉を言い合い、眠りに落ちる。有難い毎日です。
 家族揃っての就寝前の感謝・祈りは数年続けているのだけれど、三女と次男が初めて参加したときのことを思い出す。二歳頃のこと。自分の名前と家族の名前を順番に言い、最後に「ありがとう」、まずは二人ともそう始まった。そこに徐々に楽しかったことを付け加えるようになり、今ではその日出会った周りの人々や出来事を思う言葉も出るように。この眠る前の習慣、どんなに忙しくても、子供の方から「プレイヤーしよう」と声をかけてくる。家族皆にとって、一日を終えるために欠くことのできないリチュアルに。

2。書く方は、何とか最終章の最後の項目に近づきつつ。あと10日程で書き終えたら、初めに戻り編集。がたがたした流れをスムーズに整えて。原稿用紙で300枚近く、皆さんに読んでいただける形にしていきたいです。拙い出来ですが、今の時点での精一杯の形、これからしていきたいことの土台になるのだと思っています。

3.毎日様々なことが起こる。アップもあればダウンもあり。「それた」と思ったのなら、今この瞬間に戻る。子供に「今すぐ良くなるチャンスを与える」のも大切だけれど、自分にもチャンスを与えて

4.ダウンのときには、鉛のように重い足、それでもここで一歩一歩踏み出していくことが、後に大きな力になるのだと思い出して。アップの時は、与えられる全てのことを「give credit to“god” 自分を超えたものへ還す」。

5.中学一年の長男、勉強の仕方を勉強中。昨日の単語テスト、二週間という期間があったにも関わらず、当日朝に必死で覚えていた長男との話し合い。単語や科学用語や地理や、覚える必要のあるものは、毎日ちょっとでも触れる時間を作る。ちょっとちょっとをとにかく継続すること。コピーを持ち歩いて時々見る、毎日朝七時から十分と時間を決めるなどなど。
 英語を母国語としない夫(十八まで英語話せず使えず)と私、長男を見ていると、やはりネイティブ・スピーカーの親の子供に比べ、英単語や文法面が弱い。昨日の単語テストも、私も知らない単語多し。nefarious, hackneyed, burgeon, demure, benign, verdant, vapid, cacophony, tumultuous, stratify, prodigious, onerousなど。「日常から豊富なボキャブラリーや言い回しや正しい文法に囲まれていない分、ディスアドバンテージがあると自覚して、昨日より今日と取り組む時間を増やし整えていこうね」そう肯き合う親子。

6.思っているだけでなく身体を使って動く。変化を生み出すのは実際の行動。「Replace your worry with your work(心配をワークに変えて)」、この言葉は、辛かったり何か心配事や気にかかることがあるときに、いつも役に立つ教え。実際に出来る限りのことをし続けていたら、例えどんな結果になろうと、すっきりと次へ向かっていける。

7.子供を育てていてつくづく思うのは、観念や思いだけでは育たないということ。子供は日々の習慣、実際の身体での体験の繰り返しを通し育っていく。こつこつと実際に努力し動き続けることが大切だと子供達に伝えていきたい。それには結果でなく、努力を褒めること。最善を尽くしている態度を尊重していくこと。人と比べできないからと止まるのではなく、自分のできる限りのペースでとにかく歩き続ること。こつこつと努力し続ける楽しさを、身体にしみこませて。繰り返しのリズムを身体に刻んで。

8.大人が育つのだって7と同じなのかもしれない。棚から牡丹餅を期待し、座り込んで待っていたって筋肉が衰えていくだけ。牡丹餅に拘り立ち止まってしまっては、歩き続けるために必要な足腰も弱くなる。たまたま餅を与えられたとしても、感謝し、自分を超えたものに還しつつ、歩き続ける。そうすれば、実は周りには牡丹餅以上の「奇跡」が溢れているのだと見えてくる。

9.ユダヤの聖典「トラ」に、アブラハムの妻サラについて書かれた箇所がある。タイトルは「サラの人生(life)」。ところが、「人生(life)」といいながら、その箇所にはサラが死んだ後のことばかりが書かれている。ユダヤの賢人たちが、なぜなのかを何千年にもわたって話し合ってきた。その答えが、「サラは死んだわけではなかった」ということ。確かにサラという肉体を持った存在は無くなったのだけれど、サラは今も多くの人々に愛され、語り継がれ、人々の内に生き続けている。127歳で亡くなったとされるサラ、何ら歴史を動かす発見や業績を残したわけでもなく、ただひっそりと周りの人々に親切を尽くし続けた女性。それでも、その「サラの態度の背景には、一時もずれることのない、『神(or人を超えたもの)』との繋がりがあった。だからこそ、今もサラは人々の内に生き続けている。」そう賢人達は言う。瞬間瞬間に繋がっている、その積み重ねは「肉体の死」を超える、「サラの人生」の箇所には、そんな教えが詰まっている

10.他人と比較して歩みを止めない。互いに異なる人々を、一直線上に並べ、こちらが優れている劣っていると比較するのは、赤のチューリップや黄のタンポポや白のデイジーを並べ、こちらの花がより赤いから優れている、こちらの花はより白いから劣っていると順位をつけてしまうようなもの。
 頑張って何かができるようになるというのは、本当に嬉しいもの。他人よりできたできないでなく、その子自身が体験する一つ一つの「できた!」という喜びを大切にする。少し前は飛び越えられなかった小川、一ヶ月前には弾くことのできなかったピアノの曲、去年は乗ることのできなかった補助輪無しの自転車、自分で焼けたクッキー、一ヶ月前にはちんぷんかんぷんだったのに今は暗唱できる掛け算、そんな「できた!」瞬間の子供達の顔は輝いている。
 すんなりうまくできないものでも、途中でやめることなく続けるよう励まし、「できた!」という喜びを何度も体験させる。親は黒子となり、その子を観察しつつ、少しずつハードルを上げていく。自分でできたという喜び。その子の「できた!」という喜びにフォーカスして。
他人と比較し、今取り組んでいることを止めてしまう場合は、モーティベーションから整理。人より秀でたり、人より上に行くことを目的として取り組むのでなく、自身の「できた!」という喜びにフォーカスするよう導く。周りのほとんどができていることであろうと、その子が苦労して成し遂げたことならば、かけがえのない貴い瞬間。「嬉しいね!」と喜びを分かち合って。
  その子の一つ一つの「できた!」を大切にしていくことで、その子はその子自身のペースで歩き続けるようになる。例え遅い歩みに見えたとしても、続けていくことで、その子自身の花を咲かす。ひょっとして誰も予想もしなかった色や形をした花を咲かせることになるかもしれない。二つの芽が地面から顔を出し、片方がもう片方の葉より小さいからと伸びることを止めてしまっては、周りとは違った色や形の花を咲せることはできない。 
  子供達は小さな頃から様々な比較に会う。テストの点数や偏差値や、他の子供達と一直線に並べられ、あなたは何番だこれほどのものだ、と示される。それでも、それらの比較は、自分を伸ばすための、昨日の自分との比較に用いて。前回より前へ進んでいるのか、前回よりできるようになったか、どうしたらもっと良くなれるか、考え試し模索するための参考資料に。周りと比較し自分はだめだと歩くのをやめてしまうのではなく、その子がその子自身の道を歩き続けていくための糧に。
  周りの大人は、「~ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないのかしら」「~君があそこまでできるのだから、あなただって」というような周りの子供と比べる言葉は口にしない。その子がかつてできるようになった様々な体験を思い出させつつ、「あの時は嬉しかったね、今度も頑張ればきっとできるよ」、「できたら本当に嬉しいだろうね」と励ましていく。褒めるときも「~ちゃんよりできたなんてすごい!」ではなく、「一週間前あんなに苦労してできなかったことが、今はこんなにできるようになってすごい!」と褒める。
  過去の自分と比較しつつ、こつこつと続けていくこと。歩き始めた頃には、思いもよらなかったはるか遠くにたどりついた自分に、いつかきっと気がつくときがくる 
   
11.「Small steps make a big difference. (小さな一歩の積み重ねが、大きな違いをもたらす。」


雪の結晶、六つの花輝くアンカレッジより。

Have a wonderful week!

最近のものづくり&日常

2012-11-10 23:59:39 | 出来事や雑感や (子育て)
長女の裁縫クラブ、


次女も加わる。


この日はプレースマット作り。

二人それぞれ。

ザクロがあればハッピーな子供達。


粒をほぐし集めて、スプーンですくって食べたりも。

お楽しみを後でまとめて方式。

次女バナナブレッド作り。


なかなかいける。


週に一度のプレイデイトには、クッキー作り。


スーパーマンもはしゃぐ。


ムースも時々訪ねてくれる。


夕陽を浴びて。

積雪前。今は真っ白です!

整理、子供も大人も変わっていける

2012-11-04 01:59:03 | 今週の整理
1.今週はプレスクールのアシスタントの方々が休み(バケーションや突然の風邪や)。月曜はハロゥインパーティーの手伝いに入ることになっていたけれど、火曜水曜は成り行きで急遽終日手伝い。突然全粒粉の袋を渡され、目分量でパン作ったりと、なかなかスリリングでもあった。
 これほどみっちり三日間続けて教室に関わったのは初めてのこと。小さな子供達を預かる仕事の大変さとやりがいと。チャレンジングな子も手のかからない子も、子供達一人一人に向ける先生の温かい眼差し。ついついジャッジメンタルに眺める自分に気づきはっとする。この子はこういう子だという枠に子供をがんじがらめにしない、ダイナミックな流れの中で子供はもちろん大人も変わっていける。「ジャッジをはずす必要があるのよ」、どうしたら健やかに育つか、親と共に真摯に模索する先生の言葉。そんな先生の傍にいられる子供達は幸せ。十数人の子供達と歌って遊んだ三日間、新鮮で楽しかった。

2.木曜日は朝から友人達と「ビジョン・ミーティング」なるものを始める。それぞれが分かち合うビジョンの交錯する瞬間。行動に移し、形を起こす。現実的に動き始めている感。自分がしているわけではない、自分が使われる、そんな感覚を行き渡らせていくのが鍵なのかな、そんな話も。あれやこれやとアイデア出し合い、ブレインストーミングできる友人達が有難い。昼からはプレイデイト。大人十人近く子供赤ちゃん十数人と賑やかに。家事育児以外のフルタイムの仕事を持つ友人も専業主婦の友人も、皆忙しく駆け回る中時間を搾り出して。

3.完璧な人なんていやしない。誰にだって得意不得意分野がある。あの人のあそこが足りないあそこが未熟だと批判し合うよりも、補え合えばいい。でこぼこな人々が集まるからこそ、面白い形が生まれる。ごつごつと当たりあう違和感を、創造の糧に。

4.もらうより、差し出すにフォーカス。いただくものには当たり前と胡坐をかくことなく、有難さを胸に感謝を表しつつ。周りの友人達の眩しい姿勢に、学ばせていただいている。循環させて

5.ヴィジョンを描きつつ、今ここに最善である

6これほど長い間をかけ世界中に行き渡った物語、聖書。人々の奥底に根付く物語、様々ある解釈から選んで。
 .(創世記21)アブラハムとサラの間にアイザックが生まれる。アブラハム100歳サラ90歳、何十年も結婚生活を送り、ようやく授かった子供。子供ができなかったサラがメイドのハガルとの間に子供を作るようアブラハムに頼み、生まれたイシュマエル。アイザックを殺そうとするハガルとイシュマエルは砂漠へ追放される。息子が死んでいくのを見るのが耐えられないと、息子から離れ泣くハガル。そこへ少年の祈りが届いたと「神」が現れ、泉が目の前に。二人は救われる。
 アイザックがユダヤ・キリストの祖先、イシュマエルがアラブの祖先と言われ、解釈も錯綜するのだけれど、ここでは歴史的に様々な名解釈を残したユダヤのラビ、ラシ氏の解釈。
天使が神に、イシュマエルを生かすことは、ユダヤを弾圧し対立する子孫を生み出すことを意味すると抗議したにも関わらず、神はイシュマエルを救う。 
 ラシ氏は、「神」は過去未来のイシュマエルでなく、砂漠で泣くイシュマエルの誠実さ純粋さを見たのだと言う。「神」が見ているのは、常に今ここでのその人なのだと。過去の過ちや業績や、未来の計画や予定ではなく、今どうなのかが大切なのだと

7.一人一人の内に、その人専用のその人を超えたものと繋がる回路がある。その回路を通じて意識的にせよ無意識的にせよ受け取るものにより、今のその人がある。他者をリスペクトするとは、他者の能力や功績によるのではなく、他者の内での他者と他者を超えたものとの営みをリスペクトするということ。人の価値をジャッジするのは人の仕事じゃない。

8.腹筋に腕立て伏せに、細々ながら続けている。身体の筋力トレーニングと共に、脳のストレッチ。遊び感覚で「lumosity」(試していないけれど他にも似たようなものいくつかneuro-nation.comやfitbrains.com)なども。子供の食いつきに驚きつつ、やらせ過ぎず気晴らし程度に。他にも自然の中で五感を澄ませてみたり。トレーニングで鍛えていけるものは日々少しずつ。

9.一つの絵でありながら、老婆に見えたり若い娘に見えたり、あひるやうさぎに見えたりする絵がある。オプティカルイリュージョンなどの本に載っているこれらの絵、子供達との間で「ほら、あの絵」というのが、相手の状況や相手の気持ちを、相手の視線から理解してみよう、そんなことを思い出すためのキーワードになっている。自分と相手は同じものを見ているのではないかもしれない、まずはその前提に立つことが、相手を本当に理解しようとする姿勢を生み出す
 学生時代専攻した文化人類学の要は、「フィールドワーク」。本に顔をうずめ過ごす研究室の外に出、研究対象とする人々の中に入っていき、ひたすら彼らのことを理解しようとする作業を、「フィールドワーク」と言う。そこに暮らす人々と同じものを食べ、同じ家屋に寝起きし、同じリズムで生活することで、彼らが何を大切に思い、何をタブーとするのか、どのような「意味の網の目」の中に暮らしているのかを理解しようとする。
「フィールドワーク」を試みたことがある。アラスカ南西部の村で、ネイティブ・アラスカンの家庭にお世話になった。ツンドラを歩き植物採取、川にボートを漕ぎ出し漁、周辺の村へ葬式や結婚式にと毎日彼らと行動を共にした。あざらしの油につけた鯨の脂肪、ツンドラでとれた粘り気のある植物の茎、川で網を握り獲った銀鮭、冷蔵庫に詰められた羽根つきの鴨、家々で出される食事は何でもありがたくいただき、木造の家屋に共に寝起きすることで、いつしか彼らの一人となった自分がいた。やがてネイティブの名前をいただき、家族の一人として受け入れられたのだった。
 この時の体験は、その後も人と交わる上で大きな助けとなっている。「相手を理解しようとする」ということは、できるだけ相手と同じリズムに自分を置き、相手の側から周りを見ようとすること。相手の側に立ってみる、そこから今まで自分が見ていたのとは全く違う景色が広がり始める
 それでも「相手を理解する」というのは、終わりがあるものではない。程度の差はあれ必ず自分のフレームや視点が入り込み、また自分も相手も、「固定された静物」ではなく「変わり続ける生物」。相手の全てを理解するということは不可能。相手を理解し尽くしているわけではない、そんな謙虚さをもちつつ、誠実に理解しようとし続ける、人と交わる上で、心に留めておきたいこと

10.開く


あたり一面真っ白! アンカレッジより。

Have a wonderful week!

「手作り模型飛行機を飛ばそう会」

2012-11-04 01:58:22 | 出来事や雑感や (子育て)
六年生プロジェクト、これから四月まで取り組むテーマを決める。小説を書く、フェンシングの上達、美味しいピザを作れるようにする、日本語を話せるようにする、様々なテーマを子供達が自分で見つける。

長女、リモートコントロール飛行機を作りたいと。キルト作りとの間で迷った末。

早速「手作り模型飛行機を飛ばそう会」に出かけてみる。

リタイヤしたおじさまたちがほとんど、の集まりに混ざる長女。

親切に嬉しそうに飛行機の説明をしてくれる皆様。


座席にスヌーピー。

離陸するときと着地した後では顔の向きが違ってたりしてね、はっはっはっ。会リーダーの陽気な笑い声が山に響く。

修理中飛行機。


真剣に飛ばす、のを見守る。


空を見上げて。

上方の黒い点。

あ、あそこにも!

右中上の黒い点。

人里離れた山の中、こんな世界があるのだなあと感慨深かった週末。