靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

近況整理、その子によっては十代終わりの場合もあるんだよ

2014-03-30 08:08:04 | 子育てノート
1.ジャケット着て、マフラー巻いて、といつものような出で立ちで買い物に出かけると、ジャケット無し、しかも半そでで駐車場を歩いている人々! 確かにここ毎日眩しい日差しで、もうすっかり春気分だけれど、といって外は日中三度ほどのひんやり空気。さすがアラスカン



2.友人宅で子供達を遊ばせながら、子育てについてあれやこれや皆悩みは尽きず。それでも、窓から差し込むぽかぽか陽気に、皆ゆるゆるほんわり。まあ、何とかなるかな、まあ、大丈夫よね、そんな締めくくり続出。暗くて長い冬の後の、この太陽の力ってすごい!と顔見合わせ笑った午後。



3.慎重派の友人息子君とそりへ。滑りたいけど恐くて滑りたいけど恐くてと何度も何度も坂の上で繰り返し。すると反対側によりなだらかな斜面を発見。僕ここならできるかな、目つぶって、思い切って、それ~! 坂の下で、まんまる目に大興奮。できたできたできたあ~! 坂を上って滑って上って滑って何度も何度も。帰る時間になると、もっとしたいなあ、今度はいつ来る? 明日? 子供達の「できた!」というきらきら笑顔、いつ何度見ても嬉しくなりますね。



4.週に一度のピアノレッスン。毎日の練習に以前より力を入れ始めて以来、レッスンの一回一回への思い入れも変わった長女。先週は、あそこ間違えるだろうなあ、ここがまだうまく弾けないことがあるしなあとため息つきながら。今週も、そうつぶやいていたところ、「もうね、どか~んと弾いておいで。今までしてきたことを思いっきり爆発させるような気持ちでね。こう、内側から解き放つようにね、フリーユアセルフ!」と身振り手振りで叫んで送り出したところ(「ママ落ち着いて・・・」と冷静な長女、笑)、音が全然変わる。めったに褒めない先生から褒め言葉もいただき、何曲かぽんぽんとパスし。「ラッキーだったわ。練習ではあんなに上手く弾けたことなかったもの」と笑顔な長女。

 昨夜も練習中喧嘩になり(互いに疲れていて互いに切れ)、山あり谷ありですが、親子共々、様々な気づきを与えられるこのピアノというものに、感謝です。



5.五月にトライアスロンに一緒に参加する長女のお友達、来週行われるハワイでのトライアスロンに家族で参加するため昨日旅立ち。メールで送られてきた夕焼けに包まれ椰子の木の下でのお友達の写真に、うっとり長女。それでもふと我に返り、何の準備もしていない自分、うっとりしている場合じゃないわと、今日はプールで泳いでくるそうです。(笑)



6.長男のある教科の先生からメール。長男を含む六人のグループが、注意したにも関わらず、わざと間違った解答を言い続けるなど無礼な態度を改めず、廊下で話し合いをしたとのこと。見習いの先生も見学に来ている期間で、このプログラムでこんなことが起こるなんて、これほどの屈辱はありません、家で話し合ってくださいと。

 何てことを!と夫と顔を見合わせ。他の子達の注目を集めるために面白がってしたのだろうか、ティーンのくだらない悪ふざけを場所もわきまえず、けしからん!心底分かるまで、お友達と遊ぶのもしばらく禁止するかなど言い合いつつ。

 帰宅した長男と話し合い。まず、グループのメンバーを聞いて驚く。悪友の名前が挙がるかと思えば、オールAの集いなどに常連のいわゆる優等生な女の子達。以前、この中の女の子がこの先生に対して「それは授業内容と何の関係もない意味のない話です」など手を挙げて言い、廊下に出されたとは聞いていた。今回は、先生が答えを誤り、グループの女の子がそれを指摘したところ、あやふやにして訂正し無かったため、周りの子達皆で「憲法を作ったのは誰?」に「オバマ大統領」と答えるなど、むちゃくちゃな答えをし続けたのだそう。

 長男ともう一人の男の子は、一言も言わず、傍観していたとのこと。他の親御さんと話してもどうもそのようで。同じグループということで一緒に外に出されたわけですが、女の子パワーにたじたじだった、といったところでしょうか。「○○(もう一人の男の子)なんて、その後部活で足捻挫したりして、ちょっと可哀想な日だったよ」と。

 先生も大変だし、そういう時は女の子達なだめてやって、次へ行こうと声をかけてやりなさいよ、などと伝え。女の子達の方が何枚も上手そうですから、まあ聞いてはくれないでしょうが。(笑)

 勝気な女の子達、頼もしくもありますが、こうした出来事を通して、少しずつ何にどうエネルギーをかけていくといいのか、学んでいくのかもしれないなと思ったり。先生にお詫びのメールを出しつつ。



7.夫の異父弟の就職が決まったと一昨日メール。博士課程を修了し、スタンフォードやコロンビアやシカゴやら、名だたる大学からのオファーの末、自ら卒業したのとはまた別のアイビー・リーグの大学で教えることに。これまでの博士課程も、アイビーリーグで学ぶほどの資産など家族にはなく、生活費から全て奨学金で。

 子供時代から、決して成績が良いということでもなく、問題行動も多く、学校側からADHDの検査をするようにと勧められ、「ボーダー」という診断を受けたこともある彼。思春期には「とにかく女の子の注意を惹くことに全力を注ぐようになって勉強どころじゃなかったわ」とお姑さん。勉強というよりスポーツばかりしていた子供青年時代。十代の終わりから勉強に力を入れ始め、めきめきと伸びていったよう。

 本人そして周り曰く、長年スポーツで培ったチームワーク、コミュニケーション力、負けても負けても立ち上がるガッツやタフさ、それが大きかったと。勉強は、ある程度基礎をつけておけば、本人がやるぞ!とパッションを持って全力を注ぎ込める時に伸びてくる。そしてそう落ち着いて注ぎ込める時というのは、その子によっては十代後半という場合もあるんだよと。彼の歩みを見ていると、とても納得できる言葉。人生の門出、おめでとう!


今日は長男長女NPO休み。朝からジムへ。三女をクラスメートの誕生日会に降ろし、次女と出来上がった眼鏡を取りに。夕方から三女の誕生日プレゼントを四人一緒に。誕生日の明日はハイキングへ!

皆様の春の一週間が素晴らしいものでありますように!

Have a wonderful week!


日常風景:

うわあ~、


これ見て~!と、次女十歳撮影。

こんな風に雪がぶら下がるの、初めて見ました。

近所の木橋渡って。


そり。


よいしょよいしょ。


夫と見守り。


日が沈む。



平日は、友人家族と。


よいしょよいしょ。


いくよ~。


アイスリンクも解け始めて。


まぶしいね。



友人宅での春ランチ!

バジルペストとマスター、ドパンに塗って。

子供達に伝えたい冒険を楽しむ力

2014-03-30 08:07:09 | 子育てノート
不安感と長い間付き合ってきて

今でも包まれることがあるけれど

以前のように 呑まれてしまうことはなくなった




不安感とは 「分からなさ」を感じているということ

かつて確信していた秩序構造に 「カオス」が入り込んでくる状態




それでもその「カオス」こそが 「創造」への扉でもある 

不安感 

それはイコール 

新しい地へとたどり着く機会を与えられているということ




不安を感じたら 

しめた 

私は「不確定さ」へ足を踏み出している そう思ってみる

慣れ親しんだ港から 大海へと漕ぎ出し 

ああ また冒険が始まった!と 



冒険を楽しむために役に立つものリスト:

・ビジョン   真っ白なキャンパスに描く
        
・タフさ    何度転ぼうが立ち上がる

・根拠のない自信  周りから根拠なく見えようが湧き上がる自信

・努力を努力と感じない努力 パッションに突き動かされ

・遊び心 カオスのリズムと戯れ踊り
      

これらは

大海に溺れながらも岸へと這い上がり

頂から転げ落ちても再び登り

そんな幾たびもの失敗から 何度何度も立ち上がった体験によって培われる



子供達に伝えたいのは これら冒険を楽しむための力

人生という冒険へ 足を踏み出し続けるために!

夜の不安感や悪夢にどう対処したらいい?

2014-03-30 08:06:01 | 子育てノート
夜電気を消すと、不安になり「恐い」とつぶやく。どこかで見た恐ろしいイメージや悪夢が蘇り、一緒に手を繋いで眠って欲しいと言う。

夜不安感に包まれる、それは子供にとって、それほど珍しいことではないようです。オランダの研究では73%の4-12歳までの子供達が夜不安感を経験し、オーストラリアでの調査では8-16歳の64%が、夜心配感や不安感が押し寄せることがあると報告されています。

人類の歴史を遡ると、その99%が狩猟採集時代。暗くなると無防備な子供が一人にされることはあり得えず、親は外的から守るため、必ず子供と一緒に寝ていたといいます。子供達が夜抱く不安感とは、長い間培われたそんな人類の性質の表れなのではないか、そんな説もあります。



夜一人で眠る。こちら米国では、生後六ヶ月頃から、「そろそろ一人で寝る訓練をさせてもいい頃ですよ」と小児科でも指導されます。三歳になる頃には、一緒に寝ていると言うと、はっきりと「別々に寝た方がお互いよく眠られますよ」と勧められます。

長女も二年生の時、教室で「お母さんと寝てます」と言ったところ、「それはよくないですね。もう一人で寝る年ですよ」と皆の前で先生に言われ、ショックを受けたことがあります。

住宅事情もありますが、親と一緒の寝室で眠るということは、こちらではとても珍しいこと。周りを見ていても、就寝時間になると、お休みなさいとハグを交わし、一人部屋へ行き電気を消しベッドに入りすやすやと眠る、よちよち歩きの頃から、そうできる子も多くいます。


早い内から慣れさせないから、一人で安心して眠ることがより難しくなるとも言われますが、そうとも一概には言えないと、早い内からトレーニングを受けただろう上のオランダやオーストラリアの子の調査結果を見ても思います。そしてまた私自身の体験を振り返っても、そう思うのです。

私自身、物心ついた時には、両親と離れ、兄と二段ベッドで眠るよう「訓練」されていました。ところが日中は普通の快活で元気な子だったのですが、夜になると毎晩のように押し寄せる不安感を感じていました。地震が起きるんじゃないか、兄の眠っている二段ベッドの底が抜け潰されるんじゃないか、夜中泥棒が入ってくるんじゃないか、押入れに誰か潜んでいるんじゃないか、お化けにどこか連れて行かれてしまったらどうしよう、私は多分尋常でない病気にかかっていて明日にはもう生きていないだろう。

今思うと、まあよくこれほどネガティブなアイデアが出るものだと感心してしまうくらい。そして毎晩必ず真夜中ばちりと目を覚まし、暗い廊下を母親の寝室目指して行くのです。あの母親の布団の中に潜り込んだ瞬間を、今も覚えています。温もりに、心の底から安心してすやすやと眠りに落ち。

こんな私自身の体験からも、夜一人で安心して眠られるかどうかは、「訓練や慣れ」というより、子供の性質のようなものが大きく関わっているように思います。

世界中の多くの国々では、今でも親子隣り合わせに眠るのが普通です。西洋の限られた国々でのみ(特にアングロサクソン系)、一人で眠るよう赤ちゃん時代から訓練されます。

そして親が一緒に寝ることをサポートする説もあります。共に眠ることは、親子間のアタッチメントを築くための「柱の一つ」であるというのです。一緒に寝ることは自立心を損なうという見方もあれば、いやしっかりとした安心感が育ち、自立心をより育てることになるという見方もあります。九百人のケベックの二歳以上の幼児を調査したところ、母親のベッドで眠った子供の方が、後に悪夢に悩まされることが少なかったという結果もあります。 



こうした研究、そして自身の体験からも、一人で安心して眠られるようならば一人で寝かせ、もし不安感を抱えるようならば、一緒に寝てやるのが一番、そう思います。家でも、夜不安になりがちだった五人の子供達、赤ちゃん時代から隣で寝ています。それでも小学校も中学年以上になると、自然と一人で眠られるようになるもの。

以下は、夜不安感を抱えてしまう場合、「一緒に眠る」以外の対処方法例です:

1.空想と現実の区別について話す。空想と現実が入り交ざってしまう子ほど、想像力豊かでもあると言えますが、悪夢を見やすいという研究もあります。また小さな子ほど境界は曖昧なもの。成長と共に、境界がはっきりとし、恐がることも少なくなりますが、「このモンスターは物語だけに出てくるのよ」「この映画は俳優の人達が演じていてね」など、空想と現実の区別について話すのもいいです。


2.眠くなる時間に床につく。眠くない状態で横にならせると、空想妄想が頭を駆け巡ってしまうもの。その子に必要な睡眠時間を見直してみます。


3.特に寝る前に恐いテレビの映像や話を聞かせない。「このイメージをどうやったら取り除ける?」子供達がそう泣きべそ顔で寝る前に聞いてきたことが今まで何度かあります。私自身、地震の映像を見て、何週間もそのイメージが蘇り恐くて寝られなかった思い出も。今でも私自身はホラー映画など苦手ですが、敏感な子には、特に小さな頃は、あまり強烈な映像を見せないようにします。


4.スキンシップ。寝る前に抱きしめたり、普段から温もりにしっかり包んでやると夜も安心します。


5.日中のストレスの緩和。日中何か心配事を抱えていると夜不安感を持ち易いもの。ゆったり過ごせるよう心がけます。


6.柔らかい縫いぐるみを抱っこして。お気に入りの縫いぐるみを隣に並べたり、抱きしたり。縫いぐるみなどを与えらた子供達の方が、より不安感や悪夢などの問題を抱えることがなかった、という実験結果もあります。


7.悪夢はすぐに夢だと覚まさせる。悪夢にうなされ起きた場合は、すぐにそれは現実ではない夢だと分からせるようにすると、また落ち着いて眠りに戻れます。


8.少し明かりをつける。私自身子供時代どうしても恐くてしょうがない場合は、懐中電灯をつけ眠ったこともあります。青いライトは、眠くなるのを妨げることもあるため避けるといいようです。


9.落ち着いて対応する。不安で恐くてしょうがない子供に心をかき乱され、ますます不安感を煽らないようにします。子供の前では、穏やかに落ち着いて大丈夫よ、と抱きしめ声をかけつつ、着実に改善に向けできることをしていきます。


10.リラックスさせる。鼻から吸い口から吐き、寝る前にゆったりと呼吸するようにしてみます。不安になっているときなども共に呼吸してみるのもいいです。


11.医師や専門のセラピストに相談する。最近の研究(2014)では、夜こうした問題を持つ子供は、日中も不安感(anxiety)、衝動性(impulsivity)、注意欠如(abnormal attentional control)など様々な問題を抱えることがあるともされています。セラピーの方法も様々あるようです。
 
 私自身振り返り、今の時代ならセラピーを受けていたかもしれないなと思います。確かに心身面で様々な問題を抱えました。私自身のように、愛情をかけてもかけても底なし沼の不安感を持ってしまう子もいるものです。それでも両親の温もりを体験できていたこと、それがそんな底なし沼から這い上がるための、大きな力となっていたと感じます。

今こうして子供達を前に、そんな自身の体験を生かせることもでき、全て良い体験だった、そう思えます。夜不安感を抱えることのあった子供達も、大きくなるにつれ、一人ですやすやと眠りにつくようになっています!



参考資料:

”Nighttime fears in children: A guide for the science-minded” by Gwen Dewar, Ph.D., http://www.parentingscience.com/nighttime-fears.html

”Nightmares and night terrors in children: An evidence-based guide” by
Gwen Dewar, Ph.D., http://www.parentingscience.com/night-terrors-in-children.html

"Assessment of brief interventions for nighttime fears in preschool children."by Kushnir J, Sadeh A. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21594575

"Nighttime fears and fantasy-reality differentiation in preschool children." by Zisenwine, Kaplan M, Kushnir J, Sadeh A. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22760490

"Nighttime fears of preschool children: a potential disposition marker for anxiety?" by Kushnir J1, Gothelf D2, Sadeh A3. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24262125

”Longitudinal study of bad dreams in preschool-aged children: prevalence, demographic correlates, risk and protective factors.” by Simard V1, Nielsen TA, Tremblay RE, Boivin M, Montplaisir JY. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18220079

"The Attachment Parenting Book : A Commonsense Guide to Understanding and Nurturing Your Baby" by William Sears & Martha Sears

子供の成長と「遊び」

2014-03-30 08:05:28 | 子育てノート
「子供は遊びから学ぶ」、子供達の成長を見守る中で、本当にそう思います。


では具体的に、「遊び」とは子供の成長にどんな関わりがあるのでしょう?


・大脳皮質の発達成長を促す。「遊び」の効用は、動物を用いた実験に如実に現れます。たくさんの遊び道具や遊ぶことのできる環境を与えられたネズミは、遊びのない退屈な空間に閉じ込められたネズミよりも、大脳皮質(cerebral cortex)がより発達し、脳の細胞の成長を司るbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)が著しく成長し、難しい迷路を駆け抜けゴールに辿りつくなど、記憶力や問題解決能力が高くなることが分かっています。


・衝動性を抑え自身を律すること(self-control)を身につける。全ての哺乳類は「遊ぶ」ことが分かっています。動物学者によると、子犬や小熊のじゃれ合いなど、動物は「遊び」を通して、「衝動性」を抑えることを学んでいるとされます。これ以上強く噛んだら、相手を傷つけてしまうかもしれないな、そう自らの衝動を制御する感覚を学んでいると。ヒトの子供にとっても、「遊び」は衝動性を抑える効果があるとされます。


・問題に対する多様な解決法を身につける。心理学では、「問題」には、「convergent(収斂的)」と「divergent(散開的)」の二つのタイプがあるとされています。前者は答えが一つであり、後者は答えがいくつもある場合。「遊び」は、後者のような散開的問題を解決する能力を発達させるとされます。



・課題へ取り組む意欲を高める。十分から二十分の、インストラクションのない自由な遊び(放課)をはさんだ方が、生徒の取り組みの質や効率が上がるという実験結果があります。それでも三十分以上になると逆に効果は下がり始めるとも。



・失敗を恐れずのびのびと練習できる。「ごっこ遊び」は、異なる立場の人々になり切ることで、多様な人々を理解する機会となり、人の繋がりの中で生きていくための練習となります。



・論理的思考、言語能力を発達させる。「ごっこ遊び」は、「~だったらどうだろう?」という論理的思考が育ち、また言語能力を発達させるという実験結果もあります。



・人が最大限の力を発揮できる「フロー状態」を身につける。子供達は、遊びを通して自らより深く興味を探索することで、リラックスしつつ集中した「フロー状態」を体験します。遊びは、こうした努力を努力と思わないフロー状態を身につけることを促します。



米国では、世界恐慌時代、戦時中、冷戦中、激動の六十七十年代の子供達よりも、現代の子供達のほうがより不安感や欝を抱えていると言われています。そしてそれは、「遊び」の時間が足りないからではないかと言う説もあります。多くの「先進国」で、自由な遊びがより見られなくなるにつれ、子供達はよりこうした心や行動面の問題を抱えるようになったと言うのです。(by 心理学者Peter Gray)

遊びは、ルール、自律心、決定力、感情の調整、他者との交わりを自ら楽しんで学ぶ最高の方法

九十パーセント近くの子供達が、コンピューターで遊ぶよりも、テレビを見るよりも、外で友達と遊ぶことの方が好きと答えたという調査結果(by IKEA )もあります。


人類学では、「遊び」は、理性が抑制しようとするカオスや無秩序を認め受け入れるため、西洋の科学にとって扱いにくく、否定手的に捉えられることもあるとされます。

それでも、カオスや無秩序を取り込むが故、「遊び」は人間生活のなかでの創造性の源泉でもあるとされていて。


子供が小さければ小さいほど遊び中心に、学習も遊びを通してがいい。

大人も生活に遊び心を取り入れ、時に創造の風に触れ心の調整をしていけたら、そう思っています。


参考資料:

"The cognitive benefits of play: Effects on the learning brain" by Gwen Dewar, Ph.D http://www.parentingscience.com/benefits-of-play.html

"Lack of free play harms kids: The evidence"

by Gwen Dewar, Ph.D. http://blogs.babycenter.com/mom_stories/8-26-2011-lack-of-free-play-is-harming-our-kid/

『文化人類学I』 E.A.シュワルツ・R.H.ラヴェンダ著 古今書院

負けた時の癇癪、潔く負けるために

2014-03-30 08:04:34 | 子育てノート
夫は出張先で、よくいらんものお土産を買ってきます。

今回はこれ:


アジアのある国のモールにて、とてもお値打ちだったそう。

棒に垂直になった人形を回し、ボールを蹴って相手側にゴールすると勝ちというシンプルなゲーム。

髪の色顔形が皆アジア人!と子供達感動。(笑)


長男早速組み立て、それ以来、兄弟姉妹間で日々白熱の戦いが繰り広げられています。

こういったゲーム、カードゲームやボードゲームのように頭のみ使うというより、棒のまわし方や角度や咄嗟の判断や瞬発力や、主に腕や手先を使う「ミニ・スポーツ」ですね。

そのせいか、皆やけにエキサイトして、諍いも勃発。普段かなり負けず嫌いな四歳次男にいたっては、負けると、もうこの世の終わりのように泣いて叫んで。

次男が「負けたあ」と泣き叫ぶ度、「最初に泣かないって約束したでしょ!」と咎める長女と次女。余計火がつき床を転げ回る次男。「今そんなこと言ったってどうしようもないだろ、そういうことは落ち着いてから教えるんだよ」と隣で怒る長男。

次男の悲しむ姿を見たくない長男、必ずわざと負け、すごいなあと次男を褒めるようになり。「それは次男のために良くない」と言う長女とまた喧嘩に。

何だか将来の父親像・母親像が見えなくもないですが。(笑)


それで、「負けた時の癇癪にどう対処したらよいか」について、話し合い整理。


1.気持ちが静まってから話をする。負けたと癇癪起こしている時に、声を荒げて向かっても火に油を注ぐだけ。負けて悲しいね、など気持ちに寄り添い、少し落ち着いてから話をする。


2. 特に五歳くらいまでの幼児には、言葉で説くより、負けた悲しみ悔しさなどの感情に寄り添うことに重点を。


3.勝ちもあれば負けもあるのだというサイクルを体験させる。必ず勝たせるということはしない。


4.勝ち負けよりも、公平さを教える。勝つためにルールを曲げることをさせない。


5.周りがモデルを示す。勝っても自慢して周りを見下すことなく、負けても勝った人を労い潔く次へと進み。小さな子であるほど、周りを真似して大きくなる。


6.勝った時は、喜ぶと同時に、負けた人の気持ちを想像する。自分も負けた時どんなに悔しかったか、気持ちを想像共感してみる。


7.負けた時は、勝った人を褒めるよう励ます


8.ゲームには勝ち負け以外の喜びがあるのだと話す。昨日できなかったことができるようになった、大好きな兄姉と一緒に過ごせるなど。


9.スポーツ観戦など、プロでも失敗して負けることがあるのだと見せる。ボールを落としたり、転んだり、プロでもそんな失敗をするもの。


10.自分や周り身近な人々の体験を話す。失敗したり、負けたり、それでも立ち上がって続けたことなど自身のこれまでの体験を話したり、失敗や困難を乗り越えて頑張っている周り身近な人々に話を聞いてみる。


11.伝記を読む。「偉人」とされる人がいかに負けや失敗や困難を乗り越えてきたかを示す。


12.普段から他人と比較するより、昨日の自分より良くなっているかにフォーカスするよう促す。親も周りと比較するような言動を控える。


13.取り乱さず負けることができた時、勝った相手におめでとうと言えた時、褒める。ついついできないことだけに口を出しがちだけれど、できた時に注目し言葉をかける。


こうした働きかけを続けることで、大きくなるに連れ、徐々に、より潔く負けられるようになるもの。


五人見てきて思うのは、負けず嫌いの子と、勝ち負けにそれほど頓着しない子と、生まれ持った性質というものがあるということ。負けず嫌いな子は、そのガッツを昨日の自分との闘いに、勝ち負けにそれほど頓着しない子は、マイペースにこつこつと興味を掘り下げていくよう、それぞれ異なるその子その子の持ち味を生かしていけたら、そう思ってます。


しばらく、白熱の屋内ミニ・スポーツ戦、続きそうです。(笑)

春の季語に春を楽しみ

2014-03-29 23:59:21 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
週末は、家事の合間に日中ぱらぱらと歳時記をめぐり、俳句をいくつか作って。

改めて、季語っていいですねえ。一言に季節の情景が溢れている。

花冷え、花曇り、春の月、山笑う(確かに芽吹き時の山笑って見える!)、春の闇(春の月のない夜)春の海、春陰、春の光、風光る、雪果つ、春の星、花衣、風船。

ご飯食べながら、家族に季語の素晴らしさを興奮して話し。小学校の授業で英語で作ってくることもある子供達、英語の俳句では音節(syllable)が五・七・五になるよう区切り、「季語」を必ず入れるとは知らないですからね。時々子供達思いついたように、英語で作ってます。


Fast foxes running
Eagles flying high outside
Gator tails swishing
 by 三女六歳


風船と隣り合わせの膨れ顔

春光に鞭打つ手を休め一人

稜線に命の光る風光る

ただ心の声を信じ春の月

虹色の妖精のいる春の午後

もう後ろは振り返らず春の星

水色の鞄を閉じて春一番

目に見えぬ幸せはかり春の海

白とも黒とも決めない春の夜

                  by マチカ


俳句で春満喫、贅沢で最高なひと時でした。

近況整理、あの優しい瞳はますます深く

2014-03-23 08:57:08 | 今週の整理
1.春休み終わり、学校始まる! 今年の冬は暖かく過ごし易かったねえ、会う人会う人そう頷き合い。ああこの春の匂い。四月五月に入ってどかりと雪が降ることも毎年のようにあるのですが、四月五月の雪は何と言っても「すぐに溶ける」。今日も、気持ちのよい春の空です!


2.次女の担任の先生、クラスのニュースレターや個人的にやり取りするEメールの最後に、いつも「引用文」が添えられている。今週次女がもらってきた先学期の通知表には、科目ごとに全部で八つの引用文が! トーマス・ジェファーソンやロバート・フロストの言葉や。その中からラルフ・ワルド・エマーソンのもの:「私達は不思議に思い驚くことが大好き。そしてそれが、サイエンスの種なのです。“We love to wonder, and that is the seed of science”」


3.先週末、友人集まり話し合い。これからの活動についてあれもこれもとアイデア出るも、まずは私自身、小さくともより強く具体的な土台を作っていかないとな、そう気持ち新たに引き締め。引き続き話し合い、皆で活動できる場を整えつつ、ひとまず私自身のホームページも作ってみようと。子供達が持てる力を最大限発揮できる子育てについて、模索していける場を! 友人達の頼もしい眼差しに励まされつつ。


4.中学生に大人気の小説「Divergent」の映画化。アンカレッジ封切りの金曜日、長女の中学校の七年生、普通学級、スペイン語・ロシア語イマージョンプログラム、G・HGプログラムの生徒合わせて四百人で、映画館へ! 小説とても面白かったらしい長女、この日を指折り数えて楽しみに。感想は、本を読んだ子は長女を含めて皆、「本の方がずっといい。本を読んでいなければ楽しめるね」と一致したとのこと。


5.昨夜は友人宅に呼んでいただき、一緒にファミリーディナー。普段北方に出稼ぎに出ていて留守の夫のAさんも久しぶりに戻り、テーブル囲んで。何ヶ月も会えないこともある息子君二人を代わる代わる膝に乗せ、それは愛おしそうに抱きしめる。「いつも家族のことを考えている」そう電話口で言うのよ、友人がそう言っていたのを思い出す。

肉体労働の出稼ぎ、それは特に年をとるにつれ、きつい。腰の骨を痛めたAさんは、痛め止めを打ちつつ、百九十センチ以上の引き締まった身体で、足を引きずりながら、極寒の中、ぎりぎりの状態で働き続けている。今の年齢の自分が最も収入を得られる手段は、今のところこれしかないから、何とかしてでもできる間はねと。

「ホントしょっちゅう喧嘩して」と息子君達を眺めて言う友人に、「でもね、他の子が息子君のどちらかを悪く言ったり意地悪すると、必ずもう一人がすごい勢いで守るのよ。私それ見て感動したもの」そう伝えると、横でAさん、涙を拭っていた。

友人、Aさん、私、三人皆、十五年以上の知り合い。子供達が走り回る中、出会った当時や、妊娠時代、赤ちゃん時代のことなど、思い出話に花を咲かせ。デザートの苺アイスクリームを盛り付けていると、「その器、曾祖母から伝わるものなんだよ」と、白黒写真の並ぶアルバを見せて下さった。うわあ、この祖父さん長男君にそっくり、この曽祖父さん次男君にそっくり! そう笑いながら。

久しぶりに会ったAさんの表情は、ますます澄んでいて。その優しい瞳は、ますます深くて。

楽しい夜だったね、息子君達に挟まれ、そう手を振る友人とAさんの笑顔を、胸に。


今日は朝NPOに長男長女を降ろし(レスキュー犬訓練所の見学に行くそう)、次女のサイエンスや算数を見、春の大掃除。昼過ぎ二人を迎えに行き、夫出張から戻る! 明日は、長男長女課題プロジェクトの合間に、皆で春の日差しを楽しみに!

皆様の一週間が素晴らしいものでありますように!

Have a wonderful week!




日常風景:

友人達と集まって。


持ち寄り料理のまた楽しくて


オヒョウ(Halibut)の燻製にココナッツ炒めとコリアンダーを乗せて。


ベークド春巻き。


ケタケタ笑うママ達の横で、台所でごそごそなガールズ。


オートミール・クッキー作ってくれた!


再び雪降り、そり日和!


この坂、こんなベッドのマットが置いてあり、

ジャンプして着地!

行くよ~、


上って滑って上って滑って。




パビリオンでS君と次男。



友人宅でパンを練り。


遊んで、


遊んで。


できた!


サラダはどう?ライスはどう?と給仕して、


いっただっきま~す!



食後は前庭のこんな建物へ、


ジャグジー!

シュノーケルつけてね。

泡~泡~。

ふ~、さいこ~!

食と子育て、ヘルシーに楽しむ

2014-03-23 08:56:39 | 
スポーツに力を入れ始めてから長男、やけに「ヘルシーな食べ物」に関心を向けている。手に取る食材の成分表に必ず目を通し。関心を持つことはいいことだけれど、まあそれほどきちきちこだわることなく、感謝して楽しくいただこうね、と声をかけ。


「ヘルシーな食べ物」について整理:


・長男8年生の保健の授業で、マクド○ルドを食べ続けた男性のドキュメンタリー「Super Size Me」byMorgan Spurlockを見たそう。30日間朝昼晩とマクド○ルドのメニューのみを食べ続け、瀕死状態に。そしてその男性のガールフレンドによるベイガン・デトックス・メニューを用い、14ヶ月かけて回復したと。


・まだ身体も小さく大人のようには消化できず、新陳代謝も大人の何倍も活発な小さな子供であるほど、大人にとってはあまりよくないとされる脂肪や少しの量で高カロリーとなるような食材が必要。子供は全摂取カロリーの25-30%を、脂肪から摂る必要があるともされる。


・また脂肪を少なくというより、種類の問題でもある。(TEDedのこのクリップは、子供達と共に見るのにも分かり易い:「脂肪とは何か」)。脂肪の中でも、Saturated Fat(飽和脂肪酸)やTrans Fat(トランス脂肪酸)は避け、オメガ-3に置き換えるといい。オメガ-3を多く含む魚: サケ、ニシン、 イワシなど。


肉より魚の方が脳にも身体にもいいという研究結果がたくさんあるけれど、昨今水銀の含有量も問題になっている。水銀を多く取ると、もちろん脳にも身体にも良くない。といって水銀、毎日鰯をかなりの量食べ続けて影響が出るといった程度のことともされる。こちらでは、妊婦はツナ缶など「マグロ」をなるべく控えるようにと指導される。


旧石器時代の食生活が理想という説。乳製品はなく、赤み肉、魚、貝類、そして、100種類以上の異なる植物を摂っていたとされる。その上、1日平均八マイル(13キロ近く)は歩いていたそう。


・8千年以上前の狩猟採集時代には、牛乳というものを消費する習慣がなく、元々人というのは牛乳の成分を栄養として生かす身体にはなっていないという説もあるけれど、8千年といえば、人の身体の仕組みが順応するまでには、十分な時間でもある。確かに牛乳には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDなど子供の成長に必要な栄養分が多く含まれる。牛乳が合わない場合は、他のもので置き換えるよう心がける。消化等問題ある場合は、熱したものや発酵させた乳製品を適量摂るようにする。

12ヶ月以下の子には牛乳を与えない。牛乳には母乳の3-4倍のsodium(塩分)が含まれている。sodiumは腎臓で消化されるのだけれど、乳児の臓器は、まだsodiumを消化できるほど発達していない。また乳製品の中には飽和脂肪酸を多く含むものもあり、飽和脂肪酸は24ヶ月以下の子には与えない方がいいともされる。

何千年もの間、ヨーロッパ、中東、南アジア、モンゴルから南米まで広い範囲で用いられた乳製品、それでも日本で食されるようになったのは、随分最近のこと(7世紀頃天皇家に伝わったという記録があるものの、一般に飲まれるようになったのは100年そこらのこと)。乳製品がしっくりと身体に合う人種とそうでない人種もあるでしょう。

 私自身、授乳の際、乳製品を摂るたび「詰まり」、私の身体にはあまり合ってないのかなと感じてました。ヨーグルトなど適量を時々いただくようにしています。


・バラエティーのある食材をバランスよく。といって子供には好き嫌いが激しい子も多いもの。子供の味覚は大人とは違い、「苦味」に敏感とされる。「苦味」というのは、往々にして「毒」とも関係しており(「良薬口に苦し」の「薬」も、また「毒」と表裏一体)、本能的に避けるという「野性」が子供にはまだ残っているという説も。ある意味、麻痺してしまった大人よりも、子供というのは優れて繊細な味覚をまだ維持している状態とも言えるかもしれない。そんな子供の中でも、特に敏感な子もいる。

好き嫌いの激しい子への工夫例:

甘いものとペアにする(野菜をマフィンやクッキー生地に練りこんだりと工夫する友人も多い)

おなかがすくまで待つ。すき過ぎても、血糖値が下がり食欲がなくなる。

慣れたものと一緒に出す(慣れたディップをセットにした方が、人は新しい種類のチップに手を出し易いという実験結果もある)

加工しないシンプルな方が好きな場合もある(家でも煮野菜より野菜スティックの方が好評)

料理過程を手伝わせる(自分で作ったものは驚くほど喜んで食べる)

見かけを楽しく(盛り付けに少し手を加えたり)

家では五人とも、好きなものをデザートとして隣に置き、「これ食べたらこのデザートを食べようね」とすることが最も効果的でした&です。


制限し過ぎない。人は制限されたものに飛びつくようになるという実験結果も。アップルクッキーとピーチクッキーを子供のグループに与え、両方とも好きと確認した後、グループの半分はアップルクッキーだけ、残りの半分はピーチクッキーだけを食べさせるようにしたところ、5週間後に両方示すと、与えられなかったクッキーの方へ、ほとんどの子が飛びついた。

 家でも、お菓子を食べないよう厳しく制限していた時期があったのですが、隠れて「フロス(甘いミント味の歯間掃除糸。笑)」をくちゃくちゃ口に入れている子を見つけ(ガム感覚)、 姿勢を改めたことがあります。現代の一般社会から見ると、「ちょっと飛びぬけたヘルシーな食生活」をする家庭も周りに多くあるのですが、うまくいっている家庭というのは、子供達がのびのびと食を楽しめるよう工夫していると感じています。「これは食べちゃだめ!」「これを食べなさい!」と子供の欲求の行き場をなくすよりも、「より良い選択」を「楽しめる」よう導いていると。添加物の多いスナックを食べてはだめと伝えるだけでなく、子供が大好きなフレッシュ・フルーツやよりヘルシーなお菓子を共に楽しむなど。


子供達が食をヘルシーに楽しめるよう、調べ・試しと続けていきたいです!



参考資料:

"Super Size Me" Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Super_size_me

”Food and nutrition for kids”Gwen Dewar, Ph.D.
http://www.parentingscience.com/nutrition-for-kids.html

「脂肪とは何か」TEDed http://www.ted-ja.com/2014/02/what-is-fat-george-zaidan.html

夫出張中のあるリアルな一日

2014-03-23 08:56:09 | 子育て風景
四時半起床。読み書き。五時五十分に長男を起こし、往復十分の大学ジムへ降ろす。帰宅し、朝ごはん&弁当作り。六時四十五分長女を起こし、長男を迎えに行く。長女朝ごはん食べ、長男の朝ごはんは包んで車へ。シャワーから出てコンタクトをつける長男をガレージで待ち、七時二十分、中学へ。車の中で朝ごはんを食べる長男。まだ少し薄暗い中、往復四十分程。

八時過ぎに戻り、まだ寝ている次女・三女を起こす。なかなか起きない。ベッドから抱き上げ、クローゼットの前にそれぞれ「置く」。ご飯食べさせ、髪を結い、寝室でぐずり始めた次男を抱き上げ、食卓を囲みしばらく膝に座らせ落ち着くと、出発時間。スノーパンツ&ジャケットを着込み、帽子をかぶる次女と三女。皆でガレージへ、八時四十分、往復十分弱の小学校へ出発。

晴れ渡った空。

帰宅し、次男着替え、朝ごはん食べる横で、担任からのニュースレターなどメールチェックやりとり、歯医者予約などスケジュール確認。次男の相手をしながら、台所片付け、掃除、洗濯。次男のプレスクールカリキュラム。

ランチが終わると、ホームスクール支援チャータースクール訪問、話し合い。その後、食料買出し。詰め替え用のインクを忘れたことに気づき、一旦家に戻る。運転中信号待ちの度、ホームスクール資料に目を通しつつ。

一時間半ほどホールセールの店にて、カートに乗り切らない食料&日用品。重すぎて、雪解けごつごつの駐車場を進めず、入口に放置。次男と走って車を取りに行き戻る。車に詰め込み、帰宅し、降ろし。この詰め込み&降ろしに三十分程、汗かき結構いい運動。

一階入口に降ろしたところで、三時三十分、次女と三女の迎え。帰宅し、二階の台所への収納を手伝う三女と次男。終わると、買ったばかりのクッキーを頬張り遊ぶ。

迎えの車に乗って以来、翌日のサイエンスプロジェクト提出に向け、あれしてこれして、それに算数の宿題もあってと興奮気味の次女、大丈夫よ、寝るまでにたっぷり時間があるじゃないとなだめ。

帰宅し、次女、プロジェクトのボードにまっしぐら。前日全て貼り終えていたけれど、手違いがあったらしく、一部をはがしている。打ち直し、プリントし直そうとするも、詰め替えたばかりのインク、うまく機能しない。二台あるプリンター、もう一台はワイヤレスがうまくつながらず、両方とも何度試しても、だめ。涙目でうろたえる次女をなだめつつ、ひとまず算数の宿題してなさい言い残し、四時半、中学へ陸上部の終わった長男長女を迎えに。

車に乗り込んだ長男、日中の食材買出しの際、頼まれていたけれど見つからなかった「プロテインパウダー」がどうしても欲しいと、自然食品店に寄る。携帯に何度か「プリンターが~~。算数分からない問題が~~」という次女の悲痛な叫び。長男に、帰ってすぐプリンター見てやって、と言い聞かせ帰宅。

帰宅し十分程、長女のダンスレッスンへ往復四十分。信号待ちの度、資料に目を通す。帰宅すると、どうも詰め替えインクに問題があるようだと長男。店の人が「七回程詰め替えられる場合もあれば、三回程でだめになることもあります」と言っていたの思い出す。長女ダンスの迎え前に、新しいインクを買って、と時間計算する。

ここで、「今夜はもうピザ!」と宣言。クーポン探して電話注文、ダンスの帰りに取りに行くことに。

次女の算数の宿題を見、ボードと他の資料を確認し、一枚一枚ページ番号書き込み、目次を作るのを手伝うこと十分。再び車を走らせる。文具店でインク購入。高っ!と思わず口に出す私に、他のブランドのプリンターなら、オイルベースでなく水ベースなので安いんですよと丁寧に説明して下さる店員さん。ダンス教室前の駐車場で、長女を待つこと五分程、ホームスクール資料やSATについての記事に目を通す。長女を乗せ、ピザを受け取り、帰宅すると七時半。

買ったばかりの新しいインク、プリンターうまくいく! 長男長女三女次男がピザを食べる横で、「まずは終わらせる~!」とプロジェクトに取り組む次女を手伝う。新しく加えた写真のアレンジ、トリム。ボードを完成させ、他の資料を確認し、一旦綴じた冊子の順番が間違っているのを発見。ホワイトアウトでページ番号を消し、目次を打ち直す次女。飲まず食わずで涙が頬をつたいはじめている。あとはプリントするだけじゃないと励まし、算数の分からなかった問題に取り組む。こういうときに限って、かなりややこしい問題、図やグラフを書いて。

ピザを食べた後、宿題に取り組む長女。宿題の終わった長男は、三女と次男の相手をして走り回る。「ここうったの~」「○○がこんなこと言った~」と時折寄ってくる三女次男、次第に無表情に頷くだけになる私。

八時半、長女を呼び、ピアノ練習隣に座る。普段の半分程の時間。その後三女のピアノを見る。プリンターから打ち出した「目次」を取りに階下へ降りて来、二階へ戻った次女の叫び声。テーブルの上に次女のためにと残しておいたピザを、飼い犬が平らげる・・・。

次女、ここでブレイクダウン、泣き叫ぶ。ではあなたを夕飯にしようとつい思ってしまった犬を外に出し。さっと用意したものを次女に食べさせ。

パジャマに着替えた三女と次男に寝室で本を読み聞かせる長男。ようやくサイエンスも算数も終わり、食べ、着替え、ベッドに倒れこむ次女。シャワー浴びたいよ~と何度もぼやきながら。長女の部屋を覗くと、あと二時間はかかるかなと。お休みを言いハグして寝室へ。

九時半過ぎ。感謝の言葉を言い合い、祈り、ハグし。寝られない!と興奮する次女も、しばらくしてす~す~と寝息を立てている。



ふ~とため息をつきつつ、暖かい毛布に包まり、三つのことを思いつつ夢の中へ。

1.ぎりぎりの時こそ、優しい声と言い回しを心がける。それだけでぴりぴりの雰囲気が和む。

2.途中感情的に怒ってしまうことがあっても、せめて終わりをよく。「これだけやり通せるなんてすごいよ」とハグして背中をなぜ。ほっと微笑む次女。三女と次男を抱きしめ、長男にお礼をいい。犬もなぜてやり。(笑)

3.ノンストップに動き回ることのできる身体に感謝。

明日もまた、気持ち新たに。

SATテストの改革、2016年から新しいSAT開始

2014-03-23 08:55:58 | 子育てノート
米国の大学のほとんどが入学審査に用いるSATテスト。今月3月5日に、2016年からSATテストの内容が大きく変化すると発表されました。SATテストの変革について整理:


・これまでのSATは、通常の高校の授業で習う内容から、かなり離れたものになっていた。そのため、高得点を取るには、「SAT用の特別な準備」が必要に。今回の改革は、高校の外でより時間や資金を投入した生徒が高得点を取ってしまうという「不公平の是正」になるとされる。通常の高校の授業で習う内容により沿ったテスト内容、そしてSATを提供するNPO団体「College Board」が、無料学習ウェブサイト「Khan Academy」と提携し、SAT練習用プログラムに誰でも無料アクセスできるようになる。

・2005年に加えられた「エッセイ」、内容や情報の正確さではなく、技術的なことばかりが採点基準になっているなど、教育関係者の中でもかなり問題になっていたよう。2016年からは「エッセイ」がオプショナルとなり、2400満点からエッセイを除いた1600満点に。

・採点の複雑さの是正もされる。ペーパーのみから、ペーパー&コンピューターに。「間違えた選択肢を選ぶとマイナス点」というトリックもなくなる。(これまで、正しいと確信できないならばマークしない方がいいなど、SAT用の特別練習対策などが必要だった。)

・千語以上とされる「SAT単語」。その中には一生で何度使うかも分からない単語があまりにも多すぎるという批判があった。これまで「SAT単語」暗記に励んできた高校生、これからはあまりに実用的でない単語は削られ、丸暗記でなく、文脈の中で単語がどう使われるかによりフォーカスされる

数学では、計算機が使用禁止になる(今までよかったんですね)。より現実の問題解決能力を問うもの、文章題が多くなると。

・「誰もが学校の授業にしっかり取り組むならば点を取れるはず」となり、以前のようには差が出ないということならば、フォーカスはより日頃の成績や課外活動に向けられるだろうという意見も


「College Board」CEOの「私達は価値のあるチャレンジを提供したい、人工的な障害ではなくてね "We aim to offer worthy challenges, not artificial obstacles.”」という言葉、実用性を重んじ、「テストのための勉強」をなるべくしないでいいようにいう配慮、アメリカらしいと感心。うまくいってないなら、何とかしようと動く改革の早さも。

「College Board」のウェブを見ると、「プレテスト」が来月四月半ばからリリースされるようです。

無料練習システムも提供され、どんな家庭でも均一な機会が与えられるのは頼もしいですね。

現実にどうなるのか、見守っていきたいです!


参考資料:
"Major changes coming to 2016 SAT test: Here's what, how and why" Mach 6, 2014
CNN News http://www.cnn.com/2014/03/05/living/sat-test-changes-schools/index.html

"The Story Behind the SAT Overhaul" By TODD BALF New York Times Magazine March 6  , 2014 http://www.nytimes.com/2014/03/09/magazine/the-story-behind-the-sat-overhaul.html

高校ホームスクール その二

2014-03-23 08:54:48 | 子育てノート
高校ホームスクールに意欲満々な長男。その熱意に背中を押され、私も調べ続けているといった状況。生半可な覚悟ではできないこと、自分で自分を律し続けること、何度も話し合い。

アカデミックに効率的に取り組み(二年三年で終わらせ、カレッジ・クレディットをたくさん取ると計画しているよう)、その分、好きなこと(ロボティックスとスポーツと航空関係NPO)を追求したいということらしいです。確かに、一斉に何十人にも向けた「画一的なカリキュラム」よりも、得意なことを深め、苦手な部分を集中してといった「個別にカスタマイズされたカリキュラム」なら、より効率的にアカデミックにも取り組むことができるでしょう。

スポーツはPE(体育)単位扱いにでき、ランダムな運動に時間を割くより、突き詰めたいスポーツに全力注ぎ込むこともできるよう。「突き詰めたいスポーツ」としては、レスリング熱続いており(笑)、「ブラジリアン柔術」について本人かなり熱心に調べ中。柔道とレスリングを混ぜたようなもので、柔道家の前田光世という人が、ブラジルに渡り広まったものらしいです。小柄で喘息持ちのエリオ・グレイシーというブラジル人が改良し広めたため、小さく軽くても大きな相手に向かえるよう工夫されているとか。こちらの子達に比べ、背は平均程でも華奢な長男には持ってこいとも言えるでしょう。何よりも、レスリングよりは安全というところが嬉しい。引き続き調べ、体験レッスンを受け、始めるのなら、一生続けるくらいのつもりでと伝えてます。


ホームスクールについての本を読み情報を集めていると、「途中から公立・私立の高校に戻る場合、もう一度全て授業を取り直す必要がある場合もあるので良く調べて気をつけるように」という注意を見つけ。大学の単位として扱われるAP(Advance placement)クラスの始まる十一年生から通常の高校へ戻ると計画している長男、果たしてそれは可能なのだろうか?

そこで、ホームスクールを支援するチャータースクールで話を聞いてきました!
(チャータースクール:公立学校の扱いでありながら、一般の学校に比べ「より独自の経営方針」に則る学校。)

2002年に始まったこのチャータースクール、ホームスクール家庭の支援を通し、生徒一人一人に合った独自の学習スタイルやペースを大切にしていくことを目指しているそうです。

まずは、学区の教師免許を持つスポンサー先生をリストから選び、体験知識豊富な(十六人の先生リストの詳細を見ると、ご自身が子供さんをホームスクールされたorされているという方が多い)その先生と相談しながら、その子に合った学習カリキュラムを築いていくよう。そして授業は全て、正式な単位として認められ(親が成績をつける場合は、全てのワークを提出し、スポンサー先生の合意が必要)、途中から高校へ戻りたい場合でも、振り返ることができると!

カリキュラムには、親が教える伝統的なホームスクーリングから、チューター、オンラインコース、少人数クラスなどがあり、高校で一つか二つの限られたクラスだけ取り他の科目はオンラインでといった「半ホームスクール」や、大学の授業を必須単位として換算するといったことも可能。チャータースクールの提供する十人前後の少人数クラスには、「オナーズクラス(よりアドバンス)」などもあるそう。

高校をホームスクールする家庭には、政府から2014-15年度は2,300ドル(23万円ほど。2013ー14年度が3,050ドルだったのに対し大幅減額)が支給され、通常の高校で授業を取る場合は、その支給額から一クラス400ドル程(4万円程)マイナスされ。
受付のお姉さんと話しながら、「なんてフレキシブル!」と感動。

実はこのチャータースクールの校長、長男の小学一年生の時からのクラスメートのお父さん。ご自身のお二人の子供さんは、長男のように通常スケジュールの公立学校に通っているわけですが、以前お話した際、「子供によって、既成の学校環境で伸びる子もいれば、カスタマイズされた環境での方が伸びる子もいる。そんなニーズに答えるための学校です」とおっしゃっていたのを思い出します。


長男の描く高校生活にまさしくフィットなチャータースクール。しかも「一応入学は『くじ引き』なのですが、それは形だけで希望するのなら必ず入られます」とのこと。

私自身、中学高校と学校に行かないで大学へ進む道が模索できたのならば、飛びつきたかったという思いがあるのですが、そんな自身の体験が、長男の熱意を理解することにも繋がっていて。それでも現実的に長男にとってどんな道がいいのか、見つめていきたいです。

年々ホームスクール人口が増えてきたといえども、全体の3パーセント程のこと。ここで大多数とは違う道を踏み出していくことが、彼の人生をどう形作っていくのか。引き続き調べ、決定するまでじっくり時間をかけていきたいです!

次女十歳サイエンスプロジェクト&サイエンスナイト

2014-03-22 23:59:10 | 出来事や雑感や (行事)
次女のサイエンス・プロジェクト。植物について知りたいと調べ、実験プロジェクトを組み立てました。


疑問:
落葉樹は秋になると、葉の色を変える。
緑色の葉は、どこから黄色や赤色や茶色を得るのだろう?


仮説:
元々葉の成分に、緑色、黄色、赤色、茶色などが含まれているのではないだろうか。


材料&手順:
ほうれん草の葉を小さくちぎり、つぶし、ネイルポリッシュに浸す。コーヒーフィルターを垂らし、観察。


結果:
15分程して、フィルターに色が着き始める。2時間半観察し、緑色の他に、黄色や、オレンジや、茶色も付着している。

始まり。


二時間半後。


説明:
 葉には、緑色の他に、葉を黄色やオレンジや茶色にする成分も含まれている。葉を緑色にするのは、「クロロフィル」という成分。クロロフィルは光合成によって作られる。秋になり、葉が色を変えるのは、日光が弱まり、光合成が活発に行われなくなるため。クロロフィルが減り、黄色や赤色や茶色が浮き出てくる。


まとめて。


プロジェクトが終わり、もっと植物について知りたいなあと次女。

子供達が自分自身で目を輝かせ興味を深めていく姿を見るのは、嬉しいことですね。



水曜日夜には、「STEM(Sience Technology Engineering Math)ナイト」があり、五人と共に出かけました。

皆のプロジェクトが並べられ。


どのホッカイロが最も長く暖かいか(日本人が開発したんですねホッカイロって、この日始めて知りました)、ベーキングソーダの量を変えるとクッキーはどうなるか、どのブランドのガムが最も味が長く続くか、太陽は燃えているけれど火は酸素がないと燃えないはず。酸素のない宇宙空間でなぜ? 

素朴な疑問を探求する面白さ、実験をまとめたいくつものボードを覗きながら、ひしひしと伝わってきました。

ロケット作って、


飛ばしたりも!

近況整理、火を焚いた春休み

2014-03-16 05:56:36 | 今週の整理
1.春休み、毎日のようにぞろぞろと出かけ走り回って。夜、夫が帰り、次の日の予定など打ち合わせていると、次第に目の焦点が怪しくなり、そのまま椅子の上で口を開けたまま寝てしまうこと何度か。十五分ほどして目が覚めると、出張準備で早朝から寝る前まで怒涛の日々を送っている夫も、ソファで眠り込んでたり。(笑) その周りを、ノンストップに飛び回る子供達・・・。ああ春休み!



2.休みに入り、朝からボードゲームなんて上の子達がしてたりするものだから、下の子達、何だかホリデイ気分で、サンタクロースの衣装にジングルベル歌ってたり。春の陽だまりに響くクリスマスキャロルかな




3.ふ~ふ~言っていた「ホームページ制作」。知り合いの一人に、こんな活動を考えているのだけれどと声をかけると、興味を持って下さり、なんとホームページ制作を仕事にしていたことがあり、そちらも手伝ってあげるよと! 並々ならぬセンスの持ち主 & 技術知識体験豊富な彼女、ありがと~~!



4.木曜夜は、友人と夕飯作り、食べ、子供達遊ばせながら打ち合わせ。人との繋がりについて、完璧な人などいなくて、どこかしら皆足りなくて欠けていて、だからもうその至らない部分ばかりつつき合うのでなく、できることを差し出し合って、何かを築いていけたらね、そう頷き合いつつ。



5.金曜夜は、友人家族とファミリーディナー。ラボで働くエンジニアの友人、チベット人の同僚について話してくれる。三月十日はチベット侵攻の日。その同僚は、子供時代、山を越えチベットからインドへと亡命。例え侵略の手を逃れたとしても、何日間も歩き続ける「山越え」はとても危険で、多くの人が命を落としてきたと。アンカレッジでも近々「プロテスト」を計画しているそう。

大学院で瞑想状態についての科学的な研究をし、今はエンジニアとしてラボで働くそのチベットの方、「どんな緊急事態やトラブルに出会っても、とにかく穏やかでね」と友人。「でね、聞いてみたの、どうしたらあなたのようにあれるかって。瞑想?って。そしたら瞑想は今の職が手に入りますようにと祈った時しかしてないよ、と笑うの。ホント謙虚でね。それで、福祉関係の仕事をしていた時に、メンタルな問題を抱えた人の世話をしていたのだけれど、様々な緊急事態に出会う度、『感情』が咄嗟の判断行為を誤らせないよう訓練されていったのが大きいかなって。瞑想状態を、繰り返し現実の実践の場で試されることによって、きっと身についていったのよね」

その同僚さんの、静かな微笑を想いつつ。



6.週半ばから夫十日間の出張へ。いつもは自宅からタクシーなのだけれど、春休みということで空港に皆で出かける。夫を助手席に乗せ、空港に近づくにつれ、あの懐かしい感覚が蘇る。十七年前、籍を入れて一週間でアラスカと日本とに別れ、そのまま二年間、時々行き来する別居婚をしていた時のこと。別れの度、辛くて、心が痛くて。まるで身体のどこかに傷を負い、その切り口から血がどくどくと流れているような感覚を、目に見えない「心」に感じていた。こうして今五人の子供達に囲まれ、そんな感覚を思い出している自分に、少し驚きながら。

 空港に立つと、今までの、たくさんの別れを思い出す。両親、親戚、別れたまま二度と会うことのなかった祖母、友人達。ゲートへと顔を上げ、新しい一歩を踏み出し。

 もう別れは、本当に嫌なのだけれど、それでも必ずやってくる。私にできるのは、共にいられる今この一瞬一瞬を、大切に過ごしていくということ。家族と、友人と。新しい旅立ち、その日まで!


今日は、長男長女のNPOも春休み。昼から上の子達をジムに降ろし、夕方から友人達が集まるので掃除。昨夜は久しぶりに雪もたっぷり降り、雪かきもやりがいありそう!明日は春休み最後の日曜日、雪こんもり春の日差しを楽しみます!

皆様の一週間が素晴らしいものとなりますように!
Have a wonderful week!




春休みな風景:

幼馴染Z君の誕生日会。


ロッククライミング場にて。

説明聞き。

登る!


そりに出かけたら、

雪ほとんど解けてたり、


氷坂になってたり。

それでも、そりで、足で、滑る!


パビリオンへもぞろぞろと。


バトミントンに、縄跳びに、サッカーに、皆汗かいて。


スナックタイム!


Rちゃんにメロメロな三女に次男。


可愛い可愛いRちゃん、二歳誕生日おめでとう!



スケート!


くねくね繋がって。



子供達の友人も毎日のように誰かしら訪ねてくれて。

ゲーム。


三女のクラスメートちゃん、サイエンスプロジェクトに励む次女に、給仕。



長男ランチ担当。


グリルローストビーフチーズ!


ぐつぐつ煮ているので何の料理かと思えば、

Tシャツ煮てた。

縮めて「フィット感」を出したいのだそう。


夜になると裏庭に火を焚き、


火守り。


マシュマロ焼き!


雪に囲まれ、炎見つめて。



空港にて。

いってらっしゃい!

全部一人で飲む!「条件付け」と「無条件の受け入れ」

2014-03-16 05:55:02 | 子育てノート
「全部自分で飲むの!シェアしたくない!」

ヨーグルトスムージーを手に、泣きべそ顔で言い張る次男四歳。

冷蔵庫に見つけてそれはそれは嬉しそうに手にしたものの、最後の一つ。私昨日飲んでないよ! 私なんて三日ぐらい飲んでないもの! 私なんて十二個入りの二箱買って以来一つか二つしか飲んでない! そんな声が周りから。

「じゃあ皆で分けて飲みなさい」と言ったところ、この次男の反応。

五人で分けると、確かに「おちょこ」くらいの大きさの器に半分程になってしまう。(笑) 


スムージーを握り締め、いよいよ泣き出しそうな次男の様子に、「まあ、私はいいわ」、と言いだす子も。その様子を見て、ますます、一人で飲む!が強くなる。

「あなたも飲みたいけれどね、皆も同じくらい飲みたいのよ。あなたは毎日のように飲んでいるけど、しばらく飲んでない子もいる、最後の一つは皆で分けようね」

という私の言葉に、うわ~んと泣き叫ぶ次男。床に突っ伏して足をばたばたさせて。

「ぼ、ぼく一人で飲むの~、の、飲みたいの~、シ、シェアしたくないの~」しゃくりあげて。


泣き叫びのピークから少しおさまりつつある頃、傍に座り、「おいで」と言うと、泣きながら膝に乗ってくる。抱っこして背中とんとんしてユラユラ揺れて。

思い通りにならない!と泣き叫び癇癪を起こす。そんな時、「もうなんて我がままなの!」とこちらもき~となって、と何度も繰り返してきたけれど、

1.こうした方がいいのよと(なるべく静かに落ち着いて)伝える 

2.やり切れない感情を出させる 

3.少しピークが去った頃、抱っこゆらゆら


この流れが、一番すんなりとおさまる。

膝から立ち上がり、姉に「分けて」と渡す次男。


リミットを示し、感情むき出しの反発を受け、こちらも感情むき出しモードにスイッチ、と引きずられることなく、リミットは動かさずとも、その子の苦しい辛い感情に共感し包み込む。すると、次第に落ち着いて、そのリミットを受け入れるようになる。

この流れは、子供が大きくなっても、有効だと感じている。「抱っこゆらゆら」は、カフェに出かけたり、美味しいものを部屋に差し入れたり、ハグだったり。



「条件を付け」「無条件に受け入れる」、その一見相矛盾して見える働きかけのバランスが、「子育ての鍵」とつくづく思うのだけれど、これが一つの具体的方法だろう。

それは、「利き手でない方で導き、利き手で抱える」ことでもある。より力の入る利き手で、常に抱えているということ。


 

「絶対」はないという前提の下、目指したい方向

2014-03-16 05:54:02 | 子育てノート
AさんとBさんが違う意見を持っている時:

1.どちらか一方が「正しい」と思うか、

2.どちらも「正しい面を持っている」と思うか。

もし、どちらも正しい面を持っていると思うならば、

3.どちらかが、どちらかよりも「より正しい」と「説明」できるか。



心理学者Kuhn氏によると、以上のような場面に出会ったとき、どう思うかによって、人は三つのタイプ(or 発達の段階)に分けられると言います。


1は、絶対主義者(absolutist)。現実とは、直接的に確かなものとして観察できると考えている。灰色はなく、白か黒。子供というのは、この状態にある。


2は、多様主義者(multiplist)。現実は直接的に観察することはできず、情報は必ず誤ることのある人々の感覚によってフィルターされ、知識というのは人の思考によって作られており、疑うことができるものと思っている。そうして何もかも決して「確か」ではないのだから、どちらか一方のみを選ぶ客観的な土台は存在せず、断言されている全てのものも、「単なる意見」に過ぎない、全ての主張が「同等の重み」を持っていると。子供達は成長するにつれ、こうした多様主義の考えを、少しずつ理解するようになる。

多様主義的考え方は、自分とは異なる意見を尊ぶ姿勢を生み、素晴らしいこと。子供達にも至らせたい地点。私自身、文化人類学を学び、多様な文化に触れる中で、この「2」のスタンスをとても身近なものと感じている。

Kuhn氏は、「2」を土台とした上に、次へと進む立場として「Evaluativist」を提示する。


3、評価主義者(Evaluativist)。「確固とした正しさ」は手に入れることができないかもしれない、それでも、「区別」をつけることはできると思っている。調べ、学び、考えることで、一方の説明は、他より「メリットがある」と区別していくことができると。



「2」から「3」へと踏み出していくこと。それまでの議論について調べ、証拠として出されたものを吟味し、考え、不確かさの中に「より良い」を築いていくこと。それは、私自身多様主義にどっぷりと浸った時代から、子供を育てる親となり、日常的に必要な姿勢として、学びつつあることでもある。

これからの世界、通信技術や交通手段がますます発達する中で、多様な考え方や価値観が、地球上のどこに暮らしていようが、ますます身近な日常に入り交ざっていくだろう。そんな中、異なる立場を尊重する「2」の多様主義を土台としつつ、「3」の評価主義を身に着けていくことは、とても大切になっていく。



心理学者Caren Walker氏は、次のような「ディスカッションの六つのルール」を小学校の高学年の子供達に学ばせていくことが、「1」から「2」へ、そして「3」へといった姿勢を培うことへと繋がるかもしれないとする。

立場を示す(State a position)

自分が同意するかしないかを考える(Figure out if you agree or disagree)

実際の事例を提示する(Present a real example)

差し出された主張に対する反例を提示する(Present a counterexample to a claim that has been proposed)

それまでに得た情報を基に、主張を練り直し、示す(Offer a revised version of the claim)

自身の主張を証拠と論理でサポートする(Support your claim with evidence or logic)



「絶対的な確かさはない」という前提の下、異なる立場や意見を尊重しつつ、その上に、「より正しく役に立つ」情報を模索していけたら、親としての自身と共に、子供達にも、そんな姿勢を身につけていって欲しい、そう思っています。




参考資料:
“Can We Raise a New Generation of Critical Thinkers?”by Gwen Dewar, Ph.D. Psychology Today

Kuhn D, Cheney R, and Weinstock M. 2000 The development of epistemological understanding. Cognitive Development 15: 309-328.


Walker CM, Wartenberg TE, and Winner E. 2012. Engagement in philosophical dialogue facilitates children’s reasoning about subjectivity. Developmental Psychology. 2012 Sep 3. [Epub ahead of print]