二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「モンテーニュ」原二郎著(岩波文庫)を読む

2017年06月21日 | エッセイ(国内)
このところ、拾い読みにとどまったり、途中で投出したりが続いてしまったが、原二郎さんの「モンテーニュ」(岩波新書1980年刊)を大変おもしろく読了することができた。
これを手にしたのは堀田義衛さんの「ミシェル 城館の人」にとりかかるための下ごしらえ・・・のつもりだった。
おすすめの一冊、五つ星をさしあげたい!


パスカルの「パンセ」は、わが国の「徒然草」「方丈記」とならんで、わたしには手許に欠かせない本でありつづけた。
ところが「エセー」には縁がなかった。
本書はいわゆる一般読者向けの“入門書”。
原二郎さんといえば、岩波文庫「エセー」全6巻の訳者である。こなれた読みやすい文体だし、初心者に対する配慮がゆき届き、過不足がない。

そうか、パスカルの前をこういう人物がフランスを歩いていたのだ。
キリスト教の神についてほとんど語らないのが、日本人にはかえって理解しやすい。本書に触発され保刈瑞穂さんの「モンテーニュ よく生き、よく死ぬために」(講談社学術文庫)を一昨日買った。
モンテーニュは時代に数百年先駆けていた。

Web情報を調べていたら、松岡正剛さんのこんなページを見つけた。
「千夜千冊」
http://1000ya.isis.ne.jp/0886.html

《白水社に「クセジュ文庫」がある。フランスの同名の文庫の翻訳シリーズで、ぼくも旧版このかた何十冊もお世話になってきた。
 このクセジュは“Que Sais Je ?”である。「いったい私は何をを知っているのだろうか」という意味で、これこそはモンテーニュが有名にした「問い」だった》(千夜千冊)


評価:☆☆☆☆☆


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