二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

読書の秋2020 ~小学館版「日本の歴史」を読む

2020年11月18日 | 歴史・民俗・人類学
   (大きなミカンと小菊の群落)



これが全体の眺め。秋の日差しをたっぷり浴びて、気持ちよさそう(^^♪

こんな写真をたくさん撮りたいのだけれど、気持ちが集中できない。
何をしているのかといえば、読書。クルマの中でも、リビングでもベッドルームでも、ひたすら本に噛り付いています。

レビューは書かなくなってしまった。
だけど、腰痛がひどくなってから、7~8冊は読んでいると思う。
日本の古典を少々読み漁って、それから日本史へ(´v’)
なぜ日本史かというと、大石慎三郎さんの「幕藩制の転換」がとてもおもしろかったから。
大石さんのご高名は以前より存じ上げていた。



本を買って帰ったら、書棚にもあった。つまり2冊目がやってきた・・・というわけだ。こういうことはわたしの場合、よくある( -ω-)

■日本の歴史 全32巻 小学館 
一大シリーズといっていい、堂々たるラインナップ! 他社からも、似たような日本通史がいろいろ刊行されているが、これほどの規模のものはないだろう。
ただし、出版されたのは1975~6(昭和50~1)年。つまり古い本なのだ。
BOOK OFFの100円+税の棚に置いてあった。

古すぎて、資料的に、読むにたえないものだろうと、いくらかバカにしていた。
ところが大石さんの「幕藩制の転換」を半分ほど読んで、襟を正した。
この巻は徳川吉宗の享保の改革を中心に据えて叙述してある。そのあとの田沼意次の政治についても、かなり詳しく書かれている。
「菅江真澄遊覧記」からはじまり、田沼政治擁護論に終わっているが、ガツンと読みごたえがあった。

“むすびにかえて”の「つくられた田沼の悪評」の一章は、独立した論考というに近い。
田沼意次の悪評を決定的なものにした辻善之助の「田沼意次」を、こてんぱんにやっつけている。書き方は慎重だけれど、歴史叙述の裏表が、この一章から透けて見える。
資料的にやや古びた部分もあろうが、大石さん、よくぞ書いてくれた・・・という感じなのだ。
司馬遷を読んでいると、だれでも考えることではあろうが、「歴史の真実」とは何かが、その無視しえない断層が、ぱっくり口を開けて迫ってくる。直近の「平成史」の場合も、書く人の立ち位置によって書かれた内容が驚くほど変わってしまうのと同じだ。

大石さんに触発され、あらためてこのシリーズの一覧を見直してみた。

16. 江戸幕府 北島正元
17. 鎖 国 朝尾直弘
18. 大 名 児玉幸多
19. 元禄時代 尾藤正英
20. 幕藩制の転換 大石慎三郎
21. 町 人 中井信彦
22. 天保改革 津田秀夫
23. 開 国 芝原拓自

何と、なんと、江戸時代だけに全8巻を割いている。そうか、江戸時代をもっと知りたい・・・というわけで、BOOK OFFへふたたび出かけ、“江戸時代もの”をそろえた。



あと1冊第23巻の「開国」がやってくれば、江戸時代の通史が、すべてそろうことになる。
そこで、江戸のはじまりに戻って、北島正元さんの「江戸幕府」から読み出した(´ω`*) この巻は、ほとんど徳川家康の一代記の観を呈している。どちらかといえば重たくて大きな本なので、今後順番通りこなせるかはわからないが。







ほかにこんな本もクルマに積んである。


歴史ものは、いつ、だれが書いたのかによって、当然ながら切り口が変わってくる。先は長いが、いずれにせよ、これまで手薄であった「江戸時代史」を1冊ずつ、消化していくつもりではある。

またいつ悪化するかもしれない腰痛をかばいつつ、読書の秋2020はこんなところをクルーズしているのであります♪

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