二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夢のかけらを飲む 2021-15(8月30日)

2021年08月31日 | 俳句・短歌・詩集
     (ネガカラースキャン。娘と息子、左端は甥)



夢のひとかけらを数滴たらした水割りをしこたま飲んで
あの世界やこの世界をよろよろほっつき歩く。
レンブラントの「夜警」のなかに入り込み
そこから出て 

よい香りのする過去と出会う。
いつ どこかはわからない。
だれのことか・・・だけはわかっている。
そこいらは曲がりくねった路地裏で

イースター島の巨像がきみを招いているよ。
ほらねほら こんなところへ迷い込んだ。
思い出の生理学。
そして朝がくる いつもの朝が。

朝はかならずくる。
あの夢もこの夢も朝がくれば木っ端微塵にはじけ飛ぶ。
そういうことをくり返しているうちに
人並に年をとっちまって

記憶の迷路は頭のなかで増殖する。
二十年前 三十年前の「あのころ」につま先だけひたす。
それが心地いいのさ。
だからレンブラントやイースターの石像のそばを通り

一つの夢から出て
つぎの夢へと入っていく。
そうさ 地球の路地裏のことさ。
おととい きのうの

いや一昨日 昨日のきみが
そのへんでまだ迷っている。
地図をなくした旅人のように
日暮れになっても遊びたりない子どものように 

途方にくれて。

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