このところ、フィルムに回帰して、あらためて気がついたことがある。
“撮ってから選ぶか撮るまえに選ぶか”
デジタルカメラとフィルムカメラでは、そこが大きくことなる。
このあいだカインズホームへいったら、16GBのSDカードを、980円で売っていたので、1枚だけ買ってきた。8GBのカードも1枚。
SDカードは、こわれることがあるし、紛失する場合がある。16GBだと、ダメージが倍となる。だから、大きければいい・・・とはいえず、撮影するデータ容量に見合ったサイズがある・・・とわたしは考えている。
安いので書き込みのスピードは遅いのだが、連写はしないので、わたしにはなんら支障がない。それにしても、16GBが980円とは、このあいだまでの価格の半分^^;
値崩れのスピードが、加速化している。
デジタル画像は、いまだって、撮りすぎるくらい撮っている。
たとえば、PENデジの場合で、1枚あたりの単価はいくらになるのだろう?
カメラボディやレンズの「減価償却」を考えれば、デジカメのボディは寿命が短いから、そこそこの単価となるだろう。
それにしても、いったんパソコンに取り込んで初期化すれば、また使える。
たとえば中判の6×6ならば、フィルム代、現像代をあわせて、1枚約100円。
5枚失敗すると、500円が蒸発することになる。
だから、撮影には、慎重になる。
撮るまえに、被写体を選び、光や構図を考えてシャッターを押す。
ところが単価が安いデジタル画像は、コスト的には比較にならない安さなので、どんどん撮影する。撮影してから、失敗だったり、気に入らなかったりすれば、ボツにすればそれで済む。撮ってその場で選び、家にもどってから、また選ぶ。わたしの場合でいえば、100枚のうち、2、3枚残せばいい方かな?
大雑把な表現になるけれど、
“撮ってから選ぶか撮るまえに選ぶか”
デジタルとフィルムは、ここのところに、大きな違いがあり、それはフォトグラフアーの心理に、さまざまに影を落とす。
また、デジタルカメラの場合、撮影者のすることはほとんどない・・・に等しい。被写体を発見したら、フレーミングを決め、あとはシャッターを押すだけ。ピントも露出も、カメラがやってくれるし、手ぶれまで補正してくれる。
たとえば、RICOHのCX6のオーナーであるわたしは「うん。まあ、これはおれが撮ったというより、カメラが撮ったんだね」とよくいいたくなる(笑)。
だから、プロの写真家でさえ、彼の「やらなければならないこと」は、カメラが進歩するたびに、なくなっていく。「いずれ、自分たちの仕事がなくなってしまうのではないか」というカメラマンがふえている。
フィルムカメラを使って撮影していると、
「あー、だめだ。これ、また失敗してる」
そうぼやきながら、しかしその一方で、失敗のたびに経験を蓄積し、写真を撮る手応えやよろこびを、たっぷりと味わうことができる。
トップにあげたのは、伊勢崎市散歩の途中、ニコンF3+Aiニッコール50mmF1.4で撮影したもの。フィルムはRDPⅢ。旧型なので、スキャナの性能が、ポジのクォリティに対してあまりに低いことを痛感している(=_=)