二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

短詩系の文学へ向かう

2013年02月24日 | エッセイ(国内)

寒い、さむい。
朝から氷のような北風びゅーである。
赤城、榛名も裾野しか見えず、頂上付近は雪雲におおわれている。
寒さにめげて、撮影はサボってばかり・・・というか、暖房器具にしがみついて、出かけるときは厚着している(=_=)
「おや! ずいぶんと薄着だね」
このあいだランチを食べにあらわれた友人にそう声をかけたら、
「意識して薄着しているんですよ。体は甘やかすと、どんどん免疫力が低下しますからね。おれだって、寒いですよ、ガマンしているだけ」という返事。
なるほど、なるほど(^^;)
しかーし、この友人、昨年2回も救急車で搬送されたのですぞ。
まあ、7、8才わたしより若いから、回復力がある(^^)/

ところでトップに掲げたのは、一昨日BOOK OFFの散歩で手に入れた本、2冊。
左)芭蕉自筆 奥の細道(岩波書店)
《今世紀最大の発見!
250年ぶりに姿を現した幻の自筆本。芭蕉研究に新たな問題を提示する一級資料。創作方法の秘密を解明するおびただしい推敲の跡》(本書帯文)

半値だったので、この帯文につられて買った(笑)。
原本表紙は「おくの細道」という表記になっている。「序」は尾形仂さん、解説は櫻井武次郎さん、上野洋三さんが書いておられる。刊行は1997年。
芭蕉の紀行文と、子規の随筆はオーバーにいうと、目下わたしの「座右の書」となりつつあるのですね。ナハハハ。





芭蕉の自筆。
紙を貼って推敲した跡が生々しく、「おくの細道」誕生のドキュメントとして興味がつきない。


右)現代短歌大系4「木俣修・齋藤史・吉野秀雄」(三一書房)
近代文学好きを自認しているのだけれど、これまで短詩系の文学にはまったくのところ縁がなかった。漱石の漢詩や俳句は読もう、読もうとおもいつつ、放置してある(~o~)
どこで眼にしたのだったかもう忘れてしまったが、齋藤史さんの短歌は、ある印象をもっていたので、この本に収められたアンソロジーを、齋藤短歌理解への一助とするつもりで手に入れた。

老(おい)不気味 わが母そはが人間(ひと)以下のえたいの知れぬものとなりゆく
我を生みしこの鶏骸のごときものかさればよ生(あ)れしことに黙す
かくしつついくたりの骨を拾ふならむわがひろはるる時ぞやすかれ

老いや死を見つめたこんな歌に、彼女の捷さ(つよさ)がにじみ出ていてすばらしいとおもうのだが・・・。



この写真、左から「正岡子規」ドナルド・キーン(新潮社)「評伝正岡子規」柴田宵曲(岩波文庫)「芭蕉の世界」尾形仂(講談社学術文庫)の3冊。
坪内さんの「正岡子規」(岩波新書)は読みおえたけれど、とてもおもしろかったので、本棚をひっくり返したら柴田さんの評伝、尾形さんの芭蕉論が出てきた。
いい機会だから、近世、近代における短詩系の文学を少し「お勉強」してみとうと、そんな機運になってきている(笑)。
俳諧・俳句関連本は4、50冊くらいしかもっていない。わたしは国文学の徒ではないから、あまり手をひろげるつもりはない。専門家のお叱りをうけるかもしれないが、いつも通り、わたし流儀のきままな読書。

一日の最高気温が10℃を超える日がやってくることを願いつつ(=_=)



※この記事を書いたあと、本書をめぐって、専門家(芭蕉研究者)のあいだで真贋論争があることがわかった。専門的な内容のため、わたしは立ち入らない(入れない)が、興味のある方は、こんなページを参照できる。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/07/blog-post_3396.html

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