虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ダメ出しではなく正しい方法を見せる

2015-05-18 16:24:03 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、

身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

あたり前のことを言っているようですが、

この当たり前の事実を大人が把握していないために、

子どもが何かするたびに、

きちんと「使い方」や「方法」を教えるのではなくて、

子どもの心に「罪悪感」を植えつけて、

先々の困った心の癖の原因を作ってしまう場合がよくあります。

例えば、子どもがはさみを使いだしたとたん、

「そんな持ち方はダメダメ。ゆがんでるって。」

「そこじゃないでしょ」「それは切らないの」「こっちはしないの?」

と、常に、ダメ出しのオンパレードになっているものの、

「正しいきちんとした切り方」

「どんなものは切っていいのかのルール」などを、

正確に子どもに見えるようにしめすことはほとんどしないという方が

多いのです。

「ダメ!」とダメ出ししようにも、

ダメのもとになる「正しさ」がしめされていないし、

子どもがそれをしっかり理解していないので、

子どもの心に残るのは、「ダメなことをする自分」という罪悪感でしか

ないのです。

4歳くらいの子の行動は、自由にさせる部分は自由にし、

「ダメ」という場面では、まず、「ちゃんと見てちょうだいね」

と言って、「正しい形」を見せることが大事です。

また失敗すれば、「ダメ」ではなくて、もう一度、「ちゃんと見てね」と

「正しい」ものを見せるのです。

子どもは何かを集中しているときに、ダメ出しすると、

「ダメ」という言葉の表すものの方向に気が取られて、

正しい方法が受け入れにくくなります。

すねてそんなふうになるのでなくて、同時にふたつのことに集中するのが

難しいのです。

 

相手がしぶりそうな内容に「うん」と言わせるのが上手なセールスマンは、

最初にその内容とは全然別件で、お互いの意見が一致する話から

話をはじめるのだそうです。

大人だって、そう簡単に気持ちが切り替わるわけじゃありませんから

いい気分で、「うん」と返事していた相手には、

少しどうかな~?という内容に話がおよんでも、

「OK]を出してしまいがちなのです。

子どもの場合、もっと単純です。

最初良ければすべて良し、出だしが悪ければ、何を言っても無駄と

なりがちです。子どもが言うことを聞かない癖がついている場合、

お母さんが無意識にいつも「ダメ出しから入って、優しい説得へ」

という逆の流れを作っているケースをよく見かけます。

危なっかしい方法で、えんぴつ削りを使っているとすれば、

「そんなまわし方はダメ、危ないでしょ。反対にまわしてる」といった

注意の仕方をするのでなくて、

「静かに見ていてちょうだいね。えんぴつを刺しているときに、

えんぴつけずりのお耳を引っ張って、前へいくようにこうして。

えんぴつは少し力を入れて中に入るようにね。

ここで、手をはさむから危ないの。ここに手を置くと痛いのよ。気をつけて。

それから、前から向こうへ、ピョーンと跳ぶようにハンドルをくるくる

まわしてね。そう~」ときちんと説明し、

正しい方法を集中して聞く姿勢を育てます。

ダメ出しではなく、「正しい方法」に集中させると、子どもの気持ちは

正しいことを身につけようとする意欲的な態度で、物に集中します。

繰り返しになりますが、最初の話に戻って、

4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、

身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

それで、きちんと教えていないのに「そんな持ち方は~」といった

ダメ出しから入ると、「学ぶ、教わる」といった気持ちに切り替わらせる

のが難しく、走り出した「ダメダメ言わないで~」という負の感情に

絡み取られているので、覚えがとても悪くなるのです。

ですから、ダメなことを教えるにしても、正しい方法から気持ちよく教えて、

本人が「私はこんなお姉さん(お兄さん)のお仕事もできる。

怖いことがおきないようにお母さんの話をちゃんと聞いておこう」と、

自分の有能感を刺激されて、

いつもよりお姉さんモード(お兄さんモード)になっているときに、

最後に注意点やどこがどうダメなのか、きちっと納得させておくと、

真剣な態度でうなずくのです。

といっても、この時期は手足がコントロールできないのですから、

頭でわかってもできなくて当たり前。

大人にしても、足の指で字を書けと言われたら、コツを教わったって、

きちんとはできませんよね。

子どもがやりたがることは、何度も気長に教えてくことが大事です。


3歳児さんたちのグループレッスン (ルールのあるゲームで遊ぶ)

2015-05-17 18:02:13 | 通常レッスン

3歳児さんたちのグループレッスンの様子です。

初めてお母さんと離れて子どもたちだけで教室で過ごしました。

 

お人形たちにおふとんをかけて寝かせています。

ハンカチを三角に折って、サンドイッチを作ったりおむつにしたりして遊びました。

 

お誕生日のケーキ作り。

ケーキの枠を作って、中にキラキラしたビー玉類を詰め込んで

蓋をしてろうそくを立てます。

お手本を見せると、Aちゃんは上手にケーキを作りました。

 

Bちゃんはケーキの代わりに

キラキラがいっぱい入っているお家(?)を作りました。

 

Cちゃんは大きなプールと水道を作っていました。

 

ブロックで簡単なゲームを作ってみんなで遊びました。

海外のボードゲームのルールの一部を真似して作っています。

 

<遊び方>

参加者はそれぞれ人形をスタート地点におきます。

順番にサイコロを投げて出た目の数だけ人形を進め、紙コップのルーレットを回します。

 

ルーレットは紙コップの上にビー球を乗せて、

曲がるストローを貼った紙コップを重ねて作ります。

 

ルーレットが黒ヒョウ(何でもOK)のコーナーで止まったら、

人形に魔法がかけられてゾウに変えられてしまいます。

ゾウに変えられた子は、次の番にサイコロを振らず、ルーレットだけ回します。

ルーレットを回して黒ヒョウのところに、とまらなかったら元の人形にもどれます。

もしもう一度黒ヒョウのところでとまったらゾウのまま次の番を待ちます。

人間の姿でゴールまで行って宝物を手にすることができたら勝ちです。

 

 

 


年長グループの算数の学習 と 工作

2015-05-16 19:52:58 | 通常レッスン

年長の女の子たちのグループレッスンの様子です。

ブロックでかけ算を学習中。かけ算を唱えながらブロックを増やしていきます。

途中、12個(3×4=12)になった時などに、

「12個あるお菓子を3人で分けたら何個ずつになるでしょう?」とか

「12割る4はいくつでしょう?」といった問題を出すと、

みんな嬉々として手をあげて答えます。

こうして目で見て確認できる形で学んでいると、

子どもは直観的に算数のルールがわかるようです。

ついでにくりあがりのある足し算も学びました。

 

「2×2を作ってね。」「3×3を作ってね。」という課題もきちんとできました。

 

 そうして作ったコマです。

 

レゴ デュプロごま

 

「100引く1がいくつかわからない」という子がいたので、

みんなで10のブロックの棒を10本作って考えてみることにしました。

こうして目で見ることができる100を作ってから

100-1や100ー2を学ぶと、すぐに答えられるようになりました。

 

Aちゃんがカメラとフィルムを持ってきてくれました。

フィルムを入れるところをみんなに見せてくれるそうです。

Aちゃんのママに手伝ってもらってフィルムをセット。

 

Aちゃんの弟くんは自慢のこんなカメラを持ってきてくれました。

 

Aちゃんにフィルムを入れるところを見せてもらったためか

工作でカメラを作りたがる子が何人かいました。

これはBちゃんのカメラ。写真を撮る際、

映像が画面に写るところをミラー風の紙を貼って作っていました。

 

 

シュレッダーバサミ(100円グッズです)。

 

このはさみを使って、お姫様の髪を作るCちゃん。

 

 人形劇の舞台とお姫様。


頭脳パズルをブロックで  

2015-05-14 17:24:42 | 初めてお越しの方

 ブロックで頭脳パズルを作ってみました。

お手本用と子どもが取り組むパズル用にそれぞれ4つのピースを作ります。

 

お手本 1

 

お手本2

 

お手本3

 

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ブロック同士を組み合わせて遊ぶパズルを作る時、

写真のようにできあがりの色を工夫しておくと、パズルを解くのも作るのも楽しいです。

 

 

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ブロックの3つのパーツで作るシンプルなパズル。

これを4ピース作るとさまざまな形を作って遊べます。

 

↑ 四角作り。

 

問題を色画用紙や色紙などで作るのも楽しいです。

 

 

道を作っていく遊びもできます。

 

 


『ピッケのつくるえほん』ですてきな絵本を作ってきてくれました

2015-05-14 14:01:22 | 初めてお越しの方

年長のAちゃんが『ピッケのつくるえほん』で、絵本を作ってきてくれました。

表紙のデザイン、みみちゃんのねぞうが悪いところ、積み木パーツの使い方など

とても工夫していてすばらしいですね。


みみちゃんが おにわに いちごをうえました。


つぎは おみずを いれました。


ぴっけと まーくんが

「なにをしているの?」とききました。

「いちごをうえているの」とみみちゃん。


つぎのあさです。

 

きょう いちごのようすを みにいったら

なんと たいへん だんごむしが 10ぴきいました。


ぴっけと まあくんを よんで……

だんごむし おいはらいさくせん スタート!


あわてないあわてない!


がんばれ!


もうちょっと!


やっとおわりました!


それではみんなそろって いちごぱーてぃ!


「待って!答えを見せないで!」と「先に答えを見ればいいじゃん」の境目

2015-05-14 13:21:27 | 日々思うこと 雑感

ニューマスターマインドで遊びました♪ 『対戦型の推理ゲーム』です。

小2と小3の男の子たちが夢中で遊んでいました。

 

 

以前、名前をたずねていただいていたゲームです。

『マスマジシャン』(わくわくゲームで算数博士)/Curio Kids

 

教室の小学生の子らが、時折、他の塾の公開テストを受けにいくことがあります。

虹色教室は取りあえず算数をメインに教えている教室なので、

公開テストで「算数の点数が抜群に良かった!」と聞くと、

日頃から数や図形に親しんできた効果がしっかりでているな~とうれしく感じます。

その一方で、ちょっと注意していることもあります。

 

算数の世界にたくさん触れていれば、テストの点数は自然に良くなるものです。

でも、そうした成績や公開テストの順位こそほとんど同じでも、

「この子は安心」「この子はまだ心配」という境目があるのです。

 

それはどういったものかというと、

解いたことがない問題を解くときに、「お願い、待って~!先生!答えを見せないで!

ちょっと待って、最後まで解かせて!」と懇願するか否か……。

 

答えを見る前にまず自分で解いてみたい、という

解くこと自体、考えること自体に強い喜びを感じるようになる前に、

テストの点という評価にさらしたり、他の子との成績競争に駆り立てると、

自分で考えるよりも、

「公式を丸暗記して、解き方のパターンを覚えてしまった方がはやい」と、

成績を上げるために効率的に合理的に学ぶことばかりに走りがちになるのです。

 

でも、いったん、そうした癖がつくと、その後で自分で筋道を立てて解いたり、

試行錯誤しながら、絵図や線分を描いて解いてみることは非常に難しくなるのです。

 

ですから、教室の子らの学習を見るときは、

「待って!答えを見せないで!」「もっと解かせて!」と

自力で解くことに対する強い意欲が見えてくるまで、

たとえ成績だけは申し分ない良い点が取れているとしても、

子どもの学習を、慎重にていねいにサポートするように気をつけています。

今のテストの点数の上がり下がりにばかり気を取られていると、

先の伸び悩みの原因を作ってしまうこともあるからです。

 

得に小学校高学年の時期は思考力が急速に伸びる時期なので、

注意が必要だと感じています。

 

その時期に、テストのために、パターンで解き方を暗記しては

記憶にばかり頼って答えを書きこむ習慣を続けていると、

思考力や抽象的に問題を考えていく力がきちんと発達しないように見えるからです。

 

高学年の時期に十分に思考する力を伸ばすために、

「待って!答えを見せないで!」と頼みこむような強い知的な好奇心が育っているか、

「先に答えを見ればいいじゃん」と効率重視で勉強に取り組むようになっているか、

の境目をきちんと見極めておくことが大切だと思っています。

 

 


2歳児さんと「まてまてゲーム」

2015-05-13 13:19:05 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児さんたちと楽しめる簡単なゲームの作り方を

紹介します。

 

<材料>

赤、青、黄色、緑のブロック各2つずつ。輪ゴム。紙コップ。

サイコロの形をしたものと色をつける道具。チーズに見立てるグッズ(黄色いブロックで可)

 

<作り方>

輪ゴムを切ってブロックではさみます。

サイコロの面に赤、青、黄色、緑の色をつけます。

残りの2面にはチーズの絵を描いておきます。

 

<遊び方>

大人は紙コップを持って捕まえる役をします。

子どもはサイコロを振って、赤が出たら、赤いねずみのしっぽを持って、

逃げます。紙コップで追いかけます。

捕まらずに逃げることができたら

ねずみは子どものものになります。

チーズの面が出て、チーズをゲットできたらねずみにエサを与えます。


数の規則を見つけるのは面白い (補足)

2015-05-13 13:06:57 | 算数

数の規則を見つけるのは面白い  1

の規則性の問題には、前回紹介した方法よりもっと簡単に解ける

裏技のようなものがあります。

 

上の写真のように、

右から1番目に1つ、2番目に4つ、3番目に9つ、4番目に16こ

というようにブロックを並べていきます。


①10番目の一番下の段にはブロックがいくつならぶでしょう?

②10番目のブロックはぜんぶで何こならぶでしょう?

 

 

といった問題を、とそれぞれふたつの階段に分けてみるところまでは

同じです。

次にその一方をひっくり返してパズルのように合わせてみると……?

 

4番目のブロックの数はぜんぶで4×4で16個。

 

 

5番目は5×5で25個。

10番目は10×10で100個です。

 

 


カラフル輪ゴムで簡単教具

2015-05-12 20:50:28 | レゴ デュプロ ブロック

 

100円ショップでカラフルな輪ゴムを売っていたので、

教具として遊ぶ方法を考えてみました。

 

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中をくりぬいた形の体積の求め方で、つまづいていた子がいたので

ブロックを使って考えることにしました。

 

ひとつのブロックを直方体と考えて角辺をこの長さとします。

 

 

穴の中を埋める部分の体積は?

 

規則性の問題にもチャレンジ。

 

小学生の子たちが作った作品。

 

ハムスター戦車。

 

 

これはわたしが作った回転ドア(?)