虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

言葉が遅い、目が合わない……成長に気がかりなところのある子のレッスン 3

2012-01-25 13:46:46 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

言葉を引き出すための工夫というのは、

 子どもの性質や発達の様子によって

それぞれ異なるものだと思っています。

まず子どもの姿をよく観察することが大事です。

 

★くんの場合、「言葉の語尾だけ発音する」という単語がいくつかありました。

 

★くんとお母さんのやりとりを観察していて、

 

「★くんのお母さんの声の最初の音が聞き取りにくいこと」

 

「何か始める時や要求をする時にいったん集中する、という経験がないこと」

 

「会話に発展しそうな非言語の世界のやりとりに言葉を乗せていくのではなく、

言葉をシャワーのようにかけていることが多いこと。

また、英語のビデオのように会話に発展しにくい言葉をたくさん耳にしていること」

 

の3つを改めると、もう少し言葉が出てくるように感じました。

 

「★くんのお母さんの声の最初の音が聞き取りにくい」というのは、

次のようなことです。

 

★くんのお母さんは★くんをそれはかわいがっていて、

★くんが何かするたびにたくさん声をかけています。

★くんはそうしたお母さんの言葉のほとんどを

かけっぱなしのテレビから流れていく音くらいに捉えているようで、

ごくたまに、自分の興味とお母さんの言葉が合致する以外は聞こえていないように見えます。

 

★くんのお母さんが、ブロックや造形遊びや体操など

さまざまな遊びの体験の機会を作ってあげているからか、

★くんはさまざまな物に触れてみよう、動かしてみよう、という

豊かな好奇心を持っています。

ですから、本来なら、「あれがしたい」「あれがほしい」「あれに触りたい」という意志が見られた時に、

耳で聞くことに集中させて、

「ドールハウスで遊びたいの?」「○○と○○では、どっちがいいの?」「ひとつ?ふたつ?」とたずねて

話し始めの音をきちんと聞き取る練習をするチャンスがたくさんあるのです。

 

また、「かして!」「ちょうだい!」「取ってください」「使ってもいい?」といった

要求の言葉を相手の目を見て使うチャンスでもあります。

 

でも★くんは、「あれに触ってみたい」という気持ちが起こると、

衝動が抑えられない様子で、

ほんの一瞬、相手の目を見ることも、相手の言葉に耳を傾けることもできない状態になって

いったんおもちゃを取り上げて、こちらの目や声に注意を向けさせようとすると、

もがくように暴れておもちゃを引っぱるか、傷ついて部屋を出ていこうとします。

 

次回に続きます。

 

 

 


言葉が遅い、目が合わない……成長に気がかりなところのある子のレッスン 2

2012-01-24 18:30:20 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 

★くんの言葉は、今、一語文で、「あんぱんまん」の「まん」の部分を言うなど

言葉の語尾を中心に覚えています。

英語のビデオが好きなのだそうで、色の名前などは英語でなら

はっきり言うことができるようです。

 

気になるのは、会話のもとになるような表情や身ぶりで交わされる

情緒的なやりとりがほとんど見られないことです。

呼びかけへの反応は、お家では多少はあるようですが、

外ではまるで耳が聞こえていないかのように振舞うことが多くて

他人に対する無関心さが目立ちます。

 

 ★くんのお母さんは子ども好きの優しい方で、★くんが何かするたびに

たくさん話しかけています。

外から見ると、そうしたお母さんの声かけを無視しているように見えるものの

言われていることのいくつかは理解しているようで

その言葉に反応して何かしたり、返事をすることもあります。

 

でもコミュニケーションをする能力が

全体にぎこちなくて弱弱しく、何かが欲しい時も

それを表情やジェスチャーや言葉で訴えようとはしません。

 

次々と目移りして新しいおもちゃを引っぱりだそうとするので、

欲しがるおもちゃを取り上げて、「かして!」「ちょうだい」という気持ちの表現を引き出そうとするものの

難しいようでした。

 

何かが欲しい時に、「かして」「○○、ちょうだい」と言葉で言えなくても、

大人に向かって手を突き出す動作をするなり

表情で訴えるなりするのなら

それほど心配はいらないけれど、

人と人の間にそうしたやりとりが存在すること自体に疎いように見える

★ちゃんの姿を見て、

言葉を引き出すための工夫をいろいろ凝らしていく必要を感じました。

 

言葉を引き出す工夫については、次回に書かせていただきますね。

 

 

 


言葉が遅い、目が合わない……成長に気がかりなところのある子のレッスン 1

2012-01-24 14:12:14 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

2歳半の★くんは、目を合わせようとすると視線を逸らせたり、

言葉の遅れがあったり、コミュニケーションがぎこちなかったりするなど、

発達にいくつかの気がかりなところのある子です。

★くんのお母さんは、★くんに自閉傾向があるのではないかと感じながらも、

3歳を過ぎるあたりまで専門機関にかかるのを待つ心づもりだそうです。

そう判断した理由には、同じような特徴を持っている子を育てている知人が、

2歳代で子どもをいくつかの病院に連れて行ったところ、「この子は一生、他人とうまく関われるようにならない」

「この子はずっと同年代の子らができることを、できるようにはならない」といったひどい言葉を浴びせられて

すっかりへこんでしまった……という話を聞いたからなのだそうです。

確かにそうした極端な決め付けをする病院や療育施設があることを

これまでも何度か耳にしたことはあるのですが、

それほど多くはないはずです。

良心的な対応をしてくれる病院についての情報があれば

早めにかかりたいという気持ちも持っておられるので、

配慮の足りない専門機関があるのは残念なことだと思っています。

 

虹色教室では、★くんの遊び方やコミュニケーションの取り方をより豊かなものにし、

言葉の発達をうながすためのコツを

学んでいただくことにしました。

(記録もかねて記事にさせていただく許可をいただきました)

 

次回に続きます。

 

 

 


シアトルの幼稚園  科学と工作

2012-01-23 13:57:45 | 工作 ワークショップ

シアトルで、数日間 お世話になっていた幼稚園の年長さんクラスの活動の様子です。

幼稚園のオーナーさんは

長い間、科学者としてお仕事をされていた方です。

年長さんたちのクラス名は珍しい星の名前で、園での活動は科学をテーマにしています。

子どもたちは、1ヶ月ごとに『恐竜』『先住民の暮らし』『宇宙』『火山』などの

テーマにそって

工作をしたり、実験をしたりして過ごしています。

 

化石、骨

↑トーテンポール

 

 

↑恐竜の骨

↑恐竜の家族

↑火山

↑恐竜の足と自分の足

 


星座作り と 『ぴぐまりおん』の文章題 

2012-01-22 17:50:25 | 理科 科学クラブ

 

 

年中さんの★ちゃんと年長さんの○ちゃんのレッスンで。

工作で星座のシートを作った後で、プラネタリウム遊びをしました。

 

 

↑  『ぴぐまりおん』の文章題の遊園地に問題を

室内で再現しました。チケット制作中。

観覧車に乗るにはチケット3枚、ジェットコースターに乗るにはチケット6枚、

コーヒーカップに乗るにはチケット2枚など、それぞれの乗り物に乗るのに

必要なチケットが異なります。

ひとり、12枚までチケットを持つことができます。

 

ジェットコースターに1回乗った後で、

コーヒーカップに何回か乗って12枚のチケットを使いきるとすると、

コーヒーカップには何回乗ったことになるか、

といった問題です。

★ちゃんも●ちゃんも

よく意味を理解してさまざまなタイプの問いに

答えることができていました。

↑回転するコーヒーカップは★ちゃんのアイデアで

教室の椅子で表現しました。

 

 

 


広汎性発達障がいの子と数の概念  『100かいだてのいえ 』

2012-01-21 19:33:29 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

広汎性発達障がいの子の算数を見ていると、

暗記による計算力はかなりあるのに

基本的な数の概念が抜け落ちていることがあって驚くことがあります。

 

3ケタの四則計算ができるにも関わらず

「80の1つ前は何?」

「61は、60に近い?70に近い?」といった問題でつまずくことが

多々あるのです。

「それでもテストで出される問題が解けているからいいのでは?」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。

でも、基礎的な概念をつかまないまま

どんどん学習を進めていくと、

ある時、雪崩を起こすようにそれまでできていたことが

次々できなくなるような事態を招いてしまうことがあるのです。

 

ですから、学校で習っている内容とは別に、

抜け落ちている数の概念は、身体でわかるまで

繰り返し確認しておくことが大事だと思っています。

 

注意が必要なのは、ハンディーキャップがない子でも、

幼い2、3歳という年齢から、

現実の世界で数についてしっかり理解していく前に

プリントなどで数字だけを操作して計算をしてきた子に

同じような問題が見られることがあることです。

「せっかく数学年先まで計算プリントを進めていたのに、

いざ学校で習う時には忘れてしまっていて、1から習いなおしだったから

無駄だった」といった話を人づてに聞くことがあるのです。

 

数の基礎的な概念を確認するのに役立つのが、

 『100かいだてのいえ 』 (岩井俊雄 )という絵本です。

 

絵本を見ながら、「32+2はいくつ?」「67は60の床の方に近いかな?

70の天井の方に近いのかな?」といった質問をしながら、

増えていく、減っていく、数の流れ、といったものを

ひとつひとつ確認していくことができます。

かわいらしい絵のおかげで、子どもたちが意欲的に

学習に取り組みますよ。


計算速度が遅いです♪

2012-01-21 17:51:41 | 算数

 

「引き算について、できるにはできるけれど、すばやく時間内に

やり終えることができません」という相談をいただきました。そこで、

即答できるか、考えてから答えているかを調べる

チェックリストを子どもと作りました。

 

チャックリストの裏は、「8-○」の裏でしたら「18-○」で

作っています。

それから、問題を口頭で出してみて、

すぐに答えが言えたら星4つ、

少し時間がかかったら星1つ、解答するまでの速度で

星を書き込んでいきます。

ミスしたらバツです。

 

計算速度が遅い理由は、うろ覚えの計算式(よくあるのが7-3、7-4など)

があるのに、それだけ取り出してしっかり練習する機会がないからである場合が

よくあります。

プリントで学習すると、間違ってはいない場合、どの計算が怪しくて、

どの計算は完璧に覚えているのか身分けにくいのです。

チェックリストでどの計算もすばやく即答できるようになってから、

プリントで計算するようにすると、

子どもの負担はずいぶん軽くなるはずです。

 

(口では即答できるけれど、えんぴつで書いて解く時に

速度が遅くなるときは、特に書くのに手間取っている数字がないか

調べます。

苦手な数字だけ、すばやく書けるように練習して、

「9と5」なら9と5だけを2つ書いてストップウォッチで測り、

そうした少ない内容で確実に速度がアップしていくことを実感させると、

計算量が多くなっても意欲的に取り組めるようになってくるかもしれません。)

 

 

 


甘え足りない? 幼い時に優れていることを求められること 4

2012-01-20 12:41:36 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

虹色教室のベビークラスのレッスンでは、

聞きわけがよかったり、いい子過ぎたり、発達がよかったりする子を

育てている親御さんには、特に次のような点でよく話合いの時間を設けています。

 

「子どもが年齢相応にしっかり甘えることができているか」

 

「反抗やわがままが表現できているか、

ネガティブな感情や弱い一面を親御さんの前で出せていて、

受容してもらったり、支えてもらったりしているか」

 

どうしてわざわざしっかりしているからという理由で

注意するのかというと、こんな理由があるのです。

 

困ったちゃんタイプの子は親の思い通りになりませんから、

それに振り回されるうちに、

親御さんは自己流の育て方を反省したり、視野や考え方の幅を広げたり、

年齢相応の子どもが何を必要としているのか理解するようになることが

多々あります。

 

でも、おりこうタイプの子を育てていると、、

うまく育てているという自負から自分に甘くなりがちで、

「もっと、もっと」と子どもに月齢以上のものを求めていても気づかないことがあるのです。

 

たとえば、2歳、3歳の子でしたら、

たいした理由もないのに周囲に当たり散らしたり、わぁわぁ泣きわめいたりしたあげく、

(おそらく泣くことで発散できる身体の要望があるのでしょうが)

しまいに親御さんにだっこされてあやされて、自分の全てを親御さんにゆだねてほっとして

機嫌を戻していく……というプロセスを繰り返しながら、

世界や大人や自分に対する強い信頼感が育ってきて、

いきいきと主体的に活動するようになってきます。

 

でも、おりこうタイプの子は大人の説得に言葉で納得してしまうので、

自分の身体や心が必要としていることや

求めていることを抑え込んでしまいがちなのです。

また敏感に大人の期待を察して、大人を喜ばせるように動いて、

自分の感情を無視する子もいます。

 

「うちの子は我慢する方ではなく、ママ、だっこして、ママだっこして、と四六時中

言っているから、そういう心配は不要」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、一見、子どもが自分の要望をしつこいくらい表現しているように見えるし、

親御さんも

それをしょっちゅう満たしているように見えるのに、

子どものなかに甘え足りない気持ちが溜まっていて、自分の感情を抑え込んでいる

ように感じるときがよくあるのです。

 

どんな時かというと、子どもが聞きわけもよく

お片付けを手伝ったり、大人の指示通りに動いたりしている間、それがその子の月齢より

しっかりしている姿でも親御さんには「普通」のことと感じられていて、

途中で「ママ、して!ママ、だっこ!ママ!」と言い始めると、

「え~自分でしたら?」「また、だっこ?」とちょっとしぶるような表情で

子どもを抱きしめるような場合です。

 

確かにだっこしてもらいたがる回数が多い場合、親御さんがしぶしぶ抱き上げる気持ちもよくわかるのです。

でも、子どもがそこまでしつこく「だっこ」をせがむ理由は、

だっこしてくれる親御さんが少しもうれしそうでなく、

いやいや自分を抱きしめる癖があるので、

何度だっこしてもらっても甘え足りなさが残っている点にもあるのです。

だっこしてもらいたがったら、シンプルに子どもの愛らしさを感じとるようにすれば、

子どもは自然に離れていくものです。

 

がんばったらがんばったで、できたらできたで、それが「普通」という基準になってしまうことは、

子どもには苦しいものです。

何でもバランスが肝心ですから、

子どもが月齢以上にしっかりしていたら、

その分、大目に見てあげたり、

積極的に赤ちゃん返りをさせてあげたりすることが大事なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 


甘え足りない? 幼い時に優れていることを求められること 3

2012-01-19 22:50:40 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

「甘えが足りない」という状況は

親御さんが子どもを心から愛していても起こるし、たっぷり抱っこしていても起こるし、

いつも優しく接していても起こるな~と感じています。

 

次のような場合は、子どもの側が求めていなくても、

「甘え不足」にならないように注意する必要があると思っています。

また子どもに過剰な期待をかけることは、ありのままのその子を否定することにも

なっていることに気づくことが大切です。

 

子どもが情緒面で過敏な子で、

大人の期待を先取りしやすい場合。

自分の要求をのみ込んでしまいがちな

内気な子の場合。恥ずかしがり屋。

同じ月齢の子らより発達がよかったり、聞き分けがよかったりする場合。

弟や妹が生まれた後で、お兄ちゃんお姉ちゃんの役割をきちんとこなしたりしていたり、

きょうだいにハンディーキャップのある子がいて、

心の面でも行動の面でも親を助けて、なおかつ何でもよくできる子である場合。

親御さんが学習に対するコンプレックスを持っていて、

子どもに過剰に「できること」を期待している場合。

親御さんが子どものミスやネガティブな行動にいちいち過剰に反応していしまう場合。

 

(「過剰な期待をかける」ということは、2歳の子にお友だちと仲良く遊ぶことを望んだり、

3歳の子に習い事で意欲的に参加する姿を望んだり、4歳の子に下の子にいつも優しくて、

親が忙しい時には下の子のめんどうを見てくれることを望んだりすることです。

また幼児に対して、教えたことや習わせたことを、飽きずに練習し、しっかりできるようになる

ことを望むことです。上手に絵を描いたり、上手に文字を書いたり、上手に楽器を演奏したり、

ていねいに物事をしたりすることを、その子の気質を十分理解したり、

自然にその子がやりたくなったり、できるようになるのを待たずに

望むことです。)

 

「どうして甘えが足りなくなることと、

子どもがおりこうだったり、親がいろんなことができるように期待したりすることと

関係があるの?」

と疑問に感じるかもしれませんね。

 

そのことについては次回にもう少しくわしく説明しますね。

 

 


2、3歳児のための理科実験

2012-01-19 13:29:51 | 理科 科学クラブ

今日は2歳5カ月の★くんと☆くんのレッスンでした。

記憶力が良くて慎重で

じっくり考えてから物を言う★くん。

知識をコレクションするように学びます。

 

実験好きで原因や理由について

考えてみるのが好きな☆くん。

大きい石と小さな石を水に入れた時、大きい石の方が

水がはねるのを不思議がったり、さまざまなものをこすると

いろんな音が出せることの興味しんしんです。

 

今回は水をスポイドで吸い上げて

超撥水加工をほどこしてあるおもちゃに入れて

大喜びで遊びました。

お家でも同様の遊びが楽しめるように

紙にクレパスで色を塗って

水の玉がきれいにできる道具を作りました。

 

2、3歳の子は物の性質がわかる素朴な実験を喜びます。

うちわで紙をあおぐだけでも、水を凍らしてみるだけでも、

野の草をつぶしてみるだけでも、好奇心を刺激してくれる

楽しい実験になります。

 

帰りに雨が降っていたので、ちょっとぐずぐず言いだした☆くんに

小さな紙コップを渡して、「雨をつかまえてね」と言うと、

ニコニコ笑顔になって帰っていきました。

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<2、3歳児と科学に親しむ方法>

2、3歳の子というのは、
身の回りの世界を素のまま……というか、そのまま、あるがままで感動したり、不思議に感じたりできるときです。


お外に出る時、
「太陽さん、いるかな? どこにいるかな? ポチのお家にいるのかな?
道路にいるかな? お空かな?」と子どもにたずねながら、
 「あっ、いたー!」と空を指さすと、
「太陽さんのお家は空にあるの?」と、太陽が空にあるのにはじめて気づいたような表情で
問い返してきたりします。

昼にお散歩に行くときに、「今は昼かな? 夜かな? どっちかな? 見に行こうか?」とたずねると、
真剣な表情で、こっくりするのも、この年代の子たち。

とにかくまじめに真剣に世界を眺めています。

「影が追いかけてくるよ。逃げよう。逃げよう」と、影を指さしながら逃げると、
ゲラゲラ笑いだすはずです。
「誰が地面を黒く塗ったの?」とたずねると、影を触りながら、
一生懸命考えます。

何でも、かんでも、どんなものにも、
興味しんしんに吸い寄せられるように接する時期なんです。

↑ 博物館ごっこ<幼い子たちのための科学実験例>幼い子たちと理科の実験をするとき、
手品のような
すごい科学実験より
ごくごく素朴で当たり前で、
大人にとってはそんなの実験と言えるの?
というくらいのものの方が、
物の科学的な性質がわかって喜ぶことがよくあります。

写真は氷と湯(お風呂の温度くらい)を使った実験です。
氷と湯(お風呂の温度くらい)が入った容器と
水に浸けられるおもちゃを用意します。

それだけ……です。

お湯につけた指を氷につけて感じる変化を楽しんだり、
お湯の中に氷を入れて、溶ける様子を観察したり
子どもはさまざまな実験をしてみるはずです。

「お湯だと氷がすぐ小さくなるね。水だとどうなるの?」
とたずねられたら、水の入った容器も用意してあげるといいですね。
氷に塩をかけたらもっと冷たくなるのは本当か試してみるのもいいです。

氷が溶けるのにどれくらい時間がかかるか調べてみると、
そんな単純な実験もその日の気温や氷のサイズや
氷の凍り具合などで異なることがわかるでしょう。

氷で遊んだ後は、
プリンの容器などに花びらや葉っぱと水を入れて
氷を作る実験も楽しいです。

氷が溶けること
水が凍ること

そんな小さなことでも、子どもは不思議で満たされるものです。