今日は、夏休みの日帰りの科学クラブの初日。
台風の心配から別の日に移っていただいた方があったため、
3歳の★くん、4歳の☆くんの
ふたりだけのレッスンでした。
このふたり、赤ちゃんの時期を終えて、
そろそろ、我慢するところはきちんと我慢したり、
大人の指示を最後まで聞いて、ていねいに取り組んだり、
目的を定めて、じっくり物事に関わることをしつけていく
大事な時期に差しかかっていました。
(この時期に、きちんと対応しておかないと、
小学生になっても、なかなか衝動性を自分でコントロールできない子がいます)
マジックボールという水を吸い込んで大きくなっていく粒を使って、
ピタゴラスイッチのような遊びをしたり、
レンズとして使用したり、
酢と重曹を使う実験で使用したりして、
楽しみました。
途中で、☆くんが10円をばねではじいて転がしていく
おもちゃで遊びたがりました。
そこで、「それには、本物の10円玉が必要よ。もし、遊ぶんだったら、
机の上に散らばったマジックボールを、この容器の中に集めてね」と言うと、
☆くんは、めんどくさそうに2、3個集めて、
また遊び始めました。
「☆くん。10円玉はいるの?それで遊びたいの?」というと、
大きくコックリします。
「なら、その玉で遊ばずに、容器に入れてちょうだい」と言うと、
ふたたび、2、3個集めて、手をとめてしまいました。
見ると、ニコニコしながら、私がマジックボールを片付けてくれるか、
先に10円玉を出してくれるかするのを待っている様子です。
☆くんは、穏やかで優しくて茶目っ気があって甘え上手な性質の
上にお姉ちゃんがいるふたり目ちゃん。
★くんも呼んで何とかふたりでテーブルの上を片付けさせてから、
10円を渡すと、
熱心にばねをはじいていました。
「10円をポンッてはじいているのと、
同じ仕掛けを作ってみる?」とたずねると、
☆くんはまだ10円をはじくのに夢中でしたが、
★くんが工作をしたがりました。
そこで、ペットボトルのふたをアイスの棒に貼って、
はじく道具を作りました。
工作には興味がないという様子だった☆くんですが、
★くんが、作ったはじく道具でマジックボールを飛ばして遊び出すと、
「ぼくもやりたい!」と言って、作り始めました。
「ついでに、回転しながら円盤が飛んでいく道具を作ろうか?」とたずねると、
またしても★くんが、「やるやる!」と乗り気で、
☆くんは、さっき作った道具で玉を飛ばすのに夢中でした。
アイスの棒(100円ショップに売っています。わりばしでも作れますが、危険なので遊ぶときに
注意してください)に輪ゴムを貼って、
紙皿に切り込みを入れるとできあがり。
またしても、★くんが遊ぶのをみて、自分もそれが欲しくて
たまらなくなった☆くん。
★くんに作り方を教わりながら、
円盤を作りました。
☆くんは、最初、切り込みを半円を描くように丸く切りました。
それだとゴムが引っかからないのですが、
間違いとして正しい方法を教えるのでなくて、
「こういう切り方だとどんな風に飛ぶのかな?」と言いつつ、ゴムを引っ掛けて見せて、
「あっ引っかからない。すべっちゃう、どうすればいいかな?」とたずねて、
「もうひとつ、★くんと同じ三角に切ったところも作っておこう」と誘いました。
このように子どもが自分でできるレベルの工作は、
子どもから比べる力や分析する力、予測する力を
引き出します。
自分で作った飛ばす道具で、円盤を飛ばし始めた時、
それまで自分から積極的に何かし始めたり、
じっくり取り組む姿が見られなかった☆くんが、
何度失敗しても、ゴムを円盤にかけなおして、
「右手で棒を立てて持って、左手でゴムを円盤に引っ掛けて引っぱるの」という説明を真剣に聞いて、
何度も何度もチャレンジして、紙コップのおばけに当てて喜んでいました。
その後は、いろいろな科学の道具に触れて、
いろいろ試してみたり、
感じたことを言うときにも、
熱心で、ていねいな態度でじっくり遊んで、強い知的な好奇心を示して、いろいろな質問をするようになりました。
その時、☆くんの心に響いているのは、
感覚が優れている子特有の、
五感から入ってくる繊細な情報の違いをいつまでも楽しんでいて、
それを言葉で表現しようとしたり、
「それなら、これだったら、どうかな?」「こうだったらどうかな?」
と試していく行為でした。
おそらく外向的感覚の思考寄りの子ではないかと思われました。
☆くんが、道具で遊ぶときに、より上手に扱えるようになるために、きちんとお手本通りしようとし、
できるようになるまで、繰り返し練習する姿からも、
感覚が優れている子だろうと思いました。
一方で、3歳の★くんは、外向的感情の直観寄りの子ではないかと思いました。
★くんは何をするときも、一番関心があるのは、
他人の感情でした。
遊ぶときも、実験するときも、興味があるのは、遊びや実験そのものではなく、
それを介して、いかにお友だちや私の関心を引き付けることができるかです。
それぞれが静かに自分の活動をするような時間には
わざとちょっかいをしかけて、笑いながら相手の様子をうかがっています。
外で追いかけっこをしたり、川遊びをしたりするような、
人と触れ合いながら、全身を使って遊ぶことが好きなタイプなのでしょう。
でも、工作にしても実験にしても、知的好奇心を抱いていろいろなものに関わることにしても、
★くんに合わせたアプローチをすることで
楽しめてはいました。
次回に続きます。