虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子の急成長

2015-06-16 18:13:54 | 初めてお越しの方

年長の自閉っ子のAちゃん。

少し前に『ピッケのつくるえほん』というアイパッドのアプリを使って

絵本作りをはじめたものの、

画面に絵を置く先からどんどん消していったり、

ピッケを椅子に座らせたりすることだけにこだわっていました。

その間も、Aちゃんがさまざまなストーリー展開に親めるよう

お手本を見せたり、新しい操作を覚えるための遊びを取り入れたりしていたのですが、

毎度毎度、Aちゃんは自分のこだわりに固執していました。

 

が、突然、大量の絵本を作りだしました。

いっしょにレッスンしている小1の自閉っ子のBくんも

同じような経緯を経て、大量の絵本を作るようになっています。

 

自閉っ子たちのアウトプットは、

長い間、ゼロだった状態から突然、百に……というほど

急激に変化するので、いつも驚かされます。

 

「ききゅうのゆは、小さいゆ?ゆうたくんのゆは大きいゆ?」

といった質問をしながら、上手に文字を打ち込むAちゃん。

 

機械の操作手順への理解が早いAちゃんは、リスを気球に乗せる絵を作るために、

「気球の絵を画面に出して+ボタンで大きくする → 

リスを出して、気球のサイズにあわせて乗せる →

気球をもうひとつ画面に出して、それをカゴだけの部分に変換し、

すでに作っているリスと気球の絵に重ねて、

気球、リス、かごの重なりが正しくなるように調節する」という複雑な作業や、

「くまに風船を持たせる→重ね順を変えるカギのアイコンを押して、

重ね順を変える→、最後にカギをかけておく」といった作業を使いこなすように

なりました。文字も自分一人で自在に打ち込みます。

 

Aちゃんは、いつも同じ話を再現したがるという強いこだわりがあります。

こちらが新しい展開に誘おうとしても、いつも自分の中にあるストーリーを

一字一句変わらぬ形で繰り返したがるのです。

が、今回のレッスンでは、りすを気球に乗せたAちゃんに、

「りすくん。待ってよ。ひとりで気球に乗って出かけちゃうの?さみしいなぁ」と

声をかけると、Aちゃんはわたしの声に応えるように、たくさんの風船とくまを

画面におきました。

 

文字を打って絵本を作るBくん。

 

Bくんといっしょに合体ロボを作って遊んでいるところです。