虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

改良!改良!改良の末、完成した『宝石(金塊?)落とし』のゲーム機

2014-11-29 19:53:19 | レゴ デュプロ ブロック

小3のAくんは、新しい何かに手をつけるまでに

とても時間がかかるタイプです。

それに出会ってから2年も3年も経った後で新しい何かに関心を持つことも

度々……。

その一方で、一度、興味を持って取り組みだすと

何度も何度も繰り返しチャレンジし続ける根気と熱意の持ち主でもあります。

 

今回、Aくんの電子工作の相手を息子に少し頼んでいました。

アルデュイーノに初めて触れたAくん。

(わたしにはよくわからないので教わったまま書くと……)

アルデュイーノとは、初心者でも簡単に扱えるマイコンボード

とそれに書き込めるプログラムを作成できる開発ソフトのことです。

点滅するライトや会話する人形や動くロボットなどが

作れるそう。

 一通りやってみて、「ふーん、そう。」と、相変わらず新しい活動には

あっさりした反応のAくん。

 

 

その後、遊び慣れたデュプロブロックを使って何やら作り始めました。

ブロックで作った長い棒を左右に動かすと

金貨が下に落ちていく仕掛けが作りたかった模様。

 

ところが、左右に動かす棒に取り付けたブロックで

押すだけでは思うように金貨が落ちてくれません。

どうすればいいのか考え込んでいました。

 

こうした動く仕掛けに興味を持つのは

Aくんにするとすごく珍しいことです。

これまで何度もそうした働きかけをしてきたけれど、ブロックで作るのは

もっぱら電車の博物館や水族館などの建造物ばかりでした。

いつも見た目や形にこだわって美しく仕上げることがAくんの関心事でした。

が、今回、アルデュイーノに触れたり

ネットの動画でレゴで作ったピタゴラ装置やピンボールゲーム機を見て

刺激を受けたりしたためか、

「宝を落とすゲームが作りたい!」と強く感じたようでした。

 

そこで、Aくんといっしょに物を動かすためにどんな力が使えるか

考えてみることにしました。

ゴムの力、磁石の力、手で押す力、ひもで引く力、傾いている面を転がる力、

空気の力、水の力、モーターの力、ばねの力、回転させることで起こる力、重さを利用するなど

いろいろ考えられます。

Aくんはひもを引っ張るとピョコンと中に入れたものが飛び出す仕掛けを

横向きに使うことにしました。

 

が、引っ張りだすもののサイズが大きすぎて

ひもでは思うように動きませんでした。

そこでシンプルに押し出して落とすことにしました。

 

押し出すことには成功したものの、

デュプロの接続する力が弱くて

押す面のブロックがはずれてしまいました。

 

そこで補強のブロックをつけて金貨をたくさん押せるように

押す面を横に広げました。

↑の写真のようなカーブをつけた階段状の形は、

宝を下に落としていくための

Aくんの画期的な問題解決策。

 

 

最初のうちは、金塊を一段だけ下に落とすだけで

精一杯だったのです。

車に宝を押す羽根をつけて

押された車が転がり下りる際に

宝が下に落ちるようにしていたのですが、それだと

一段だけ宝を落とすので精一杯でした。

 

最後に完成したのが、この記事の最初の写真です。

一回だけ押す力で

宝を一番下の囲いまで落として遊ぶことができます。

これだけの作品をこれまで動く仕組みにほとんど興味がなかったAくんが

すべてひとりで完成させたことのにはびっくりしました。

Aくんの中に新しい興味のスイッチが押されたのを感じました。

 

ペットボトルとシャボン玉膜の中に小さな雲の粒をつくる実験もしました。

今日、とても面白かったので、お休みだった算数クラブの男の子たちは、次回、やってみてね。