虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自分なりの審美眼 (前回の記事の補足です) 3

2014-03-27 18:39:37 | 算数

 

1週間ほど前にいただいたコメントの中で、

『物理と対称性 クォークから進化まで(坂東昌子著)』という本を知り、

早速購入して読んでみました。読みやすくてとても面白かったです。

 

第一章のタイトルは「現代物理の審美眼」。

 

ちょうど記事で、東大パパさんのブログから借りてきた審美眼という言葉を

使っているところだったので、妙にこのタイトルに引き付けられました。

わたし同様、「現代物理の審美眼って?」と興味をそそられた方のために、

一部を紹介させていただきますね。

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推理小説の場合でも、一見何の脈絡もなく起こる事件の中に存在する共通の意図や

共通する手口などを見いだし、犯人を追いつめていく。

それと同じように、物理は、一見対称性もなく乱雑な現象に見えるときでも、

そこに隠れている規則性や対称性を鋭く見つけだし、背後にある美しさを発見する

営みである。

こうした「隠れた美しさ」を発見する「審美眼」こそが、自然の構造や宇宙の神秘を

解き明かす大切な武器なのである。

この「審美眼」を訓練によって持ちあわせているところが、物理屋の特性である。

そしてこれこそが、物理屋が「対称性」について語ることのできる

最も得意なところである。

(『物理と対称性 クォークから進化まで』坂東昌子著/丸善株式会社 P3より引用)

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 本の中に、「自発的対称性の破れ」という言葉を見つけて、

教室の子らと大阪市立科学館でさんざん遊んだ、

「磁石テーブル(4Fにあります)」のことを思い出しました。

 

「磁石テーブル」というのは、

「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」でノーベル賞を

受賞された南部陽一郎博士の南部理論がわかるようになっている展示物です。

ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのようなもの(カーアクセサリー用の方位磁石)が

大量にターンテーブルに敷き詰めてあって、うにょうにょ動く……という……

いかにも子どもの興味を引きそうな展示です。

 

大阪市立科学館に行く予定がある方は、ぜひ寄ってみてくださいね。

 

大阪市立科学館に行ってきました♪ の記事の中で、

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磁石コーナーに関心がある子が多かったので、大阪市立科学館で作っている小冊子の

『磁石と自発的対称性のやぶれ(斎藤芳吉彦著)』を買ってきました(200円)。

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と書いたものの、子どもには難しい内容なので、

自分たちが遊んだ展示物の写真を見ながら、

あれこれ話をするために使っているだけなんですが、

「科学館で小冊子が買える!」という点に強い関心を示す子もいるので、

購入してよかったです。

 

 

算数ゲームを作っているところです。

テーマは流行のアニメでもゲームのキャラクターでも恐竜でも

何でもいいことにしているのですが、意外にも『世界遺産の図鑑』から

選ぶ子が一番多いです。