虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉症の子の会話やコミュニケーションの質を向上させる工夫 2

2013-10-22 15:35:06 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

この日、☆くんという4歳の自閉症の男の子も●くんといっしょにレッスンを受けていました。

☆くんも教室に通い始めた半年ほど前は、

2時間のレッスンの間、バスのおもちゃのドアの開閉にばかりこだわり続けるという

偏った遊びしかしようとしなかったのですが、

今は、ままごとや工作やブロック遊びや人形ごっこなど

さまざまな遊びを楽しむようになりました。

コミュニケーションを取るのも上手になり、表情が豊かになり、よく笑うように (以前はしかめっつらをしているか無表情でした)

なりました。

お母さんのお話では、家では強いこだわりを示して、お母さんと衝突してばかりいるそうなのですが、

虹色教室や園では、そこで過ごす時間をしっかり楽しめるようになっています。

 

☆くんとわたしがごっこ遊びに興じていると、●くんは

時計を触りながら、ちらっとこちらを見ていました。

☆くんとわたしがしていたごっこ遊びというのは、水風船をふくらませる道具で

小さな白い風船を作って、それをゴミ袋だという設定にして

ゴミ収集車で集めてまわる遊びです。

それに気づいたお母さんが、「●くん、みてみて」と誘いかけると、●くんは

突然、意味を伴わない言葉を繰り返して、そわそわしだしました。

そこで、お母さんに●くんに誘いかけたり、動かしたりする言葉を言わないように

お願いして、「●くん、先生がゴミ収集車を作ってあげようか?」と言いながら

紙箱にはさみを入れました。

すると、●くんはわたしから紙箱とはさみを取り上げると、

乱雑に切り始め、終いに、手でビリビリと引き裂いていきました。