4歳2ヶ月の★くん。
「すごいことを発見したから、どうしてなのか先生に聞く」と言って、
ウルトラマンの人形を持ってきてくれました。
子どもに「なぜ?」「どうして?」という質問をされたら、
図鑑を見せたり、ネットで理由を検索して教えるという親御さんがいます。
でも、わたしはそんな風にすぐさま答えを教えるのを急ぐことに
反対です。
小中学生でも理解するのが難しい概念を
答えだけポンと与えられたら、せっかく幼い子の中に芽生えた
「なぜだろう?」と疑問を探究したいという思いがしぼんでしまいますよね。
一方で、そうして答えをすぐに教えようとする態度には反対だけど、
教えないことで、子どもが、自分で答えにたどりつくことを期待するのも、
どうかと思っています。
自分で考えてほしいと願ったところで、考えるための方法も筋道も知らない子に
科学者たちが長年研究してわかったことについて、自分で気づいてほしいと思うこと自体
おかしなことですよね。
それなら、大人がうまく誘導して答えに自分で気づくように導いていけばいいのか、と
考える方もいます。
それもまた、せっかちな話だなぁ、と感じています。
子どもが「なぜ」と問う度に、その「なぜ」に対応する「答え」を子どもの脳に
インプットしていって、知識の豊富な賢い子を作り上げよう、とすることは、
子どもに考えるという行為を抜きにして、答えばかりを丸暗記するように勧めることにも
なりかねません。
幼い子たちの中に、
「どうして?」「なぜ?」という気持ちが生まれた時に、
どんな風に考えていったらいいのか、
考える方法のお手本を示すことはできます。
好奇心を追いかけていく楽しさをいっしょに味わうことはできます。
それについて、いくつか具体的な方法を書いてみようと思います。
「どうして?」とたずねられたら、
まず、いっしょに、「どうしてだろう?本当に不思議ね」と共感すると、
子どもは、自分の発見した不思議の価値を感じて、
外の世界にいっそう心を開いて、もっとたくさん「どうして?」という謎を
見つけたいと思うようになります。
また、「どうしてかな?」と大人も疑問を抱く姿を見て、どうしてなのかと
考えていく行為に引きこまれていきます。
ここで、大人が図鑑を持ってきて、「こうこうよ」と教えるのだとすると、
「ああ、考えなくても、答えはあの中に載っているのか。」と思うでしょう。
考えるためにはいくつか方法があります。
ひとつは、観察しながら、「こうじゃないのかな?ああじゃないのかな?」と推理してみることです。
推理が間違っている時は、「こういう理由で、それは間違っている」と指摘することで、
答えに近づいていきます。
★くんの大発見というのは、こんなことでした。
何でも★くんがウルトラマンの人形をお風呂に入れたところ、
小さくなったそうなのです。
「本当に?本当に大きなウルトラマンの人形が、
お風呂に入れると小さくなっちゃったの?」とたずねると、
★くんは真剣な表情でうんうんとうなずきました。
「それは面白いから、みんなでお風呂に入れてみよう!」と言うと、
いっしょにいたお友だちたちも興味しんしんで集まってきました。
容器に水を入れて、ウルトラマンを沈めてみます。
すると身体が縮んで小さくなったように見えます。
「小さくなった?小さくなったね」とめいめいで確認しあいながら、いろんな角度から眺めました。
途中ですが、次回に続きます。