虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ワガママな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいのでしょう?  2

2013-09-25 22:37:12 | 幼児教育の基本

前回の記事で、

「お母さんをはじめとする身近な大人たちの★くんへの接し方を

より良いものに改める必要も感じました」と書きました。

 

改めるといっても、何か明らかな問題があって改善するというより、

どれも取るに足らないような些細な点で、注意をするのも気が引けるようなことばかりです。

しかし、★くんのお母さんがどんな細かい指摘でも受けたいと望んでいる上、

★くんの敏感な性質を考えると、ほんの小さな気がかりも親子関係に亀裂が走るもととなるのを

感じたので、

記事にさせていただくことにしました。

 

 

子どもがしつこくワガママに振舞う時の親御さんの対応は、

それぞれずいぶん違います。

その直後に親御さんがわたしに話される言葉も相談内容も、

子どもの態度は似たようなものでも、親御さんの見え方と感じ方は180度

異なることが多いのです。

 

「こんな時はどうすればいいですか?」と、病気への処方を求めるように

急いで正しいと思われる答えを教えてもらいたがる方もあれば、

 

「どうしてこの子はこんなに言うことをきかないんでしょう!」と

子どもに対するイライラした気持ちを吐き出す方もいます。

 

子どもの自己中心的な態度が度を越しているような場合にも

まるでそれに気づいていないか、そうしたことを良くないことだと感じていないいように

見える方もいます。

 

周囲に気を使いすぎる方もいれば、

叱った方がいいのか見守ればいいのか判断しかねて、茫然としたまま困惑している方もいます。

 

形だけ注意した後で、すぐに子どもを抱きしめて、問題をうやむやにしてしまう方もいます。

 

子どもがワガママすぎる時は落ち着かそうとして機嫌を取ることに徹して、

良い子にしている時にしつこく注意したり、嫌味を言ったりする方もいます。

 

★くんのお母さんは、★くんが周囲を困らせるような言動をエスカレートさせている時に、

★くんを叱るより、「わたしがいつも~だからでしょうか?」「わたしのこうした態度が悪いんじゃないでしょうか」

と自分の育て方の問題点を反省するような言葉を口にされます。

わたしが、「本人に対して、もう少し毅然と悪いことは悪いと伝えた方がいいのでは

ないでしょうか?」とたずねると、

「外なので、あまり注意していないだけで、家では叱りすぎるほど怒っているんです。叱らないということは

ありません。叱りすぎているのが悪いのでしょうか?」と

やはり、自分の問題として捉えているようにみえる言葉を口にされます。

 

次回に続きます。

 

 

 


季節外れのエイプリルフールの話

2013-09-25 21:55:28 | 日々思うこと 雑感


息抜きに、10年以上前のとびきりくだらないわが家ネタを書かせていただきますね。あんまり私の本性を知られたくないのですが……。

まだわが子が小学校低学年だったころの話です。
もうすぐ4月という日、
私とダンナはちょっとした賭けをしていました。

「エイプリルフールの嘘で騙される気がしれない、絶対、自分は騙されない」と
ダンナが豪語するもので、

もしエイプリルフールに私がついた嘘で、ダンナさんが騙されたら、
「まいりました~」と私に謝って、しばらく「絶対」という言葉を使わないことという賭けです。

エイプリルフール当日、娘も息子も真剣でした。そして、心配そうでした。

「お父さんは、今日一日、お母さんが嘘をついてくると思ってるから、
ずっとそれを考えてて、引っかからないよ、きっと。」

私は、ちょうど、人がどのようにして騙されるのか
子どもたちに見せる良い機会だと思ったので、
「そりゃぁ、普通に、嘘っぽいことをしゃべったんじゃ騙されないわ。
でもね、人には、思いもかけない盲点ってものがあるの。
賭けはお母さんの勝ちよ。」と告げました。
「頭を使うのよ。頭を使えば、不可能なことなんてないわ」

娘も息子も、お母さんはどんなことを言って騙すんだろう?
騙されると思って身構えているお父さんを騙せるなんて、
信じられないといった表情で、私を見つめました。
 
エイイプリール当日、朝、目を覚ました瞬間から、
ダンナはオーバーなほど、私の言動を警戒していました。
ひとこと口を開くたびに、「エイプリルフールじゃないのか?」と疑っているようなオーバーなリアクションで、
「騙されるわけないのだろう」という減らず口も何度もたたいていました。

私は子どもたちを呼んで、小声で、
「お父さんは、お母さんが嘘つくと思って四六時中ピリピリしているわ。でもね、お母さんやあなたたち以外の誰かが、自分を騙そうとしているとは
考えていないはず。
それが盲点よ。
この人は騙すはずがない、嘘つくはずがないと、お父さんが信用していて気持ちが緩む相手に協力してもらうのよ。わかった?」

私がターゲットに選んだのは、家族ぐるみで親しくしているご近所さんで、
たびたび
田舎の野菜や手作りのおかずなどを届けてくださる方です。
あちらにも、わが子より少し年上の子供たちがいます。

ちょうどその年、
ウン○くんという下品なお菓子が流行っていて、息子も
ウン○くんキャンディーとか、ウン○くんチョコとか買い集めて
コレクションしていました。
私は日ごろそのお菓子をバカにしていましたが、
その日は、ダンナが自分が騙されたことを目の当たりにして
ギャフンとするには、これくらいインパクトがないと
騙された事実をうやむやにされてしまう気がしていました。
それで、
4個入りケーキが入るサイズのケーキの空き箱を用意し、
適当な重りを芯にして軽いねんどを使用して、
娘と息子といっしょに
巨大ウン○くんのオブジェを作り、箱のなかにおさめました。

そして、それをご近所さんのもとに持っていって、
事情を話して届けてもらうことにしました。

その日の午後、ダンナがくつろいでいるところに、
ご近所さんの小学生の娘さんが、機転を利かせて、ジュースまでつけて、
ケーキの箱を届けてくれました。
「お客さんから、余分にいただいたので、おすそわけです」
という言葉に、ダンナはすっかり騙されて
お礼を言って受け取っていました。

その後、私は、
ケーキの箱を開けて覗いてみせ、
「あ~おいしそう。イチゴのショートケーキがいい?
チョコレイトにする?」とたずねました。
それから、ジュースをグラスに注いで、ケーキ用の皿やフォークを出して
セッティングしました。
それから、
「エイプリルフールで騙されたら、まいりましたって言うんだったわよね」と
念をおしました。
「無理無理!騙されるわけないやろ」と笑って答えるダンナの目の前に、
「エイプリルフール!!」と子どもたちと声をはもらせながら、
ケーキの箱を開いて、デーンと置きました。
しばらく狐につままれたような表情で目を白黒させ
言葉を失っているダンナ。
「わぁ~お父さんがエイプリルフールで騙された~。それ、大きなウン○くんだよ」と息子がはしゃいで飛び跳ねました。
それから数分後、
先ほどのご近所さんの娘さんが、本物のケーキを届けて
くださいました。
家族でおいしくいただきましたよ。
それから、その日一日は、ダンナは「絶対」と言いませんでした。
口癖なんですがね。