虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2歳児さんの遊びに考えたりイメージしたりする楽しさを加えるには?

2013-04-12 12:50:51 | 幼児教育の基本

2歳児さんの遊びに考える楽しさを加える方法を紹介しますね。

 

おしゃべりがだんだん流暢になってくる2歳児さんたちは、

目で見て、手で操作しながら

さまざまなことを考えます。

自分の体験したことをよく覚えていて、ごっこ遊びで見立てをして遊ぶ中で、

身の回りで起こっていることへの理解を深めていきます。

 

また、易しい物作り(お砂場でのどろのプリン作りなども含みます)

を通して、

物の長短や大きい小さいや工夫の仕方や

物が出来上がっていく過程について学んでいきます。

 

それでは、2歳10ヶ月の★くんのレッスンの様子から、

2歳代の子たちの遊びに考える楽しさを加えるための工夫を書いていきますね。

 

教室に着いた★くんは、トラックのおもちゃで遊び始めました。

子どもの自由な遊びを、あまり干渉せずにそっと見守ることは大切です。

 

でも遊び方が、「触って動かして飽きたら次のおもちゃ」とか、

「ちょっと遊ぶと、おもちゃを取り合い」という繰り返しだった場合、

身近な大人が遊びを豊かにするアイデアの種を蒔いてあげるのも

いいかもしれません。

 

遊びを豊かにするとは、

つまり、しっかりと自分の頭を使って遊ぶということです。

 

たとえ、1歳児さん2歳児さんの遊びであっても、

他人に動かされるまま、自分では何も考えずに遊ぶのでは面白くないのです。

 

また、おもちゃを飽きがくるまで触っていても、

心躍るようなワクワク感は生まれてきません。

おもちゃがあるから楽しいのではなくて、

遊びを通して、自分の記憶を再現し、アイデアを試し、想像し、疑問を抱き、

苦労して指先を使ってみて、できなかったことにがんばってチャレンジし、わぁ~っと感激し、

問題を解決し、自分の思いを言葉で表現し、自分の個性を遊びの中で目で確認し、周囲に認められていく

からこそ楽しいのです。

トラックで遊んでいた★くんに、

「駐車券をお取りくださ~い」という音声が流れる機械や

洗車場を作ってあげるととても喜んでいました。

立体駐車場のエレベーターも作りました。

洗車場は、両脇のブロックの高さが低くて、

トラックが通れなかったのですが、

★くんは即座に「もう少し高くしたら通れるね」とブロックを足して

いました。

また、車用のエレベーターの入り口に「車が外に出ちゃうから、ドアをつけたい」とも

言っていました。

 

こんな時に、トラックが出てくる絵本を見て、

ごっこ遊びにその絵本のストーリーを加えるのも面白いです。

 

男の子の車遊びも、工事現場でのお仕事を再現したり、

荷物を配達したり、道路や駐車場やコンビニなどを作ったり、

実際に体験したことや

絵本のストーリーや図鑑で得た知識を遊びにプラスすると楽しいです。

 

想像力を使えば使うほど、頭を使えば使うほど、手を使って苦労して何かをすればするほど

遊びの楽しさは倍増するのです。

 

遊びの好みにはその子の個性が表われます。

★くんはとても気に入っていた立体パズルをテトリス風に組んでいく遊び。

お家にあるブロックなどでも、同じような遊びができるように

こんなパズルの作り方を教えました。

★くんと貝殻や昆虫のおもちゃなどが入っている箱を開けて遊びました。

輪ゴムの仕掛けで飛び立つちょうちょが

気に入って、何度も何度も、数を数えてゴムを巻いては、

飛ばして遊んでいました。

手作りの蜘蛛の巣や地面の下を描いた絵本にも興味を抱いていました。

パラパラマンガ風の写真図鑑。

青虫がさなぎになって、最後にちょうちょになって飛び立ちます。

ピカピカ点滅するライトの電池を入れてもらいました。

子どもは電池交換やおもちゃの修理が好きですね。

易しいルールで、お買いものゲームで遊んでいます。

買い物カードを見て、必要な商品を集めます。

まだ自分のルールで遊びたい模様。

算数タイムに数を数えながら、小さな恐竜たちを並べていきました。

★くんはとても細かい違いまでていねいに観察していく

几帳面な性質の子なので、

こうした作業を心から楽しんでいるようでした。

 


ちょっとうれしい出来事 ♪

2013-04-12 08:29:13 | 日々思うこと 雑感

 

アメリカのシアトルで『シークレットガーデン』という幼稚園

(手作りの科学館のような幼稚園です)で

教員をしている友人から

うれしい連絡をいただきました。



この春の特別クラスで
ディレクターを務めた友人が、

1週間のプログラムに、虹色教室のレゴ教室や工作、算数教室などの方法を組み込んでくださったところ、

子どもたちにも親御さんたちにもとても喜んでいただけたようです。

長年、科学者をしておられた『シークレットガーデン』の園長先生も

熱心にメモを取ってくださって、アレンジして園長先生のクラスで試してくださったそうです。

 

『シークレットガーデン』では、おととしの冬と去年の夏に渡米した際に、

幼稚園のお部屋をお借りして、虹色教室の工作や算数のワークショップをさせていただいたことがあるのです。

ワークショップには園長先生も参観してくださり、レッスンの内容や子どもたちの様子に

興味を抱いてくださっていました。

そんな経緯で、今年の春の特別クラスで、虹色教室でしているのと同様の

プログラムを実施してくださることになったのですが、

それぞれの子どもの個性を重んじるアメリカで、

日本でしてきたちょっと繊細な(日本人流?の)個性を育む教え方を面白いと感じ、

喜んでくださる方々がいることに

とっても感激しました。