2歳5ヶ月~2歳10ヶ月までの子のグループレッスンで。
↑恐竜好きの●くんのために恐竜のミニチュアが入っている箱を出してきました。
写真と名前が貼りつけてあるカードの上に「いっしょいっしょ」と言いながら
恐竜を乗せていく遊びをしています。
2歳児さんにこうした遊びを勧める時は、見本を見せても本人が真似たがらなければ、
後は自由に遊ばせるくらいのゆるさが大事だと思っています。
マッチングさせる面白さに気づいて真似しはじめても、
3つ合わせたくらいで、「おしまいにしようか?」とルールの
ある遊びは終了して、そこから自由な発想で遊ばせるくらいの関わり方がいいです。
赤ちゃん扱いせずに、興味を持ちそうなことには、たとえ難しそうなことでも
触れさせてあげる一方で、
その子が自発的にやりたがって、やっていることが楽しくて夢中になるくらいの
活動が主になるように配慮してあげる必要があります。
親御さんによっては、自分がやらせたいことに(親御さんが)夢中になって
子どもが大人の指示通り動くのにいっぱいいっぱいになっているのに、
機嫌を取ってでもやらせようとする方がおられます。
そんな体験を2,3回もさせれば、子どもは消極的で依存的になって、
「ママやって~」とすぐに投げだすようになるかもしれません。
2歳児の活動をサポートするには、引き際や、手綱のゆるめ方が肝心です。
↑ベルトコンベアー遊び。
テーブルの下のシートを反対方向に引っ張ると、コンベアーが動きます。
2歳6ヶ月の★くん。電車のおもちゃで遊びだしたので、
「かんかんかんって、ふみきり作る?」とたずねると、力強くこっくりしました。
そこで、カラフルな色の入ったストローの袋を準備すると、あの色もこの色も1本ずつ……と次々
ストローを取り出します。
★くんのお母さんは「1本だけ」と言いそうになったのを呑みこんだそうです。
わたしがふみきりに似せるために黄色いテープをくるっとストローに巻いて見せると、
★くんは、「先生して!」と言うように、
わたしにストローを渡しては、ここに貼ってほしいと指示します。
わたしは★くんが自分で貼りたくなるように
切った黄色いテープをテープ台の端にいくつか貼りつけておきましたが、
「自分で貼ってごらん」とは言わずに、★くんが望むように貼ってあげていました。
そして、テープ台のテープがあとひとつ……となったところで、
「★くん、自分で貼ってみる?」と聞きました。
すると★くんは決心したように自分で貼ってみて、
それからは
どんどん自分で貼って作り始めました。
子どもが自発的に活動するようになるためには、次のステップがいります。
① 子どもが大人を頼っている時には、「自分でしなさい」と突っぱねず、
できるだけその望み通り、言葉通りに、
聞いてあげます。
② タイミングを見計らって、本人にさせます。その時は、
「ちょっとめちゃくちゃなくらい 、間違っているくらい」がちょうどいいとして、
細かい口出しや子どものコントロールをしません。
③子どもが自発的に動き出し、繰り返しチャレンジする力がついてきたところで、
「ストローいっぱい出したね。5本までにしておこうね。ほら、おてての指の数といっしょ。」とか、
「いっぱいいっぱい出して、いっぱい作るの?じゃぁ、お友だちの分を作ってあげようね」など、
少しずつ、加減の仕方や方法を教えていくようにします。
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「自分で自分をコントロールできている感」「有能感」「自分がやっていることはだいたい正しいという自信」
が活動を通して高まってくるようにサポートしています。
子どもが自由に動いてみた結果にOKを出しつつ、
次第により洗練された活動につながっていくように接することが大事です。
2歳児を相手にしている親御さんたちの多くは
子どもがまだ何もしないうちから、あれこれ指示を与えすぎるし、
まだ失敗も成功も体感でわかっていないうちから、
上手にする方法を教えすぎています。
言葉で指導するのは、ある程度、上達してからで十分です。
お手本は見せてもその通りすることを期待せず、
もし子どもが何度もお手本を見たがる時には、
何度でもていねいにお手本を実演してあげるといいと思います。
↑ひとりの子がお母さんとストローでクレーン車を作りました。わたしがクレーンの先に磁石を付けてあげると、
はさみが釣れて大喜び。別の子も磁石つきのクレーンを作りました。
↑ 身体が大きくて、力が強い★くん。思い通りにならないと
お友だちやお母さんに手がでます。
そんな風に衝動的な行動が増えるのと同時に、衝動性をコントロールするような
緻密な活動への関心も高まっています。
小豆をピンセットで容器に移していく作業を何度もやりたがっていました。
落ち着いて集中した状態で、作業をやりぬくことができていました。