虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ゴミ収集車をデュプロで作る方法

2012-06-24 21:44:25 | レゴ デュプロ ブロック
2歳3ヶ月の☆ちゃんは、ゴミ収集車の通る音楽が聞こえると
とても喜んでいました。
そこでいっしょにゴミ収集車を作ることにしました。

写真の3タイプ。
どれも簡単ですが、子どもはとても喜びます。
また仕組みがわかりやすいので、
自分で応用させて何かを作るきっかけにもなります。
 
輪ゴムを使ってとめています。

2年生の算数でつまずく要注意箇所 

2012-06-24 18:31:25 | 算数

小学2年生の学習の気がかりな子たちのレッスンで。

学校でもうすぐ習う「長さの足し算引き算」で

つまずいた子が何人かいました。

 

このあたりの学習から、「わからないわからない」とパニックを起こす子や

「勉強が難しいから学校へ行くのが嫌」と登校しぶりをする子がけっこういるようですから、

次のような特徴がある子たちには早めの対策が必要です。

 

①一般化するのが苦手な子

 

(個別の具体的な場面で理解できていたことも、それとよく似た別の場面では

できなくなる子です。)

 

②書き写すことが苦手な子。

 

(目と手の協応作業がうまくできなかったり、視覚的な情報処理に何か問題を抱えている子)

 

③言葉を耳で聞いてイメージするのが苦手な子。

 

たとえば、

 

3cm3mm-1cm7mmという問題でしたら、

mmとcmを別々に分けて計算していくということが

イメージできずに、

3+3-1-7といった数だけ適当に足し引きしてしまう子がいるのです。

「そんなちんぷんかんぷんな状態の子も、

ミリはミリ同士、センチはセンチ同士で、こうやって計算していくのよ」と説明して

訓練していけば、できるにはできるようになるのでしょうが、

最初の時点で少しもイメージがつかめていないものですから、

たとえできるようになっても、わかっているわけではないのです。

学校での学習がこうした表面的な

その場限りの「なんとなく覚えている間だけできる」というものに

なっていないか注意が必要です。

 

一般化するのが苦手な子は、

33-17

という繰り下がりのある計算ができるようになっても、

それが

3cm3mm-1cm7mm

と関連していることに思いがおよびません。

 

「これはこれ」「あれはあれ」

なのです。

 

また「1センチは何ミリ?」とたずねると、

「10ミリ」と答えることができても、

3cm3mm-1cm7mmで

センチをミリに変換して借りてくる

という発想がどうしてもピンとこないのです。

 

一般化することが苦手な子らは、

3cm3mm-1cm7mmができるようになっても、

3dl3mlー1dl7mlの学習で役立てることができなかったり、

その一方で、3時間3分-1時間7分の問題に

長さの時と同じ解き方をしようとする場合があります。

 

対策は、具体的なひとつひとつのケースを

1からていねいに教えることと、

同じ方法で解くものと別の方法で解くものを

色で分けたりして、感覚的に同じか違うかを感じ取れるようにしてあげることです。

 

 

書き写すことが苦手な子

 (目と手の協応作業がうまくできなかったり、視覚的な情報処理に何か問題を抱えている子)は、

三角を横に写させてみたり、

漢字の書き取りをさせたりすると気づきやすいです。

書き写す作業に苦手があると、cmやmmを書く困難に加えて、

見分ける時点で混乱してしまうことがあります。

 

幼い頃から

明らかに異なる2つのものを「いっしょ」と言い張る子には

その後の成長を気をつけて見守る必要があるかもしれません。

 

曲線を描くのが極端に苦手な子もいます。

 

対策として、授業の予習として、事前に「mm、cm、dl」などの

書く練習しておくことをおすすめします。

 

大人にするとこうした単元は易しく見えるため

つい予習させるのを怠りがちですが、

「書くこと、見ること、聞くこと、一般化すること」に

何か引っかかる点がある子たちは、

こうした記号が書きにくそうな学習の予習は必須です。

 

「言葉を耳で聞いてイメージするのが苦手な子」については

次回書きますね。

 

 

 


明日から3日間、九州の遊びのアトリエさんのところへ行ってきます。

2012-06-24 18:24:16 | 連絡事項

明日から3日間、九州の遊びのアトリエさんのところへ行ってきます。

一度大阪に遊びに来ていただいたこともあるアトリエのレオ先生。

再会するのが楽しみです。

 

その間、予約配信で記事をアップする予定です。

(もしかして一日くらいお休みさせていただくかもしれません)

 

 


プロフ帳作り

2012-06-24 18:14:19 | 工作 ワークショップ

学習に気がかりなところのある子たちのレッスンで。

「プロフ作りたい」と言うので、

「プロフ?あぁ、名前とか好きな人とか書いてお友達と交換するもの?」とたずねると、

「そうそう~」という話。

そこで、子どもたちはプロフ帳のカバーを作り、わたしは中の台紙を子どもたちと相談しながら

書いて何枚かコピーしました。

書くことにちょっと苦手意識がある子たち。

交換するために質問の答えを書き終えた後で、

「疲れた~」とバテバテでした。


親がこんな力をつけると子どもは伸びる 2

2012-06-24 07:43:02 | 教育論 読者の方からのQ&A

親がこんな力をつけると子どもは伸びる 1

の続きです。

 

異年齢の子の集団を作ると、「年上の子たちと過ごさせたい」とおっしゃる

方々は多いです。

きびきびと行動できる子、しっかりしたお兄ちゃんお姉ちゃんと過ごさせて、

「あんな風になりたいな」というあこがれを

子どものなかに生じさせてて、がんばる意欲につなげたい、と考える方がいるのです。

 

でも子どもの性質と、普段の親御さんの考え方や、子どもの置かれた環境によって、

そうして年上の子らやその子よりしっかりした子たちと過ごさせることが

逆効果となることもあるので注意が必要です。

つまり自分より何かができる子に囲まれたとたん、

自虐的で無気力な状態がひどくなるということです。

 

次のようなケースです。

 

①普段から親御さんが「もっとしっかりしてほしい」「もっと成長してほしい」という

無言のプレッシャーを子どもに与えている場合。

 

自分よりできる子がたくさんいる場面では、普段、肌で感じているプレッシャーが

さらにリアルに自分に迫ってくるので、

めげてしまって、ダラダラとやる気のない態度に終始する可能性があります。

 

②不安的な状態を脱して、ようやく「しっかりしてきた」という状態で、

すぐにさらなる高い目標を子どもに与えたいと思ってしまう親御さんの場合。

 

不安的な状態を脱して、ようやく「しっかりしてきた」という状態は、

親御さんにとって「子どもとしてあたり前」の姿のように思えても、

いつもとのダラダラした困ったちゃんにもどるかもしれない……という

危うい状態です。

「いい」状態の時に、その状態に満足し、子どもの心を存分に満たす必要があります。

 

③子どもにとって新しいチャレンジする環境を次々与えるのに熱心だけれど、

「テレビ」や「お菓子」など

その子が楽しみにしているものは、

親の気持ちで簡単に取り上げてしまう場合。

 

こうした環境は、自発性や意欲のもととなる

子どもの核となるものが育っていないことがよくあります。

 

④神経質で情緒的で他の子の出来不出来が気になる子の場合。

 

こうしたタイプの子は、自分より苦手が多い子や年下の子らと過ごすと

実力を発揮して、

自発的に何でも取り組むのに、

自分より何かが得意な子が近くにいると

たちまち落ち込んで頭で何も考えられなくなることがあります。

 

------------------------------------

親御さんの気持ちや願望や思いや評価が

常に子どもの生活環境や感情のあり方に

影響を与えているような場合、

親御さんがよかれと思って選ぶものが

子どもの自発性やがんばる気持ちを奪ってしまうこともあります。

 

また、子どもの環境を親御さんが先回りして

選びすぎることも、

子どもの発達にゆがみを与えがちだと思います。

 

自然に出会うものは、

つまらない雨の日も、

ちょっともやもやといやな気分で終わる出来事も

子どもの心を感受性豊かに、たくましく成長させていきます。

子どもにはいろんな日々、いろんな体験、

退屈、無駄などもあまるほどあってちょうどいいと思っています。

 

昨日、年下の子がひとり参加することになったグループで

年上の子のひとり、○くんにこんな変化がありました。

下の子にいいところを見せたい、できるところを見せたい、自分のが年が上だから……

という気持ちで、物つくりでも学習タイムにも

責任感を持って、きびきびとした意欲的な態度で取り組んでいたのです。

○くんのお母さんは先に挙げたケースに当てはまる方ではありませんが、

○くんはちょっと甘えん坊の性質で、昨年まで自分よりできることが多い同年代の子と学んでいたときは、

「え~、できない」「え~難しい、やりたくない」とだらだらした態度をしめすことも

よくあったのです。

○くんは情緒的で感情が繊細な子なので、自分よりしっかりした子らといっしょにいると

あこがれるよりも、心が負けてしまうのです。

 

子どもにどんな体験や環境が必要かは、

あまり選びすぎず、自然に任せて、そのときそのときに

しっかり関わることが大事だと感じています。

 

うちの子にしても、当時はどうしたものかと悩んでいた「ダラダラした」無駄時間が

どんな体験より成長をもたらしてくれたと感じることが多々あります。

 

息子が小学3年生くらいの頃、とにかくテレビゲームが好きで、あまりに執着するもので、

一日何時間までならOKかと取り決めていた時期があります。

紙で何かを作ったり、友だちと遊んだりもよくしていたのですが、

とにかく怖いほどにゲームに執着するので、頭を抱えていました。

ゲーム時間を取り決めていても、何度もルールを破ったり、

ゲームをしない間はごろごろしてゲームの攻略本ばかり読んでいたりしましたが、

親子で何度もルールについて話し合ったり、

子ども側の言い分をしっかり聞くのもいいだろう……とも思って

そのまま数ヶ月が過ぎた頃、こんなことがありました。

 

「RPGつくーる」というRPGを自分で製作するゲームをおこづかいで買っていたものの

家族の誰も遊び方はわからないし、本人も攻略本に載っている数値の意味が

さっぱりわかっていなかったようなのですが、

あるとき、攻略本をのぞきこんでいた息子が「わかったよ。このゲームの仕方」と言い出したのです。

そこで息子の説明に耳を傾けることにすると、数字の羅列から

関数のような計算方法を編み出して、

このゲームを扱えるようになっていたのです。

それからその計算を使って

家族を登場させるゲームなどを作っていました。

このとき、ごろごろとわけがわからない攻略本を見続けていた時間が、

その後、深く考えを練ることで手がつけられないような問題の解法を探り出していく

力の土台となってくれたと感じています。

こうした力はなかなか習い事では身につかないものですよね。

当時のわたしはテレビゲームに好感を持っていたわけではありませんが、

息子が「好き」と思う気持ちは大事にしてあげたいと感じていました。

 

こうした出来事を振り返っても、子どもにどのような時間の過ごし方や

環境を与えるのベストかなんて

親にはわからないのですから、肝心のところはしっかり押さえていても

つねに余白と無駄を残しておくことが大切だと

感じています。