虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

『こどもちゃれんじぽけっと』で取材していただいたものを親御さん向けの本に載せていただきました。

2012-06-16 16:50:02 | 初めてお越しの方

『こどもちゃれんじぽけっと』で取材していただいたものを親御さん向けの冊子に載せていただきました。

 

7ページ分の特集です。

 

とても素敵な内容にまとめていただきました。

 

『こどもちゃれんじぽけっと』を取っている方はぜひ読んでくださいね。


しょっちゅう思考停止状態に陥る自閉圏の子への対応法

2012-06-16 07:41:44 | 初めてお越しの方

次のようなコメントをいただきました。

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2年生、自閉圏にいると思われる男児がいます。
苦手な算数で、宿題などでちょっとわからない問題に当たるといきなり思考停止状態のようになります。もう一度問題を読み返したり私の説明を聞けばわかりそうな問題なのに、とっかかりがわからないと泣いたり、わからないわからないの連発で説明すら聞けないようなときがあります。いわゆる「愚図りまくり」のような状態に・・。

こうなると本当に大変で、だけど時間を置いてまた取り組むということが出来ないものわかっているのでこちらは何とかわからせようとし、息子は益々思考停止状態に・・
ループです。

こういうふうにさせてのは私なんだろうと思うのですが、こんな風になる子供にどうすればいいのかわからないでいます。

大好きなレゴクリエイターなどで、試行錯誤することもできるようになっているのですが。
上手くいかないと説明書を見ながらあれやこれやと色々やっているのですが・・。

どうやったら勉強においても、わからないことも試行錯誤してやってみるということが出来るようになるのか。

記事中で、難しい問題にも取り組めたというお子さんの記事を読むとそんな日が息子に来るのだろうかと考えずにはいられません。

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自閉圏の子がしょっちゅう思考停止状態に陥る場合、身近な大人が「シングルフォーカス」という状態について

理解しておくことと、それへの対応法を身につけていくことが大切だと思います。

 

過去記事ですが、シングルフォーカスについて書いたものを貼っておきますね。

 

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発達に気がかりがある子たちの学習を見ていると、

知的な面では問題がないのに、

『シングルフォーカス』

 (一度に一つのことしか目に入らない。同時に複数のことをこなせない。たくさんの情報の中の一部分に反応する。頭の切り替えが難しい)

という特性が原因で、勉強につまずいてしまうケースが多々あります。

教室に来てくれている小1の★くんは、学校では学習面でのつまずきや立ち歩きもないし、友だちとも遊べているので担任の先生からは何の問題も指摘されていません。

でも、親御さんの目から見ると こだわりが強すぎる点や

コミュニケーションがぎくしゃくしている点が気にかかる……ということで、

病院に連れて行ったところ、アスペルガー症候群の可能性を告げられたそうです。

知能テストの結果も凸凹が大きかったそうです。

この★くん、比を使った問題や大きなケタを扱う問題でも

直観的に理解して解いてしまう一方で、

気乗りしないと 易しい問題でも「できない」「やらない」の一点張りで取り組もうとしません。

その結果、できることとできないことの凸凹の差が、さらに広がってしまうのです。

 

★くんはシングルフォーカスに陥りやすく、頭を切り替えるのがとても苦手です。

パッと見た瞬間に、「嫌だ」と感じたものは、しっかり読めばわかるものでも、少しがまんすればすぐに終わる課題でも、

気持ちに折り合いをつけて 取りかかかったり、やり遂げたりすることができません。

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シングルフォーカスに陥って、大騒ぎしたり 集団の中で ひとりだけ好きなように振舞う子は、

「甘やかされて しつけをされていない ワガママな子」と

捉えられている場合がよくあります。

 

でも そうした行動が顕著な子は、

脳の特徴からそういう振る舞いになっている場合がほとんどです。

叱ったり、しつけを強化したりするだけでは、ちゃんとするどころか、

2次障害になってさらに困った行動を誘発するケースも……。

 

シングルフォーカスの特性は、次のようなものがあります。

 

★狭い細部に強く注目してしまう

★次の活動に切り替えられない

★全体の結びつきを理解しにくい

★聞くと書く 足と手 など同時にふたつのことを処理できない (不器用)

 

シングルフォーカスの特性が原因となっている学習困難って、

「こうすればうまくいく」という解決法がバシッとあるわけではありません。

それぞれの子が 異なる落とし穴から、「ヘルプ!ヘルプ!」と声にならないサインを出しているのを感受して、

その子が、自分で穴に落ちこんでいる事実に気づいたり、その穴から抜けだす方法を学んだり、ハンディーを軽減する別の方法を模索したりするのを

少しだけ手助けするくらいしかできないのです。

それでも 頭ごなしに押さえつけたり、無視して放置したりするのに比べて、適切な努力は

いつかは報われるものです。

 

 

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シングルフォーカスの問題は勉強だけでなく

友だちとの関係が壊れる原因にもなりやすいです。

以前、お会いしたことがあるアスペルガー症候群の当事者の方(幽冥土さんという方です)が、人との間で起こりやすいシングルフォーカスによる揉め事の事例を教えてくださいました。

「シングルフォーカス」で周囲で起こっていることがわかりにくいAちゃんという小学生の子どもの話です。
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1+1=2は絶対に正しいことだから、それを唱えることが大好きなAちゃん。
算数の時間に連呼するのはまだ良かったのですが・・・ 国語→音楽→図工→・・・と科目が変わっても「1+1=2」の話をしてばかりでした。
うんざりした先生やお友だちが「Aちゃん。わかったから1+1=2の話はもうしないでね。」 と言うと、

「正しいことを言ってるのにどうして怒るの。お友だちだけじゃなくて先生まで。
おかしいよこの学校」
と判断をくだしてしまいます。

数少ないお友だちの一人のBちゃんに「みんないじめるんだよ!」と言うと、
「みんなAちゃんがうるさかったから言ったんだよ。いじめじゃないよ。
休み時間でもみんなゲームの話しているのに1+1=2の話ばかりしてちゃダメだよ。」と言います。

AちゃんはBちゃんの言葉を「極端な悪いこと」と受け止めます。
極端な事とは、「1+1=2」は正しいことなのにおかしいと言ったことです。

「シングルフォーカス」で周囲の状況がつかめないAちゃんは、
CちゃんがBちゃんに入れ知恵したと感じます。


BちゃんとCちゃんに掴み掛ってケガをさせます。

Aちゃんは気がついたら先生に怒られていました。
「Aちゃん!自分の言うことを聞いてくれなかったからってケガさせちゃだめでしょ!あなたは規則を守るの子なのにどうしてこんなことしたの!」 
 

正義の戦いをしたと思っていたAちゃんは悲しくなりました。

BちゃんもCちゃんも悪いことをしたのだからケガをしてもあたりまえだと思ってたのでした。 

Aちゃんはみんなから仲間はずれをされるようになりました。


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シングルフォーカスゆえのこうしたトラブルは、
周囲からこうした特性を持っている子が一方的に悪いと決め付けられて
終わりがちです。

規則を守らないお友達の手をひねって罰した
アスペルガー症候群の幼児が、
その子だけが先生から叱られ、
お友だちにも避けられてしまう……
といった話は、たびたび耳にします。

『いくら正しいことでも、その場の状況や自分のすることの内容によりけりで
間違ったことにもなってしまう』

ということを理解する事が難しいのです。

テストの点や勝負の勝ち負けにこだわるあまりに
シングルフォーカスゆえに、競争相手をののしったり馬鹿にしたり
周囲から客観的に眺めると???な行き過ぎた行為に走って
自分の価値を大いに落としてしまう事をしてしまう

といったトラブルも学童期によく聞くトラブルです。

 

私は、シングルフォーカスが原因で起す暴力と、
一般的なやんちゃくんやADHDのみがある子が起す暴力は
別物として捉えて、
全く同じ対応をしていてはいけないと考えています。

それって差別では? どちらかをえこひいきすることになるのでは?
と考える方もいるでしょうね。
それに普段、園や学校では全く同じ対応になっているのでしょう……

どうして、暴力自体は同じなのに、別物と捉えなくてはならないのでしょう?

私が思うに
やんちゃくんにしてもADHDの子にしても、衝動がおさえ切れなくて
暴力行為に至った場合、自分のしたことが良いことか悪いことかは
わかっている場合がほとんどです。


家庭環境のせいで、善悪の区別がきちんとついていない子でも、

それを「正義の戦い」と捉えて

行為に及んでいることはまずないと思います。


しかし、シングルフォーカスを特性とする子のハンディーは、

「場面によって価値判断が変化する」ことを理解しずらいという点にあるのです。


前回の例で紹介したAちゃんが、
お友だちにつかみかかってけがをさせたような事件が学校で起こった場合、
先生や周囲の大人は、Aちゃんを
「ふだんは良い子なのに突然キレる現代っ子」というくくりで
眺めてしまうかもしれません。

実は、Aちゃんの内面では、周囲からは「キレた」と見えている時も
まだ、

「規則を守る正しい行為の為に、正義の戦いをしている」わけです。

周囲の状況が読めていないので、
Aちゃんにとっては……あくまでAちゃんの心の世界からするとなんですが……

「キレた」という暴力行為は存在しなくて、

規則を守らない悪い子達が当然の制裁(罰)を受けた

という事実だけが存在するのです。

「正しいことを言ってるのにどうして怒るの。お友だちだけじゃなくて先生まで。おかしいよこの学校」

極端な事とは、「1+1=2」は正しいことなのにおかしいと言ったことです

悪いことをしたのだからケガをしてもあたりまえだと思ってたのでした。

という部分からも、Aちゃんが最後まで正義の戦いをしていて、
叱られても正確に出来事を把握できていないことがわかります。

虹色教室でそのようなトラブルが起こったケースでも、トラブル主くんは、本来 素直で規則を良く守る子なのです。
それが問題行動のさなかにも、その行為のどこが悪いのか正確に理解できなくて、
相手の誤りを罰しようという正義感のために、事がエスカレートしてしまうのです。

それでは、シングルフォーカスに陥っりがちな子が、
暴力に至った時は、どうすればいいのでしょう?

「頭の切り替えが難しい」のが
トラブルの原因なのですが、

トラブル後も、「頭の切り替えが難しい」ために

親や先生が最初に発した言葉や、問いにとらわれてしまって、
肝心の何が悪かったのか、次からどうすればよいのか、
が考えられなくなってしまうことが多々あるのです。

ですから、シングルフォーカスの特性を持つ子が問題を起した場合は、
反省させたり、謝罪させたり、どうしてそんなことをするのかと問いただしたり、
罰したりする前に、
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まず「教える」「理解させる」ということを最初に意識して、
対応していくことが大事だと思っています。
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以前、こんなことがありました。

グレーゾーンの男の子が、悪さをしたので、

親御さんがおこづかいの一部を取り上げました。その子が私に向かって繰り返しぼやいていたのは、
「おこづかいって言うのはさぁ、親が子どもにあげるものでしょう?でもぼくのお母さんは、子どもから親にお金が行くようにしてるんだよ。方向が逆でしょ。おかしいでしょ。親から子どもじゃなくって、子どもから親なんだから!!」
あんまり熱くなって、それを繰り返すので、本人がした悪さの内容(かなり悪いことです)についてたずねてみました。
すると、急に熱が冷めたように「わからない」と答えました。もう半分忘れてしまったような様子です。
言葉の定義や、自分の狭い考えにとらわれてしまって、そこから抜け出せないのです。

アスペルガーの当事者の方にうかがったところ、

「シングルフォーカス」で状況がつかめないと被害妄想にも陥りやすく、
怒りに「シングルフォーカス」して気がついたら法律を破る暴力をふるっていることだってあるそうです。
殴る蹴るといった暴力ではなく
ネット上で悪い人に対して正義の戦いをしたつもりでも、

いつの間にか常識や法を破る(=暴力)ことになってることがあるようです。

周囲の目にはズレてうとましくしくうつっていても、
本人はシングルフォーカスゆえに、
周囲の状況が読みづらいので正しいことを言っている、やっていると思っている状況があるのです。

Aちゃんの「1+1=2」は、
人によって、規則だったり、
ある知識だったり、
その人が常識と信じるものだったり、
正義だったり、
道徳だったりします。

「正しさ」というのは、
状況によって変ります。
「1+1=2」のように永久不変に思える正しさであっても、
「国語の時間に連呼する」という行為がともなえば、正しくないものになってしまうのです。

そうした「暗黙の了解」の上に成り立つルールを
シングルフォーカスという特性を持っている子に伝えていくのはとても難しいです。

一般的な親や大人は、
正しい事が、状況や使われ方によって正しくないといった
暗黙の了解は、「言わずとしれたこと」なものですから、
意識にのぼらせたこともないという方は多いです。

そのため、トラブルの際に、
そうした言葉にしにくいものを
きちんと説明して、理解させている方はほとんどいないようです。

私は、そうしたタイプの子には幼児のうちから、叱って終わりとせずに、

『普遍的で正しい事実も、
状況や使い方次第で正しくなくなることもある』

ということを、経験の中で、その都度ていねいに教えていくことが

大切だと感じています。

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シングルフォーカスの特性を持つ子どもへの指導の仕方です。


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★狭い細部に強く注目してしまう

★次の活動に切り替えられない

★全体の結びつきを理解しにくい

★聞くと書く 足と手 など同時にふたつのことを処理できない (不器用)
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といったシングルフォーカスの特性を持っている子に学習を教えていると、
「手を変え品を変えして説明しても聞いているのかすらわからない」
「頑固なほどに物分りが悪い」
という場面にぶつかることがあります。

その姿から、「この子はやる気がない」「他人の話を聞こうとしない」とか、
「この子は全然できない」「わかっていない」と決め付けてしまう方がいます。

ちょっと注意が必要なのは、
同じひとりの子が、シングルフォーカスに陥って、とても視野が狭くなっている時と、そうではない時で、
理解力や思考力に大きな開きがある場合が多いことです。

まるで頭がフリーズしてしまったように
「わからない!わからない!」と言い張るようなときは、
いったん学習を終わらせて、別の機会にそれまでとは違うアプローチで
説明すると、すんなり理解することがよくあります。

シングルフォーカスに陥りやすい子は、負のイメージを持った記憶を
いつまでも保っていて、
前のときにわからなかったものを
もう一度同じ方法で教えようとすると、
一瞥しただけで考えようともせずに「わからない!」と
決め付けることがあります。
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上の2枚の色板は、アスペルガー症候群のもうすぐ4年生の☆ちゃんの学習で使っていたものです。

この子は、とても記憶力が良いのですが、
前に覚えた知識に固執するあまり、新しい概念を学んでもそれを受け入れることができないことがよくあります。

たとえば、1の線分を10に分けたうちのひとつが10分の1だと習うと、
次にそれが 0.1 でもあると聞いたとたん、

「10分の1と 0.1 のどちらが正しいのかわからないから、全部ちんぷんかんぷんになってしまった」

という事態に陥ってしまうのです。

☆ちゃんが今、悩んでいるのは、はかりの読み方です。
☆ちゃんはどの量りも、時計のように、この位置ならこの重さという
決まった答えがあると思っています。
でも良く似ていても、時計とはかりは大違い。
同じひとつの目盛りに見えるものが、あるときはひと目盛り1グラムで、あるときは2グラム、あるときは5グラムと読み方が変わります。

そうした説明をいくら受けても、☆ちゃんは
最初の自分の思い込みにしがみつくばかりです。

そういうときには、教科書やプリントから離れて、
手で操作できるものを準備することが大事です。

写真の色板を見せて、「ここからここまでが10のとき、半分のこの位置はいくつかな?」とたずねてみると、
☆ちゃんは首をかしげています。
ここからここまでがどれだけの大きさかということから遡って、
半分だったらそれがいくつになるかわからないとすると、
はかりを読むのは難しかったはずです。
まず、こうしたシンプルな教具で、

10本色板を並べて、「ここからここまでが100グラムのとき、ここは何グラムかな?」とか、
5本の色板を並べて、「ここからここまでが100グラムのとき、ここは何グラムかな?」とたずねてみて、切る数によって、数値が変わってくることを感覚で学ばせていく必要があるのでしょう。

それでも、たいていの場合、すぐに「わかった!」と納得しないはずです。
でも、そうして教えてから、しばらく時間を置くと、ちゃんとできるようになっていることがよくあります。

シングルフォーカスの特性を持っている子は、

● 頭がひとつの考えに占められている状態が鎮まって、少し自由に考えられるようになるまでゆったり待ってあげること

● 視覚優位の子が多いので、目で見て手で操作して考えられるようにしてあげること

のふたつが大事だと思っています。


シングルフォーカスの特性を持っている子というのは、
自分のわかっている知識を想像力を使って加工して、
わからない知識を理解するのに使っていくというのが苦手です。

そこで、私がとても重要だと感じているは、
「想像力が弱い」という状態に対する
周囲の人の想像力です。

イメージすることに苦労しない一般的な人々は
想像力が弱いというのがどんな状態か、
想像してみるということはほとんどありません。

でも、自分の持っている想像力を使って、
そうしたハンディーが
どのような場面でどんな困難を生み出すのか
ていねいに考えていくようにすると、
子どもが先に進めなくて困り果てているときに、適切な支援をしてあげることができます。

たとえば、ものさしの絵と、リボンがいくつかに切りわけられている絵がワークブックに描かれているとします。

ものさしの目盛りには、左からだんだん大きくなる数字が書いてあって、
その線の位置の数値は、0からその場所までの長さを表しているという暗黙の了解があります。
リボンの場合、ある長さが、何センチという分量を表しています。

見た目がそっくりに描かれていても、一般的な人は、そうした暗黙のルールを想像力を使って見分けて、理解しています。
でも、シングルフォーカスの特性を持つ子たちには、
同じように線で描かれているなら、同じものに見えてしまうのです。

そこで、ひとつひとつ、実際に目で見て触れるものを用意して、
「この場合は、これを思い出して考えてね」「こっちの場合は、これを思い出して考えてね」と具体的に考えていける何かと結びつけてあげる必要があるのです。

そこに必要なのが、(繰り返しますが)「想像することが困難である」ということに対する
想像力です。

想像力にハンディーを持っていない人々も、
普段の生活では、過去のパターンに反射的に反応するだけで、
意識して想像力を使うことはあまりないようです。

でも、多くの人が、ちょっと意識して、いろんな場面で想像力をしっかり使っていくと、
想像することが苦手な子どもたちが、潜在している能力を伸ばせるようになるだけでなく、
少しずつ想像する方法を学んでいくことができるのです。