虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

3歳前後の子らと算数遊び

2012-06-08 12:49:07 | 算数

 

3歳前後の子らと算数遊び。

 

「いくつ?」

「何人?」

「何人のれるかな?のせてみよう」

「ならんで!ならんで!」

「何人のれたかな?」

 

子どもたち真剣そのものですね。


小学2年生の算数でつまずく理由 と ブラックボックス 2

2012-06-08 09:18:49 | 算数

小学2年生の算数でつまずく理由 と ブラックボックス 1

の続きです。

 

過去記事で、息子とした次のような会話を取り上げたことがあります。

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教室での出来事を話すわたしに

息子が「それそれ」という調子で興味をしめして、

「最近、ネットで

小学生の算数の教え方が話題になってるのを読んで

いろいろ考えていたところだったんだ」と言った時の会話です。

 

 

母 「小学生の算数の教え方って?」

 

息子 「かけ算の文章題を教える時に、『かける数』『かけられる数』って

言葉を使って教えるよね。

それが、わかりにくいんじゃないかって議論をネットでやっててさ。

それを見てて、言葉を多用し過ぎる弊害というか、

確実性を高めようとして

言語化できない概念まで言葉で表現しようとすることで、

子どもの学習能力を落としているよなぁと思ってさ。

言語はある意味、記号に過ぎないんだから、

言語化できない直観で捉えるようなものまで

言語化しようとすれば、自然に発展するものを

小さな枠に押し込めてしまうことにも起こるんだなって感じたんだ」

 

母 「言語化できない直観で捉えるもの……?」

 

息子 「そう、さっきの『かける数』『かけられる数』にしても、

もし子どもの目の前に皿やかごに同じ数ずついちごを入れたものを見せたとするよね。

子どもはそれを目にするだけで、直観的に『かける数』にあたるものと、『かけられる数』にあたるものの

違いを感じとって、

自分に求められていることを直観的に理解することができるはずだよ。

それを『かける数』『かけられる数』という言葉に言いなおして、

伝え間違いが起こらないように確実性を高める時、

実際には、子どもが自分で目で見て感じとっているものと、

その言葉をつなげることができないまま、そこが切断された状態で

学習が進みがちなんじゃないかな。

 

子どもには子どもだけが持っている直観的な理解の仕方があるように思うよ。

それは学習の根っこの部分とつながってる。

大人の考え方の多くは、より確実にしようとするあまり、

言語化した時点で、大きな樹の葉っぱの部分になってしまう。

そうして葉っぱの部分を繰り返し教えて定着させることが

教育だと思われているけれど、

やっぱり何度も根っこに立ちかえることだって必要なんじゃないかな?」

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「学校の教え方がわかりにくい」

「教わるとかえってこんがらがる」「大人でも学校の先生の説明を聞いていると

わけがわからなくなる」という話をよく耳にします。

これって、先生の能力の問題なのでしょうか?

もっと盲点となる問題が隠れているのではないでしょうか。

 

以前、次のような記事を書いたことがあります。

 

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『東大パパのGo!Go!業!』というブログの東大パパさんから、

「うちのブログで、

紙皿の中心と数学の概念という記事で書いたこととつながりそうですね」

というコメントをいただいて、さっそく記事を読ませていただき、とても共感しました。

日本古来の数学が手取り足とり教わるのではなく、

大概の概念を自ら悟り、自分の力で切り開いていくものだったとは初耳で驚きました。

 

「悟り」という言葉から宗教的なイメージがぬぐえないのなら、

「洞察」という言葉に言い換えた方がいいかもしれません。

 

「洞察」というのは、それまで関連性を見いだせなかったものから、新たな関連性を見抜く

心のなかで起こる経験で、類人猿も

これと似た学び方をすることがあるそうです。

おそらく進化の過程で身につけてきた高度な脳の機能なんでしょう。

確かに、頭のなかの情報と情報の間に橋がかかって、

「あっそうだ!」と深く納得する瞬間ってありますよね。

 

↑の写真は3歳児さんたちのグループレッスンでの工作風景です。

紙をくるくる丸めて遊んでいたところ、

写真の★くんは、急に閃いて、丸めた筒をどんどん接続していって

「巨大な望遠鏡」をこしらえました。自分のアイデアに大満足の★くん。

★くんの内面で、丸めると覗き穴ができることと、接続していくと長くなること、

望遠鏡へのあこがれの3つが、パッとつながったようなのです。

 

「こうしてごらん」「こうやってごらん」と手取り足取り教えられて

指示通りに動く体験ではなく、

子ども自身の内面で経験と経験がつながって「わかった!」と納得する

ような体験をたくさんしている子は、

物事の本質をしっかりとつかむのが得意です。

そうした洞察力を使う場面が、遊びや物作りのように

勉強とは関係ないところでそうした力を使っていたところで、

学習する時にもその力はやはり発揮されるものです。

 


発想→試す→失敗→考える→工夫→振り返る

2012-06-08 08:00:34 | 工作 ワークショップ

 

4歳の●くん。教室にあったトースターのおもちゃのレバー部分に

電車のおもちゃを乗せて、四苦八苦していました。

トースターのパンが飛び出すしかけを利用して

電車を持ち上げたかったようです。

でも思うようにいきません。

そこでレバーに厚紙を貼り付けて

長い電車が転げ落ちないように工夫してみました。

が、ボタンを押しても電車はびくともしません。

「重過ぎるんだね。重いと持ち上がらないね」そんなことを話しあった後で、

●くんは折り紙の作品や小物など厚紙の上に乗せてボタンを押していました。

簡単に上に持ち上がります。ぴょんと飛びあがるものもあります。

 

どれくらいの重さまでなら持ち上がるのでしょう?

 

「ポーンと飛び跳ねる」というような面白い動きはどんなものを乗せたときに

起こるのでしょう。

 

自分で気づいたアイデアについて、探求するのは面白いですね。

 

いたずらのように見えることも、

 

発想→試す→失敗→考える→工夫→振り返る

 

という手順をしっかり踏んで、子どもが言葉を使って自分の発見や考えを

メタな視点から眺めることができるように手助けしてあげたいと考えています。

 

↓は年長さんの男の子と作った

紙コップにコーヒーが注がれるタイプの自動販売機。

コーヒー、湯、ミルクが

それぞれ別の投入口から注がれるようになっているところがポイントです。

紙コップのそこに筒状の何かを取り付ける方法をマスターするだけで

いろいろと面白いものが作れそうですね。