虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

お店やさんごっこで数遊び2

2010-04-22 15:55:44 | 算数
たまごを配ってもらう ぞうさん家族。
「お勉強」として、数に触れるのでなく、
ほのぼのする遊び心ある体験の中で、数を体感すると、
算数が大好きな子へと育っていきますよ。

コツは、いっしょに楽しむこと。
せかないこと。

世界で最初の「幼稚園」を創設したフレーベルは、

「言葉で多くのことを答えることがないようにするのがいい。答えを自らもとめ、独力で発見することに比べて
他人の答えは、半分も理解していない。
直接子ども自身の知識から自力でみつけるための
条件を子どもに与えてやるがいい」

という言葉を残しました。

子どもの遊びに知的な要素を取り入れるとき、
このフレーベルの言葉はとても大切なポイントになると思います。
ごっこ遊びに算数を取り入れるにしても、教えることにばかりに
気を取られるとすれば、
何もしない方が知性を伸ばすことになる場合も多いのです。


フレーベルは次のようなことも言っています。

「教師の仕事とは、それぞれの樹の特性を十分に知って、
自然のままに成長できるように
場所を手入れし、
芽を出すのを静かに待ち望むことではないか?」

心にとめておきたい言葉ですね。

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お店やさんごっこで数遊び

2010-04-22 15:44:30 | 算数
3歳8ヶ月の★くんが、お店屋さんごっこで遊んでいます。
ぞうの家族にたまごを買ってきました。
数が足りるかな?
★くんは、6つたまごを買ってきて、ひとつひとつぞうの背中に乗せてみてから、
数が合わないことに気づいて頭をひねっていました。

いすの上に並んでいる積み木は、レンタルビデオ店のビデオです。
ビデオを借りて、イスのところにセットして、
「あっ、○○の戦いのところだよ」とイスの背もたれの見えない画面を指差しています。

どんどん想像力が豊かになってきた★くん。
このごろ、さまざまな道具の仕組みに興味しんしんなのだそうです。

ペダル式のゴミ箱を指して「どうして、足で押すと、ふたが開くの?」と
たずねてから、中をしらべて、 
「あ~押したら、こうなってこうなって、棒で上にえいってなるんだね」
と身振りでうれしそうに表現していたそうです。
ブロックで、さまざまな道具をお父さんと作って遊んできたことも、
仕組みへの興味のきっかけとなりました。

次回に続きます。
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遊びを通して、学力をつけるには?

2010-04-22 06:18:14 | 教育論 読者の方からのQ&A
コインを選別する貯金箱で遊んでいる子どもたちです。
いろいろな仕組みを作って大喜びの子たちに、
「10円玉が出てくる穴からは、100円も出てくるのはどうしてだと思う?100円の方が値段が高いのにね」と言うと、ひとりの子が、
「10円玉の方が、100円玉より大きいからだよ。形がさ。
ほら、重ねてみたらわかるよ」
と答えます。


「どんな教材で、何を教えるか?」ということに興味がある方は多いのですが、

子ども自身から「何を引き出すか?」には無関心という方が多いです。

ですから、子どもが年齢よりも幼い子用のおもちゃで遊んでいたり、
お家にあるおもちゃで遊びだすと、

ちょっとでも早くそれをやめさせて、もっと有意義な素材で
遊んで欲しい、学んで欲しいという思いでせかしてしまいます。

本当言うと、関わる人が、子どもから「何を引き出すか」を把握していれば、
やっていることは何でも良いとも言えるのです。

赤ちゃん用のコロコロ玉を転がすおもちゃに興じている4,5歳児に、
「どうして、高いところから低いところに転がるのかな?」
「どうして、三角や四角の形のものより、丸い形の物は転がるんだろう?」
「このおもちゃの仕組みを使って、面白い機械が作れないかな?」
「ここからここまで1分で転がるとすると、
上から下まで転がるのに何分かかるかな?」
といったことをたずねると、子どもは一生懸命考えて、
自分の言葉で思ったことを表現しようとします。

そうした答えが、
理科の問題の答えとしても通用するくらいに、きちんと言いたいことの意味が伝わるようにフォローしてあげたり、
きちんとした接続詞を入れて、説明ができるようになるよう
子どもへの返事に気をつけていくと、
やっていることが何であっても、子どもの能力はアップします。

小学校に入学すると、みんなで一斉に足並みそろえて進みますから、
「つ」と「し」の文字を習うのに、
1時間近く先生の話に集中していなくてはならないなんて……
「そんなの知ってる知ってる」という子には退屈きわまりない時間もあります。
そこで、「もう知っている」という事柄からは、
見た瞬間、テレビの電源を切るように、プツンと興味を閉ざしてしまう癖がついていると、
どんなに先取り学習しているという子も、
1年も「知っていること」を学ぶうちに、考える力を鈍らせてしまいます。

それは学校がゆっくり進みすぎるから悪いとか、
集団教育主体だから悪いとか言うよりも、

かつての子どもは、
石ころひとつからも、ありとあらゆる疑問を抱いたり、活用法を考えたり、記憶を呼び覚ましたりする自由な発想ができたのに、

現代の子が、石ころは=石の塊にしか見えない
という大人のような固定観念でロックされた物の見方しかできなくなったことも原因しているようです。

大人が、子どもの内面から、「興味」や「疑問」や「集中力」や「やる気」や「遊び心」や「想像力」や「考えることのおもしろさ」を引き出すことをせずに、、

やらせたい「物」や
教えたい「事柄」にこだわってしまうのと同じように、

子どももまた、自分が関わっている対象から、「興味」や「疑問」や「集中力」や「やる気」や「遊び心」や「想像力」や「考えることのおもしろさ」を引き出す力を失っているように感じます。

そうした「引き出す力」そのものって、教えれば身に付くものではなくて、
子どもが自分でやりたいと思った遊びに
興じるうちに、コツをつかんでいくものだと思います。
うちの子たちが小学生のときを思うと、とにかく毎日、
時間の許す限り遊んでいたので、覚えたり、素早く訓練して身に付いているものは他の子より少なかったけれど、

サイコロ1個からも何百通りの遊び方や疑問を思いつくような
「引き出す力」は育っていました。
その力が、大学受験となるととても役立っているのを感じます。

先日も、数学を勉強していた息子が、
「微分積分はすごいよ!これを考え付いた人はとにかくすごい!三平方の定理なんて目じゃないくらいだ」と感動していました。
「どこがすごいかって数学の体系そのもの全てが、微分積分の持っている入れ子の箱のような数式で表せる構造におさまってしまうことだよ。

数学の世界ってどこまでもシンプルで単純な形になおしていけるところがあるから、基本を深く理解すると、かなり幅広い部分までわかっちゃうとこあるよね。

たとえば、足し算を本当に理解すると、引き算やかけ算は、足し算の意味の中に含まれている。
でも、かけ算から累乗(Nの2乗など)へとなると、それまで足し算からいきついたかけ算からすると、
異なる次元にジャンプしているとも言えるから、そこでは、

足す概念ではなくて、かける概念を深く理解しなおす必要があるよね。

そんな風に数学の世界って、入れ子の形でにおさまっていってて、

微分積分は、その異なる次元へのジャンプをシンプルな公式の中で
可能にしてしまうところがすごいな~
ってびっくりしたんだよ。
つまりさ、微分積分が、記号をつかって、数学そのものの性質を、論理的に説明しているようなところがあるんだよ」
という話でした。
小さいころから遊ぶことにかけては、誰にも負けない息子。どんなものでも、どんな場所でも遊べてましたから。
勉強の効率として良いかはわからないけど、
受験勉強もかなり楽しんでいる様子だし、
とにかく何をしていても、そこから面白さを引き出せる性質は得だな……と感じました。

息子の発見と 『働く母の、徒然育児日記』の抹茶ちゃんの発見が、
ちょっとつながっていたので、リンクさせていただきました
★かけ算の扉

教室の子たちとも、いっぱいいっぱい「こんなに、面白い!」を
発見していきたいな~と思いました
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