虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

親御さんがいない間の大きな変化と成長

2009-08-04 08:15:51 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
年長さん中心の科学クラブも、夏の初めて会う子同士のブロック教室も、
親御さんが席をはずしている1時間半の間に起こる子どもの変化と成長には
とても興味深いものがあります。
グループレッスンのとき、
いつも最初の1時間半は親御さんに外をブラブラしていただいています。

この子どもたちと私だけで過す短い時間の間に、
子どもの学習に対する態度や物に取り組む姿勢が
良い方向にグーンと成長することがよくあります。

何が子どもをそのように前向きにさせるのか?よく観察していると、

お友だちに自分ができることを教えてあげる体験

お友だちから認められる体験

自分のひらめきにお友だちが気持ちよく応えてくれた体験

お友だちへの興味や関心がちょっと攻撃的な態度から
お互いに楽しい気持ちを分かち合うものに変化したとき

お友だちから教わる体験

教え教えられるのは綿を丸める程度の簡単なことでも
子どもに自信をつけて、自分のすべきことに対する自覚をうながすようです。

ただこうした社会の中の自分に気づき
年齢相応の自分のすべきことを自覚する

という心の変化は親御さんが近くにいてその姿をつぶさに見つめていると
起こりにくいようです。赤ちゃんのころから自分を知っている人が
近くにいると、自分の殻はやぶりにくいものです。

昨日のブロック教室には男の子たちにまじって女の子がひとり参加していました。
最初、その子は少し幼い印象でした。
が、ブロックに100ショップの大きなばねのおもちゃを取り付ける遊びを
「私、これ持っているから」と進んでやっているうち、
お友だちが興味を持ち、私が作り方をその女の子に習うように他の子たちに言ったあたりから、自信に満ちた積極的な態度が目立つようになりました。
その子は一番に工作を覚えたがり、他の子たちは
真剣にその子の作るものを見て学ぼうとしていました。

私は子どもたちの小さなグループのなかで、
知的障がいの子であっても、発達障がいの子であっても、
そうしたその子の精神的な成長をうながす立場が経験できるように調節する役割をしています。
教える子には自信と自覚をうながして、
教わる子には謙虚にまじめに見聞きするようにうながしています。

それが、かなり暴れん坊の子も、ふらふらしてやる気のない子も
親御さんがいないところではそうした態度を身につけられるし
親御さんが帰ってきても持続できる子がほとんどです。

特に同じメンバーで3回ぐらいグループレッスンを続けていると
親御さんに参観していただく30分の子どもたちの学習態度が
はじめのころからすると見違えるように真剣なものになっていて
驚かれることがあります。

そんな子どもの様子を見ていて
今、家庭でも学校や園でも、子どもがあまりにも受動的な
ひとつの役割やキャラクターを担っていて、
その子ども子どもしたキャラクターから抜け出せなくなっているのではないかと思えるのです。
しっかりした子はいつもしっかりした子だけど、ポーッとした子はいつもポーッとした子。
できない子はいつもできない子~。いつも妹キャラの子。いつもおふざけキャラの子など。

子どもを成長させるには、
そうした周囲のまなざしが作り出してきた
その子を閉じ込めている「決まりきった性格や態度」に
別の面から良い評価を与えたり、
別の立場を体験させて認めて褒めたりすることが大事だと思っています。

写真では、
忍者がネコの目のひとみの形を時計代わりに利用していたことを学んでいるところです。
自分たちも外でネコを見つけたら、時間がわかるように
オリジナル時計を製作中♪