虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

赤ちゃんの「脳」の仕組みと 臨界期の話

2009-06-07 12:54:35 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達
船便の関係で、少し早めに帰宅しました♪

脳科学研究の先端を担う小泉英明氏のお話を少しかみ砕いてお伝えします。私が教室をしながら感じたことも付け加えさせていただきますね。

脳は行動に対する反応を学習することで発達します。
学習によって新たな神経回路ができます。
学習しても、神経回路の構築ができにくくなる時期があることがわかって、
そうした可能な時期を「臨界期」と呼んでいます。
できにくくなるといっても、できなくなるわけでないので、安心してくださいね。

ネコの赤ちゃんに縦縞だけを見せて育てると、
横縞を見せても認知しにくくなり、一生回復しないことがわかっています。
人間の子も色がないところで育つと、色がわかりにくくなったりするそうです。

最近はおしゃれでナチュラルなインテリアや服が流行しています。
ベージュや茶を基調としたシンプルな物に囲まれて育つことは
情緒の安定につながるかもしれません。
けれど赤ちゃん時期に、そうしたおしゃれに統一された空間で
過し、外へ行くときはベビーカーに乗ったままのことが多いと、
子どもの色彩感覚や、それにともなう色のちがいから判断していくIQ問題を解く力などに影響を与える気がします。

生後1~2ヶ月で赤緑の区別、4ヶ月ほどで黄色青の見分けができるそうです。
しかし、私が幼い子たちに接していると、1歳後半くらいでは、
色に違いがあることを意識していないかのような反応の子がほとんどです。

赤ちゃんははっきりした原色の赤や青から受ける刺激が大好きです。
趣味じゃないから……インテリアに合わないから……と
ベビー用の服やおもちゃをすべて同じような色に統一するのは
考え物です。パステル調の色あいのがらがらなどは、大人からすると赤ちゃんの雰囲気にぴったり……ですが、赤ちゃんからすると色の見分けがしにくく、見ることへの興味を弱めるかもしれません。

また、赤ちゃんに見せるのは教材的なカードやDVDは、
2次元の世界で静止画ばかりになるので、
赤ちゃんが視線を動かす必要がなく3次元の世界を認識できないので、
脳の発達からすると、外の散歩や抱っこしてお部屋で見せてあげる実物よりもずっとおとります。
一歩外に出れば脳のために良い高レベルの体験をさせてあげられるのに、
わざわざお金を払って質の悪い体験をさせるのは
バカバカしいですね。


それでは、臨界期までに何をすれば良いのでしょう?
赤ちゃんは遠くにあるものや近くにあるものを眺めたり、
空の色や駆け回る年上の子たちを眺めたり、皮膚で外気を感じたりしながら、機能の高い脳を作り上げていきます。
お母さんの声で、それらのものを説明してもらったり、
さまざまなものに実際触らせてもらうのもとてもいいです。十分、ハイハイすること、お母さんがすることをじっと眺めて、自分がやりたいと思う仕事を観察することも大事です。

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



web拍手を送る)