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「ソロモンの偽証」前篇&後篇

2015-04-15 11:25:28 | 映画
なんやこれっ!!!???

ラストの展開はまるっきし、中二病のワシやんけ!!!

なんなんこの一連の導線は???

まるで、この作品を観るために、しのぶさんの「事件」を観させられ、「博士と彼女のセオリー」「アメリカン・スナイパー」も観させされ、そして、運命の博多&筑豊に導かれたのか!?あんな病気発言をしたのか!?

ということで、後篇のロードショーを待っていた訳じゃないんですが、運良く1100円で観れる日だったので前篇と後篇を続けて観てきました。

後篇のネタバレをしてるかもしれないので、出来れば鑑賞後にお読み下さい。


ホンマ、ビックリするくらいまるっきしの私が映画の登場人物として存在していて、もうね、前篇も後篇も涙涙でした。

とっても素晴らしい作品でした!

ほんまに、ほんまに、登場人物が、それワシやん!?って言いたくなるくらい、家庭環境も似てたし、感じてることも分かるし、言われたことも同じだし、私もそれをトラウマとして抱えて生きてきたから、めちゃくちゃ共感しまくりでした。

学校のイジメ問題をメインテーマにしながも、家族、友達、学校、マスコミ、警察の在り方や、自殺問題も含め、まだ中学生なんだから本来は向き合わなくてもいい“生と死”に対する観念や、自分自身と向き合いことの大切さをリアルに描いていて、この作品は、特に子を持つ親、これから結婚して子供が欲しいと願うカップルに観て欲しいと思った。

親子関係、教師と生徒の関係、友達関係など、向き合い方の盲点もちゃんと描かれているので、宮部みゆきさんの着眼点と洞察力と観察力の素晴らしさに感心しまくりでした。原作は読んでないんですけどね…。でも、これは間違いなく、原作や作者を無視した作品でない、ちゃんとリスペクトした脚本だと確信してます。

ただ、尾野さんと余さんのシーンは要らなかったかな…m(__)m

っていうか、あれ、縄文杉ですよね?????机の上のカレンダーもどきの絵が非常に気になった。

は、いいとして、まだ、後篇が始まったばかりなので、大事なとこはネタバレしないように書きますが、

子供たちの抱える心の闇にも共感できる描写でありながらも、ちゃんと親、先生、警察、それぞれの心理描写も明確に描写されていて素晴らしかった。

親子関係に関しても、様々なパターンの親子関係が描かれていて、子供と向き合うことは結局は自分自身と向き合うことなんよね。


人には人のそれぞれの価値観があるから、絶対こうあるべき!とは言えないけど、人間は自分で経験し学ぶことで少しずつ成長して生きていく生きものなんだとつくづく思う。

太宰治みたいな登場人物が現れるけど、気持ちは分からなくもないけど、あまりにも世の中を達観するのもね…と思った。私なら、そこまで、分析出来る力があるなら、哲学書でも書いて、人に役に立つ人物になれよ!って言いたくなった。これも私なんだけどね…(汗)

あれもこれもあちらもこちらも私自身を見ているようで、本当に自分の心を丸裸にさせられる感覚を味わうけども、何故か見終えた後は、心が浄化された不思議な感じを味わった。

博多に行った時に、今まで考えなかったことが湧き出て、いい年したオッサンなのにね…、めちゃくちゃ落ち込んで帰ってきて、でも、ブログを書くことで自分なりにはい上がれたたつもりでいたけど、少しはモヤモヤが残っていた。

この作品を観たら、その落ち込んだ気持ちやモヤモヤした気持ちも結果的には私には大切な感情で、それをちゃんと言葉にして誰かに伝えることで、心の病を癒していくことなんだと思った。そうなんだよ、まるっきし一人で抱え込むとおかしくなっちゃうんだよ。

自意識過剰発言させて頂くと、この映画は私の存在を肯定してくるそんな作品でした。

本当は、今日は、気分的にはウディの新作コメディで心をスッキリさせようと思っていたんだけど、何故か流れがこっちに向いちゃったんだよ。友達にこれ観ると言ってしまったんだよ。絶対これを観ないといけない状況ではなかったんだけど、1100円で観れる安い日だったし、ウディの作品は上映してなかったし、「バードマン」を観るにはさすがに早すぎると思ったし、いつも拝読させてもらっているブロガーさんが絶賛されていたので、こちらを観たんですが、私には本当にタイムリーな内容で驚きました。これこそ、導かれてるわ~と思った(笑)

本当は、めちゃくちゃネタバレして思っていることを更に暴露したい気持ちでいっぱいなんだけど、観て欲しいから書かない。観たらどれもこれも私の家庭環境の一部だから書く必要がない。

あえて書くなら、私は松子ちゃんみたいな人間ではない。あんな両親でもない。

だから余計なんだけど松子ちゃんみたいな人間が好き!しかもめちゃくちゃ最高なキャラでした。これ、実は不適切発言ではあるんですが、私の最高の癒しでした。池谷さんと塚地さんが演じるご両親も素敵だった。あんな親子関係がホント私の理想。

「八日目の蝉」ファミリーの女優さん達が、前回と全く違う役柄で登場していたのも魅力的でした。ぶっちゃけ、永作さん演じるオカンが、それこそ中学時代の私のオカンに似てたから、性格がね。子供の気持ちは良く分かる。

余さんは、ホンマ、名作に絡んでくるね。ある種の女神様やな。森口さんは今回は良いお母さん役でしたね。市川さんはリアル過ぎて怖かった。

子供たちの演技も素晴らしかった。暴力シーンがガチっぽかったんやけど、どんな撮影現場だったのか想像してしまったくらいリアルで辛かった。

主演の女の子、初めての演技だとは思えないくらいしっかりした演技だった。個人的には判事の男の子も良かった。松子ちゃんを演じた子が一番やけどね。

ひとかけらの勇気があるだけでも、人生は大きく変わるし、誰かを変えさせることも出来るんだよ。その勇気をどう使うかはその人次第だけどね。

そうそう、余計なことですが、美輪さんを否定する訳じゃないけど、私はありのまま生きることは決して間違っていると思わない。ありのまま生きることの方が、努力することと同じくらい大変だということを美輪さんが一番分かってるはずなのに…。あ、「黒蜥蜴」観ますから。観させ下さい!

私自身も忘れたい過去はたくさんある。今なら笑える失敗もたくさんあるし、笑えない失敗もたくさんある。不思議なことに、忘れさせてくれないんよね。必ずふとしたきっかけで思い出すんよね…。

昔は嫌な過去から逃げて来たけど、不思議なことに必ず対峙しないといけない時が来る。そこを乗り越えないと次のステップはないと経験で学んだ。乗り越える力が生きる力なんだよ、と断言して言える。

ホンマ、よく出来た作品でした。日本アカデミー賞ノミネートは確実やね。

海外での勝負は、どうだろうな…。良く出来てはいたけど、核心的な大きな突っ込みどころ(説明不足)があったから海外での評価は難しいと思うよ。←誰に言ってるねん?(笑)m(__)m

今日のまとめ:私の癒しは、やはり、芸術だと実感した。映画を観たり、お芝居を観たり、絵画を観る方がセラピーより癒しになる。私の場合はね。結局は、高いセラピー代と同じくらい、いや、それ以上の金額は注ぎ込んでるもんな…。

そうだ、花組公演の千秋楽の日、休みだから当日券を並ぼと思ってたのに、まさかの会議で行けなくなった。そんな大層な会議じゃないけどね…。結局前回の鑑賞がラストになってしまいした。もう一回観たかったのに残念。

みりお、かのちゃん、花組の皆さん、大劇場・東宝公演の後、梅芸&台湾組、バウ組と別れますが、体力的に大変なショーだと思いますが、くれぐれも怪我のないように気を付けて下さい。台湾公演の成功を心から祈ってます!

相変わらず、意味不明文章でごめんなさいm(__)m



筑豊

2015-04-10 08:53:45 | 旅行
新飯塚の勝盛公園にあったSL↑

公演「エッグ」観劇後、夜行バスで博多に行ってきました。あ、「エッグ」の感想で書いた姑は舅の間違いです。長文は訂正が面倒なのでここで訂正します。毎回必ず訂正箇所がありますが、本当に面倒臭いのでごめんなさいm(__)m

もちろん、目的は、念願だった親父のルーツを辿る旅です。

戸籍謄本に記載されている出生地をもとに、親父が生まれ育った土地と母校のある土地に行って参りました。

出生地は、実は田川じゃなかったんですよ。戸籍謄本には嘉穂郡横田と記載されていて、ネットで調べたら今は飯塚市に変わってるんですよ。

飯塚市横田で検索して、最寄り駅が新飯塚だと分かり、博多駅から先ずは新飯塚駅に向かいました。

元々この土地は嘉穂郡なので、その名から取ったと思われる嘉穂劇場に行ってきました。


この日は公演がなかったんですが、劇場見学ができるということで三百円払って見学してきました。

古い歌舞伎小屋みたいな建築で、座敷席に、上手下手に花道があり、舞台には手動式の盆もあり、セリもスッポンもありなかなかの舞台設備でした。

舞台から客席を望む光景を写メしました。↓


奈落にも入れたので、手動式の盆の設備も見ました。充電が僅かだったので、たくさん写メ出来なかったので写真はないです。

劇場を後にして駅にむかう途中に見えたのが、

ボタ山です。

五木寛之さん原作の「青春の門・筑豊編」に出てくるボタ山とは違っていて、ボタ山で画像検索すると多く現れるのがこの飯塚市のボタ山です。

唯一現存するボタ山だと地元の方が言ってました。

間違いなく、親父はこのボタ山を見て育ったので記念に…。↓


個人的にはボタ山と言ったらこの山じゃないんよね…。映画で観たボタ山とは全然違うから貫禄がないというか…。そりゃそうだもんね、原作のボタ山は田川市だから。

親父の生まれた横田は存在するんですが、一応時間配分を決めて移動していたので、時間がなくて横田には行ってません。

新飯塚近辺はバスも通っているので田舎田舎してなかった。博多から新飯塚に向かう途中は田舎田舎の雰囲気がありましたが、新飯塚は全然立派な街でした。

で、次に向かったのが、親父の母校の高校があった田川井田です。

今はなき田川東高校の跡地に立つ石碑を写メしました。↓


で、なんと、私が求めていたボタ山が!!!すぐ左後ろに!!!それがこれっ↓


この平な部分が綺麗に削られた跡です。角度が正面で面白味に欠けますが、魅力的な角度は建物が邪魔して写メ出来なかったんですよ(涙)理想は斜め45度に3つの山が微妙にズレて重なった姿を写メしたかったんですが、移動手段が歩きだったので、この写メを撮るだけでも時間が掛かったので諦めました。って以前に、充電が切れて充電出来る場所を探すので必死だった(涙)携帯ショップは見つからなかったですが、駅から数キロ歩いた所にマクドがあったので、そこまで歩いて、腹ごしらえも兼ねて充電をして、再び絶好なポジションをさがしてましたが、これが精一杯でした。全く同じ角度ですが…。↓


間違いなく、親父はこの平の部分の上部がある状態を見ていた訳だから、めちゃくちゃ嬉しかった。

映画のボタ山とはまた違うのかもしれないけど、この山に出会えただけで十分幸せでした。

実は夕方から本命の目的であったので、駆け足で(実際は走ってないですよ)移動&散策しましたが、親父が学生の頃は新飯塚駅(当時は別の駅名だと思いますが…)そこから田川東高校まで電車(汽車)で通っていた姿が想像できたので、運命のお導きに感謝!

実は、「エッグ」の日は希望休みで、他の日はまたもや広島に行くので、希望休オーバーしてたんですよ。なのに、なのに、広島に行く連休とは別に何故か三連休も頂きました!うちの上司は神様とグルなのか!?と疑ってしまったほど(笑)←そんげんなことなかばい←これ熊本弁!?(笑)偶然にきまっとるたい!←博多弁のつもり(笑)

これ本当に神様の導きだと思ってるんですよ。親父のルートを辿る旅はしたかったけど、行くきっかけがなかった。交通費も東京と違って高いし。学生の時は九州に友達がいたので何度か雑魚寝でフェリーを使って小倉や大分まで行ってました。学生の頃は時間がたくさんあったから、ゆっくり行けたけど、社会人になったら、簡単に1週間も休めないやん。

だから希望してない三連休はめちゃくちゃ貴重だったし、博多に行きたかった日を含む三連休だったし、その上、夜行バスもネット検索したら格安があったので今回はそれを利用しました。だから、本当に絶妙なタイミングで博多に行けて、田川に行けて嬉しかった!

本当はね、誰かに誘われて導かれて行くんだと思ってたんだけどね…。まさかの一人旅でした(笑)

今回はもちろん親父のルーツを探す旅でもあるにはあったんですが、結果的には、母親の心理を知りたくなる旅の終わりでした。

ここからメンヘラ発言が含まれるのでご注意下さいね。

私の両親は見合い結婚で、親父は大学進学を機に、何故か母親(私の祖母)と一緒に神戸に引っ越してきたんですよ。そのまま就職してオカンと結婚して兄貴が生まれ、私が生まれる前に西宮に引っ越してきたんです。西宮の方が親父の職場に近かったからもあったとは思うし、神戸の家はアパートで二人の子供を育てるには狭かったもあるとは思うんですが…。ちなみに西宮に引っ越した時には祖母は親父の兄が住む埼玉で同居してました。ちなみに秩父ね。

親父は暴力夫だから、オカンは兄貴を連れて家出をしたこともあったんですよ。生活が出来ないから結局は戻ってきたとオカンが言ってました。私が物心ついた時からもずっと暴力夫だったから、私が物心つかなくても暴力夫だったと思うんですよ。オカンは親父と別れたくて仕方なかったはずなのに何故私は生まれてきたのか、ふと疑問に思った訳であります。

思わなくていい疑問なんだけど、ぶっちゃけ、私って望んで生まれてきたのかな…?って、それを想像すると何故か悲しくなってきました。

今まで考えたことなかった疑問がふと湧いたんですよ。叔母にそれとなく訊いてみようかなとも思ったけど、訊いたらまたおかしくなったと思われそうだから訊かないけど、ぶっちゃけのぶっちゃけ、めちゃくちゃモヤモヤしながら帰宅しました。

でも、今このブログを書いていたら、そんなのどうでもいいわ!と開き直りました(笑)だって母親も父親もいないから訊けないやん。親戚に確認したら、なんでそんなこと訊くの?自殺するんじゃないの?と間違いなく病気扱いされること必至だから、もう思わないことにしました。

たとえ望んで生まれてこなくても、たとえ愛を渇望して生まれてきたとしても、人生は愛することを学ぶために生きているんだと改めて思い直したので、疑問に思うのやめました。いつか、その疑問の解答も分かる日が来ると思ってます。だって田川に行ってボタ山見れたんだから。

もうついでに書きますが、

オカンは亡くなるまでずっと苦労人で、親父の給料だけでは生活出来ないから、仕事を3つ掛け持ちしてました。今だから分かることだけど、精神的ストレスを抱えていたから、私が小さい頃は顔面神経痛で苦しんでました。そのために新興宗教にはまったんです。亡くなるまでその宗教に尽くしてました。だから余計、親父の暴力は病気するまでは増す一方だった。親父は共産主義者みたいに、神様を信じない人だったから。オカンが神棚に食事をお供えする時も、人間に先に食わせるのが当たり前やろ!的考えの人間だったから、本当に喧嘩と暴力が絶えない家庭だった。

オカンも意地を張って宗教やめないし…。

結果的には、私はどちらの言い分も理解する羽目に陥ったけど、最終的には、私も神様の存在を信じることで少しは人生が楽になった。

オカンの信仰心も、最初は子供の私からしても矛盾がある態度を取っていたけど、亡くなる10年は献身的な人になっていて宗教の枠を超えて人望が厚かった。ダンカンさんの亡くなれた奥さんみたいな人だった。本当に誰にでも献身的だった。

オカンからはずっと美輪さんみたいなことを聞かされていたんですよ。兄貴には結婚を勧めていたけど、私には全くではないけど勧めなかった。その代わり、「たくさん苦労してきたんだから、人の役に立つ人間になりなさい」とずっと言われてきました。

だから、このブログを書いているんだと、いや書かされているんだと私は思ってます。めちゃくちゃ私の家庭環境を暴露しまくってますが…。

自分のために書いているブログですが、誰か一人でも心の助けに…なっていたら嬉しいです。

ぶっちゃけ、私も毎日自分と闘ってます。自分を見失わないよう奮闘の日々です。私より大変な方もおられるかと思いますが、どうか自分に負けないで下さい。泣きたい時は思いっきり泣いていい。でも、笑いたい時も思いっきり笑える自分でいてね!

今日のまとめ:いつものごとく、意味不明文章をお許し下さいm(__)m

何故、博多に来たか?興味がある方は、シャーリー・マックレーン著書の「アウト・オン・ア・リム」がヒントです。この本、私が言いたいことと同じことが書いてあってビックリ!

最後まで読んで下さった方への私からのおまけ写メ。

嘉穂劇場のホリゾントの壁に置かれたフクロウの巨大な置物(?)↓


田川井田駅前にある風治八幡宮の御神木↓


皆さんにハッピーが訪れることを祈って…。

「エッグ」

2015-04-08 23:16:58 | 舞台
野田さんの頭の中は、“野田秀樹の穴”があっても分からない…。

を前提に、いつものように感じたままを書きます。

はい、大阪千秋楽に行ってきました。結論としては、とっても良かった。私にはめちゃくちゃリアリティーがある作品に思えてならなかった。

1940年に開催される予定であった東京オリンピックを背景に、実際には競技種目でもない架空の競技“エッグ”を題材として、野田さんなりの過去予想図=未来予想図を描いた作品だと私は解釈しました。

そうなんだよな~、こういう作品を観ると、

純粋な気持ちで、2020年の東京オリンピック開催を喜んでいる人達や、このオリンピックに夢を抱いている若者達や選手達の気持ちをを考えると、政府にはこの純粋な気持ちを踏みにじる行為だけはして欲しくないと切に願うね。

科学の新発見も、学者達は純粋な気持ちで研究に打ち込んでいるだけなのに、政治に利用されたり、戦争に悪用されたりと、純粋な心をいとも簡単に踏みにじるんよね…。

この架空の競技“エッグ”も結果的には戦争利用されてるんよね。ブッキー演じるアベの気持ちを踏みにじみ、そしてアベに責任を負わせる。政治に関わらず、社会でもよくあること。

深っちゃん演じる苺イチエも、純粋に、仲村トオルさん演じるツブライを好きなのに、これは偶然の働きだとは思うけど、結果的には大人の事情&思惑で、好きでもないアベと結婚する羽目になる。

ツブライは、一見、純粋にオリンピックに夢を抱いた青年(?)のように見せかけておきながら、実は、戦争に悪用されたエッグの実験に加担し、敗戦後は事実を隠ぺいするために嘘の自殺をし、濡れ衣をアベに被せる。

そして、純粋なアベは、世間では芸能会社?のオーナーとして、もう一人は競技“エッグ”の監督として認知されている(実は)イチエの両親(秋山さん&橋爪さん演じる)にも悪用され、最悪な結末を迎える。

同じチームメイトで、ツブライに絶大な信頼を寄せている平川(大倉さん演じる)も、実験材料に使われる。

いくら架空の話でも、とてもリアリティーを感じました。本当に純粋な心を踏みにじんじゃアカンよ!と思った。

舞台となる街が満州国だけあって、当時は本当に夢や希望を抱いて満州に移民した日本人もいたわけだから余計、オリンピックに対してもそうだけど、純粋な気持ちを悪用することがあってはいけないと思う。お年寄りを騙すオレオレ詐欺と同じやもんな。

この「エッグ」の中には、「パンドラの鐘」の要素もあって、間違いなく「半神」の要素もあるし、「MIWA」の要素も感じたし、結果的には「障子の国~」の要素も感じたけど、ただ単に、お偉方達の思惑で子供のような純粋な気持ちを穢してはならないという訴えだけでなく、人を愛する気持ちの大切さも描いていたと思う。

ぶっちゃけ書くと、理由は分析出来てないんですが、ラストはウルッときました。なんか、深っちゃんのイチエの魂の叫び声が琴線に触れたのかもしれないけど、満州に留まると決めたイチエや死んだアベの姿に、きっと「悪人」を思い出したのかな…と思ってます。アベの台詞にもあの映画のワンシーンを思い出す言葉がありましたもんね。

決してイチエはアベを愛してないはずなのに、満州に留まろうと決意したあのラストは、たとえ偽りであっても、卑怯な大人どもと一緒に日本に帰りたくないイチエの本音に感じました。

今回は戯曲本を買ってないので、はっきりしたことは分からず感じたままを意味不明に書いて申し訳ないですが、改めて野田さんは凄い脚本演出家だなと思いました。

もし、寺山修司が未完成の遺作を残していたら…?を前提に書かれた脚本。ラストまでは本当に寺山氏の遺作を野田さんが改編しているんだと思ってた。それくらいリアリティーがあった。まさしく、ウディの「ギター弾きの恋」みたいなもんやもんね。まんまと騙された(笑)

本当に本当に、戦争が原因でオリンピック開催中止といった歴史の繰り返しとか、政治利用とか、純粋に夢を持った若者達の夢を壊さないように今の政治家や未来の政治家に切望します!

ということで、まさかの再演の本作。しかも初演と同じメンバーで。初演の時はまだ東京でオリンピックが決まってなかったんか…。偶然でも、まだ2020年を迎えていない今やる意味は大きいと思います。

悪い歴史は繰り返しちゃイカンのだよ。歴史事実は隠ぺいしたり、遠い過去にしちゃイカンのだよ。野田さんは嫌いな言葉かもしれないけど、“ありのまま”を伝えて記憶に留めておくことは大切だと思う。人間、私もそうだけど、自分に都合に合わせて覚えていたり忘れたりするから、質が悪い…。

生&お初のブッキーの純粋な心を持ったアベの演技は素晴らしかった。お調子者なんだけど、心が穢れてない様をちゃんと表現されていてとても良かった。テレビで野田さんがブッキーを褒めていた理由が分かる。ブッキーが語ってたのか忘れたけど…。ブッキーは、個人的に私の映画人生によく関わってくるので(作品に登場するという意味)、映画「タイタニック」の下手なアフレコ時代m(__)mから注目してしまいますが、本当にイイ役者になったね。っていうか、作品に恵まれてるよね。

小悪魔的な深っちゃんのイチエも良かった。「春琴」の時よりめちゃくちゃお腹から声が出ていて素晴らしかった。録音もあったけど、深っちゃんの透明感のある歌声も素敵でした。純粋に人を好きになる。自分に素直で正直なイチエ。可愛い部分と毒っ気な部分の表現の仕方が上手かった。ラストのイチエの心を踏みにじった両親に反発する姿?アベに寄り添わんとする姿がとても印象的でした。最初のパンクロッカーな身なりには驚いたけどね。

最近は舞台にもよく出られている仲村さんは、ブッキーに続きお初ですが、発声が素晴らしかった。良い奴なのか悪い奴なのか分からない役どころではありましたが、結局は卑怯な奴ではあるけど、ある意味人間らしいというか、男らしいというか、信念があるのかないのか分からない役どころを格好良く演じられてました。

オーナー役の秋山さんの男前っぷりはまるで宝塚の男役みたいでした!本当に宝塚にいそうだった。自分の娘をも商品みたいに扱うエゴの塊の役どころで、この役は「パンドラの鐘」のピンカーネル財団(?)のオカン役に似てたね。

監督役の橋爪さんもお初だったんですが、私が想像してた以上に活発な動きをされていてm(__)mその元気さに感動しました。今日は紙が客席に落ちるハプニングがあり、アドリブで野田さんに突っ込んでましたが、私が想像してた以上に舞台役者さんでm(__)m、なにぶんテレビの橋爪さんしか拝見したことなかったので…、その演技センスにビックリしましたm(__)m監督の男らしさも持ちつつ、嫁や姑に尻を敷かれているようないかにも婿養子的な役どころが良かったです。

この、ツブライ、オーナー、監督の三人の善悪が分からない、一番の悪玉はオーナー&姑だけど、この三人が本当に最低ですね。でもこれが現状なんですよ。お金・成功が善と判断する人が、それが悪の源って思わないのは普通。だから人間らしいと思ってる。純粋な人間は、数が少ないから人間らしくないんだよ。残念ながら今の民主主義では、多数決で多い者の考え方が常識になっちゃうんだよね…。

結局、唯一最終回まで見てしまった「怪奇恋愛作戦」(「学校のカイダン」は途中放棄してしまった…)に仲村さんコンビを組んでいた大倉さんの意味不明な存在感ぶりが面白かった。結局はこの平川役も一癖はあるけど最初から最後まで純粋な人間で、最後は人体実験に使われてしまうんよね…。あの毒ガスの演出はリアルだった。

イチエのマネージャー兼振付け師(?)のお床山役の藤井隆さんは、まだ東京に進出する前の吉本新喜劇で活躍していた頃の藤井さんのまんまの役どころだったので超懐かしかった!オネエ系のあんな馬鹿なことやってたよな~とついつい感傷的に見てしまいました(笑)この役も中間管理職的で上に倣え的な役どころで、どこにでもいる社会のthe模範!って感じやね。私もその一人だけど、上に従って波風立たせないのが一番!ってついつい思ってしまう…。

最後に、男女兼用の野田さんは、今回は出番が少なかったですが、この役どころはなんだ…?全体のシナリオライターでもあり、案内係でもありって感じ???案内係はそのまんま、日本から満州へ就職移住する女学生たちを案内する役どころで。シナリオライターの時は…。よく分からない。

“エッグ”の機密文書のカギを握っていたのは、ツブライであったり、イチエであったり、監督、オーナー、女スパイであったから、野田さんの役は…、結局何がしたかったん???m(__)m

1940年に開催される予定であった東京オリンピック…。戦争が始まったから開催されるはずはないんだけど、完全に架空の物語なのに何故かリアリティーのある裏事情は本当にお見事でした。野田さんのリサーチ&想像力は凄い!

今日のまとめ:「MIWA」の時は美輪さんと三島由紀夫氏、今回は寺山修司氏がモチーフになっていたので、いつか唐さんをモチーフにした作品が観たい!カオスとカオスのぶつかり合いだから普通の作品になるかも(笑)m(__)m

では、では、今から旅に出ます。すぐ帰ってきますが…(笑)

続き…

2015-04-03 02:36:15 | 映画
今日のまとめ:カイルの愛国心の気持ちは良く分かる理由…。

私のは愛国心ではないし規模は小さ過ぎるけど、かつて私自身も誰か(職場)のために一生懸命だったことがあった。それこそ自己犠牲に近かったかも…。職場のため職場のため、仲間のため仲間のためと頑張ったのに、何故か悪い出来事がよく起こった。それこそ、なんでこうなるの!?こんなに貢献してるのに!?と神様を恨んだこともあった。

後々私も神様の時間を頂いた時に色々気付かされたけど、誰のためじゃなく、結局は自分のためだったんだよね。誰かに誉められたい、ありがとうと言われたい…。これは私にしかできない役目だ!と思い込んで結局は見栄を張って、しかも体力的にも能力的にも容量オーバーしてたのに、大丈夫だと思い込んで不必要に頑張り過ぎたから、結局自分の首を締める結果になった。一番の原因は、職場や仲間以上にお客さんが大事なことを完全に忘れたのがそもそもの間違いだった。

あの頃は、本当の自分の幸せを完全にはき違えてた。誰かの幸せが自分の幸せ…の本当の意味を分かってなかった。誰かの幸せじゃなく自分の幸せしか考えてなかった。エゴから生まれる幸せと純粋な幸せは全く違うということに後から気付かさせられた。

ちゃんと自分を見ているようで、ちゃんと深いとこまでは見ようとしなかった。結局は某の見返りを求めてたし、都合のよい時の神頼みもしてた。あれは当然の結果だと思ってる。

カイル自身も自分が見えてなかった。彼は見返りは求めてないけど、使命感でいっぱい。誰かを守りたい気持ちは確かにあるにはあったけど、本当に守らないといけなかったのは自分自身だということに気付いてなかった。

スナイパーとしての腕とそのはき違えてられた使命感故に心が壊れていった。何人殺したか数字ではなく、誰を殺したのかが心の闇となって彼を襲う。

戦場という常に緊張感の中に身を置いていたから、家族との日常の中にも、無意識に使命感と緊張感で神経が研ぎ澄まされて、自己コントロールが出来なくなるのは当然だと思う。そもそも人殺しをするために生まれた訳でも育てられた訳じゃないんだから、日常の突然の変化に脳と身体が追いつかないんだと思う。

番犬になるように育てられたはずなのに、結果的には狼になってしまった訳だし、自分を見失うのも当然。彼の純粋な正義感が彼の精神を蝕む。相手が子供や人間じゃなくロボットだったら精神的負担はかなり軽減されてたと思う。相手が生身の人間なんだから仕方ないと言わざるを得ない。戦争が残す爪痕の大きさは当事者にしか分からないんだから、政府はちゃんとそこんとこ理解してないといけないよね。

それから、軍隊に限らず、どんな職業でも、仕事と私生活の切り替えは本当に大事だよ。私の場合は、妄想と現実の境界線がわからなくなっておかしくなっちゃったけど…(汗;)皆さんも気を付けてくださいね!

あと、ドイツ飛行機の墜落事故もそうだけど、これからの時代は、自分との闘い=精神(心)との闘い、だと思っているので、更に感情の起伏だけは気を付けて下さいね。どんな時でも、理性と感情の区別できるようにしてないと後悔先に立たずですよ。

私は元々自分で経験しないと分からない人間なので、失敗だらけの人生ですが、どうか、周りを見て我が振り返って、私みたいにわざと失敗を選ぶ馬鹿なことはしないようにご注意下さい。周りにいる方は皆、反面教師だと思って観察して下さい。



「アメリカン・スナイパー」

2015-04-03 01:54:37 | 映画
さすが、クリント!押さえているとこはちゃんと押さえている!

本当は、今日は、「ソロモンの偽証」を観る予定で映画館に行ったんですが、まさかの今日だけレイトショーがない…(涙)ため、他に観たい作品がなかったので必然的にこちらを観たわけであります。

今日はこれを観て正解だと思った。本当はレンタルで観るつもりでいたんだけどね…(汗;)

というのも、実は、数日前に「博士と彼女のセオリー」を観たんですが、本当はたくさん書きたいことがあったんだけど、感想は闇に葬りました。で、今日「アメリカン~」を観て思ったのが、2つとも自伝を元に製作された映画ですが、同じ自伝でも、書くタイミングがあるねん!と言いたくなった。

今書くべきなのか、もっと後に書くべきか?

誰のために書くのか、自分のため?誰かのため?

江原さんの言葉を借りるなら、小我なのか大我なのか?

圧倒的に「博士と~」は小我です。そして、「アメリカン」は大我です。と私は思ってる。

「博士~」は映画としてはビックリな内容だったけど良く出来ていた。演技も良かった。ホーキング博士役のエディもオスカー納得の素晴らしい演技だった。ジェーン役のフェリシティもオスカーに二番目に近かったと思う。とんでも展開だったけど、ホーキング博士にもジェーンにも共感出来事たのでウルウルしながら観てた。

でも、原作をジェーンさんが書いたなら話は別。嫌悪感でいっぱいだった。ぶっちゃけ、原作の出版も映画化も博士が健在ならば書くべきでもないし、製作されるべきではなかったと思う。見終えた直後は、ぶっちゃけ博士の宇宙理論に興味が湧いたけど、原作がジェーンさんだと知って一瞬にして嫌悪感に変換されてしまった。なので、なんか個人攻撃の感想になってきたのでUpするのやめた訳であります。何故の嫌悪感かは想像に任せす。

同じ自伝作品の「アメリカン~」は、結果的にタイミングは良かったと思う。製作途中でカイル氏が亡くなられたのは残念だったけど、クリントが素晴らしい作品に仕上げたと思ってる。

パンフレットを読む限り、どこまでが自伝で書かれた内容なのかは分かりませんが、戦争に赴いた者の現実がちゃんと描かれていたし、戦争の犠牲者はアメリカ兵だけでなく、イラク人も同じ。そして、アメリカ兵にもイラク武装兵にも家族はいる。ちゃんとクリントは、家族の目線も忘れずに描いている。イラク武装兵の家族に関しては、ほんの数秒だったりするが、ちゃんと映像に映している。これはめちゃくちゃ大事な視点だと思ってる。中立である大切さです。

決して、クリントはイラク戦争を正当化している訳でもないし、批判している訳でもないのも分かる。ありのままの現状を映し出したにすぎない。

ま、確かに、この作品を観たら、イラク戦争では名スナイパーとして活躍したカイルを英雄視する人もいるだろうし、戦争は家族をも犠牲にするからやはり良くない、と思う人もいるはず。観る人によっては様々な見方が出来る作品であるには違いないと思う。

私はイラク戦争ふざけんな派だけども、カイルの母国を守りたい気持ちは良く分かる。戦争に勝たないと家族を守ることも出来ないかもしれない、そんなカイルの使命感も良く分かる。

たまたまだけど、ファースト「ガンダム」のDVDを買って観てたんですが、ガンダムの中でも同じようなことを言ってた。戦争に勝たないと平和は訪れない…みたいなことを。

戦争はどちらかが降伏しないと終わらない。どちらかが降伏するまで殺しあうのが戦争。だから何がなんでも戦争を始めたらアカンねん!

戦争は突然起こらないと誰かが言ってましたが、私は突然起こると思ってます。

例えば、誰かのスキャンダルが明るみになって、それを隠ぺいするため、だけではなかったけど、結果的に隠ぺいされた空爆も近い過去にはあったんですよ。

何が言いたいかというと、きっかけは突然起こり、その突然のきっかけで戦争が起こるということ。逆にいうなれば、きっかけを待っていると言ったほうがいいのかもしれない。

やはり、この「アメリカン~」でも疑問に思ったけど、“愛国心”って何なんだろうね???と今となっては不思議な言葉や。

イラク戦争だって、湾岸戦争だって、原因はアメリカ兵自体にある訳じゃないのに、何で死なないといけないのか?何故戦争が起こるのか?誰のために死ぬのか?その根源をちゃんと考えたことがあるのだろうか?

“愛国心”という名の自己犠牲、私には全くもって意味不明!

パンフレットにも書いてあるけど“イラク戦争”で結果的にアメリカは何を得した訳???

ホンマ、早く目を醒ませよ!と言いたい。

何度も書きますが、カイルの愛国心を否定する気はない。カイルだって英雄である前に犠牲者なんだから。

今読んでいる本でも書かれていることですが(然るべき時に書きます)、カイル自身、何故に愛国心を掻き立てられたのか自己分析が出来ていたら、きっとスナイパーにならなかったと思う。PTSDで苦しまなくても済んだし、殺されることもなかったと思う。だから余計、自己分析は常々大事だと思ってる。

すべて結果論になってしまうけど、カイルの二の舞を演じないことが、カイルが伝えたかったメッセージだと思ってる。クリントはちゃんとそれを映像化していると思ってる。

生きても地獄、死んでも地獄。そもそも、なんで地獄があることに疑問に思わないのか!?考えたことありますか???

様々な見方が出来るから誤解を生む内容でもあるけど、カイルの生き様を通して自分を内観するには素晴らしい作品だと思ってる。この作品に限らないけど誰のどんな考えに共感するかで、より自分が視えると思う。私は断然奥さんに共感しました。