「京鹿子娘二人道成寺」&それから…

2013-09-23 21:05:47 | シアターライヴ
本当は今日、花組の千秋楽、みーちゃんの大劇場最後を見届けようと当日券狙いでムラに朝早く出向いたんですよ。

ところが、到着した7時半の時点でもう既に駐車場まで列が並んでいて、立ち見券も買えるかどうかも微妙な位置だったので諦めました(涙)

マジ恐るべし祝日千秋楽。ここ数年、確か千秋楽が祝日なんてなかったんとちゃうかな…?7時半なら大丈夫だと思っていたのが甘かった…。

でも、いくら祝日だからといえども、みーちゃんのサヨナラの日にムラにこんなにたくさんの人が集まっている光景を見ると、敗北感も清々しいものがありました。ヅカファンとしては嬉しい限りです。ということは…、宙組の千秋楽もかなりヤバくなるね。次は悠未さんのサヨナラショーがあるもんな…。

ということで、予定を前倒しして映画館に行って観てきました。

先月観た藤間勘十郎さんの素踊りの「~娘道成寺」と打って変わって、歌舞伎版はやはり色んな意味で別モノでした。しかも一人でなく二人で踊るから余計別の作品って感じがしました。

勘十郎さんの時はイマジネーションを掻き立てる内容でしたが、やはり歌舞伎版は“型”が重要というのがよく分かる内容でした。

歌舞伎の化粧、綺麗な衣装、しかも衣装替えが何回もある。その上で二人で合わせて踊る。踊る役者さんは、玉三郎さんと、私は二代目玉三郎と睨んでいる菊之助丈との共演。ヴィジュアルはもうそれはそれは完璧なお二人でした。

ただ…ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、やはり作品が平成18年度版だけあって、お二人の舞の呼吸に時折粗さが目立ちました。水泳のシンクロ並みにとまでは言わないけど、もう少し息がピッタリだと良かったのにな~とついつい思ってしまいましたm(__)m

ぶっちゃけ、今年歌舞伎座で上演されたのが観たかった…。明らかに写真からでも伝わってくるものが違ってたからね。

それはそうと、お二人の踊りが、静から動への流れていく様は、“型”あってこそ見応えなるものがありました。そう思うと呼吸を完璧に合わせるには長いから、非常に難しい演目なのでしょう。

個人的には、“型”重視の歌舞伎版より、イマジネーションを掻き立たせてくれる素踊りの方が好きですね。そもそも“型”重視だと心が見えない…。

それから、「~娘二人道成寺」…、何故に二人で踊るようにアレンジされたのか観ていて非常に気になった。一人だけで踊るシーンもあって、まるで宝塚の「風共」のスカーレットⅠ・Ⅱのようにも思えました。もちろん生霊にも思えたけども、アレンジの仕方が歌舞伎にしては斬新な発想だと思いました。これって、女形二人ver.だけでなく男女二人ver.もあるんですよね…?元々、能に興味があった作品だったけども歌舞伎版も興味深いものがありますね…。

なんか、歌舞伎通じゃないのに生意気なこと書いてすみませんでした。何気に宝塚も宣伝してしまい、申し訳ありませんでしたm(__)m

今日のまとめ:歌舞伎に限らず、舞台は生に限る。


みーちゃんへ。

本当は今日二回目の観劇をして書きたかったんですが、最初に書いたようにたくさんの方が並んでいたので諦めざるを得ませんでしたm(__)m

みーちゃんは、私は、タカラジェンヌとしてだけではなく、一役者として、間が上手い数少ない役者さんだと思ってます。上級生や専科、ましてや外部でも、お芝居は上手くても間がイマイチな人はたくさんいます。でも、みーちゃんは本当に上手い!

初めてみーちゃんの間の上手さに関心したのが祐飛さんの「ヴァレンチノ」でした。大上級生の祐飛さんと引けも劣らず対等に肩を並べているみーちゃんに大変感動しました。見た目は地味なのに見せ方が本当に上手い!m(__)m

ぶっちゃけ、どんなに演技が下手であっても経験を積めば良くなるもんです。でも、間の上手さは経験だけでは身に付くものではないと思ってます。私が思う“間”とは、いかに観客を退屈にさせない時間を作れるか?保たせられるか?演技で惹き付ける時間だと思ってます。みーちゃんはそれが長けている数少ない役者さんです。

演技巧者な方でも、役の感情の流れに乗せて自然な間を創る人はたくさんいますが、みーちゃんのように計算して間を創ることのできる人は本当に少ないです。やはりこれは大空組で培ったものなのか、元々の素質なのかは分かりませんが、みーちゃんの間の上手さはピカイチです。かつてのトップスターには、スターオーラだけで間を保たせていた方は結構いましたもんね。それを思えば、みーちゃんなんて、トップスターよりトップだと思います。

みーちゃんの演技力や間の上手さは女優さんとしても活きると確信しているので、卒業しても役者人生だけは卒業しないで頂きたいです。

今回のみーちゃんの役は、今まで見たことない超ワル男なので、不条理だけど観ていて気持ち良かった。男役冥利に尽きる役だと思ってます。最後ぐらいは善人役の方が良かったのかもしれないけど、演劇オタクはこういう性悪な役が大好物なんですよ(笑)違和感なく演じてしまうみーちゃんが本当に格好いい!

たまたま、テレビの「Cafebreak」でみーちゃんがゲストだったのを見て、「オーシャンズ11」のポーターからイケメンに変わる瞬間の映像が流れた時は、やはり惚れてまうものがありました(笑)見せ方を良く分かっている素晴らしい瞬間でした!本当に格好良かった!

みーちゃんは花組生として卒業されますが、私にとっては永遠に大空組の一員です。大好きだった大空組が解体され、祐飛さんを支えた方達が次々に卒業していくのは本当に淋しいですが、みーちゃん、大劇場卒業おめでとうございます!(大粒涙)

東宝大千秋楽の日まで、たくさんのお客さんやファンにみーちゃんオーラで威圧感を与えて下さい!

みーちゃんのファン関係なく、東宝で観劇される皆さん、みーちゃんの悪役ぶりを楽しみにしていて下さい!