「永遠の0」に続いて岡田准一主演の映画、
「天地明察」(滝田洋二郎監督 2012年)
を見ました。
冲方丁の原作本は持ってはいるのですが、読んでないので映画を先に見てみようと思って。
二宮忠八に続き、偉大な日本人第二弾、という感じかな。
これは、江戸時代(17世紀)に天体観測をして暦を改めた安井算哲(後に渋川春海と改名)についての物語です。
日本では、江戸時代前期からすでに天体観測がさかんで、天体図が作られ球体の天文台のようなものまで造られていたとは驚きでした。
同時に、当時の江戸では数学もブームだったようで、和算で有名な関孝和も登場します(関孝和は「せきこうわ」と憶えていたのですが「せきたかかず」が正しいようです)。
神社の一角に、和算の問題を描いた絵馬が展示され、誰でも回答することができる、という言わばクイズ形式の数学が流行していたようで、関孝和はこれらの問題を一瞬で解いてしまいます。
一介の碁打ちだった算哲も和算が得意で、関孝和の向こうを張って挑戦します。
算哲の和算の能力と天文知識の造詣の深さを知った会津藩の藩主保科正之(松本幸四郎)が「北極出地」に参加せよと算哲に命じます。
北極出地とは全国を歩いて(歩数を測りながら)巡り、各地で北極の緯度を測量するというもの。
このおかげで元々天体に興味のあった算哲は、従来の暦(800年前の唐の暦を使っていた)が実際の太陽や月の運行とズレが生じていることを確信します。
同時に、会津藩主保科正之から、新たな暦作り(改暦の儀)を銘じられ、算哲はその作業に取り掛かる、というお話です。
当時は暦は公家(宮廷)が握っていたため、実際とズレが生じていても公家はガンとして認めない。
そこで彼は公家に挑戦して、どの暦が正しいか、日蝕の現象で勝負しようとしますが、最初の挑戦には惨敗してしまいます。
なぜなら、そもそも中国と日本では経度に違いがあり、中国で造られた暦が日本に適合するとは限らないからです。
鎖国をしていた日本ですが、会津藩の保科正之に頼むと世界地図を用意してくれるなど、政府高官たちは世界の情勢をしっかり把握していた様子も伺えます。
彼は地球儀を自作し、天球儀も作り、宮廷の旧態依然とした暦に再び挑戦するのです。
水戸藩の水戸光圀(中井貴一)も彼を応援します。
この間、秘かに思いを寄せていた女性えん(宮崎あおい)との縁談もまとまり、算哲はますます天文観測に打ち込むことになります。
映画では、算哲は興味のあることには寝食忘れて猪突猛進する人物として少々コミカルに描かれており、
おそらく二宮忠八も似たような人だったのではないかと思いました。
また、算哲を陰ながら応援する関孝和(市川猿之助)も天才的な変人ぶりを発揮し彼を助けます。
実際の安井算哲(渋川春海)がどのような人物だったのかはわかりませんが、映画はハッピーエンドで終わります。
日本にはまだまだ優れた偉人たちが大勢いたんだろうなあ、と想像できますね。
何より江戸時代の庶民たちが数学のクイズに熱中した(ネット情報によると「塵劫記」という和算の本がベストセラーになったとか)というのには、驚きました。
日本人てなかなか優秀な民族のようです。
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