今回、アカデミー賞長編アニメーション賞やゴールデングローブ賞など数々の賞を授賞した、
「Flow」
を観てきました。
ラトビアのギンツ・ジルバロディス監督作品。
すごいアニメーションが出てきたものです。
とにかく映像が美しい。
CGアニメーションなのですが、黒猫の疾走感といい水中の映像といい、町の遺構といい、とにかく見事です!
世界の美しさ、恐ろしさ、荘厳さ、そして個々の登場人物(動物ですが)たちの動きや心理状態をこれほどまでに緻密に描写できるCG技術というのは凄いなあと、ただただ感心しました。
特に、猫好きにはたまらない映画です。
私も黒猫を飼っていたので、そうそう猫ってこうよね、というのがいっぱいあって、映像への没入感も半端ない。
劇場で観るべき芸術作品です。
ストーリーはシンプル。
洪水により人類がいなくなった世界で、一つのボート(ノアの箱舟のような)に乗り合わせた動物たちが、やがて助け合って生き延びていく、というお話。
登場するのは動物のみ。彼らは人間の言葉をしゃべったりはしない。あくまでも動物の鳴き声やしぐさで表現するのだけど、言葉以上に伝わってきます。
主に黒猫の視点で描かれます。黒猫の疾走感が半端ない。
草原を駆け抜け、犬に追いかけられ、水たまりに入り込み、空を見上げ・・彼の視点ですべてが描かれ、世界はこんなにも美しく、また恐ろしく、圧倒的な存在だということが存分に描かれます。
この映像を通して、私たちもまた、世界はこんなにも美しく恐ろしく荘厳なところなのか、と改めて自分の周囲を見回すことでしょう。
私たちは周囲の風景を見ているようで、実はちゃんと見ていないのだ、ということにも気づかされます。
詳しいストーリー等はネットにたくさん出ているので省略します。
ノアの箱舟の動物版といえばいいか。
それを波乱万丈かつ美しい冒険譚に仕上げる手腕は見事というほかない。
これが若干30歳の監督の作品だというから驚きます。
世界は変わってきたのだなあ、と実感できる作品です。
人々の潜在意識にどのように訴えかけるのか、どのように刻印されるのか。
まだ未知数のところがあります。
でも、凄い作品だということは確かです。
できれば劇場で観てください。
《追記》
ギンツ・ジルバロディス監督が25歳の時にたった一人で作ったというアニメーション「Away」がアマプラで配信されています。
こちらも見事な作品です。
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