今日はアマプラで見た中国の映画
「少年の君」
を紹介したいと思います。
中国の映画監督といえば、アン・リー監督が有名ですが、今回はデレク・ツァン監督作品です。
中国のとある進学校での話。
チェン・ニェンはとても優秀で北京大学受験を控えている高校3年生の女子生徒。
中国の高校の様子がよくわかる映画なのですが、日本以上に受験戦争は厳しく、またいじめも激しい。
ひとクラスの人数もまるで団塊の世代当時の日本のようで、勉強方法も詰め込み式で、先生たちから常にハッパをかけられ、勉強に明け暮れる生徒たち。そんな中で、いじめによる自殺や他殺に発展するいじめも出てきます。
生徒たちは先生や親からのストレス、受験勉強のストレスを発散するため、弱い者をいじめるという構造です。
ヒロインのチェンは母一人子一人の貧しい家庭で、母は化粧品を売り歩く行商の仕事をしています。
地方に行商に行くと、チェンは独りぼっちになりますが、チェンには友達がいない。
そんなある日、チェンのクラスメイトが学校で飛び降り自殺をします。いじめが原因。
やがて、ターゲットはチェンに移り、いじめっ子のウェイたちは凄惨ないじめをチェンに仕掛けてきます。
大学入試試験も間近で、いじめにかかずらってる暇はない状況にも拘わらず、ウェイのいじめはエスカレートしていきます。
耐えかねたチェンは、行きずりで知り合ったチンピラのシャオベイ(彼が暴行を受けていたときにチェンが通りかかり彼を助けた)に自分を守ってほしいと頼みます。
以来、シャオベイはチェンの守護者となり、つねに彼女の背後から彼女を見守る存在になります。
これ、壮絶ないじめの話であると同時に、ピュアな青春のラブストーリーでもあるのですね。この二人がとてもいい。
そうこうするうちに、チェンをいじめていたウェイが他殺死体で発見され、チェンに殺人の容疑がかけられます。
ちょうど大学入試の真っただ中。
ここで登場するのが若い刑事たち。この刑事たちもとても若くて、チェンとシャオベイたちと区別がつかないほど。若く正義感にあふれている。
チェンは殺人を否定します。かわりにシャオベイが自分がやったと名乗り出るのです。
事件は二転三転し、一体だれがウェイを殺したのか、殺人犯は誰なのか・・
というのが後半の展開になっていきます。
一見ミステリーのようでもありますが、底流に流れるのは、優秀なエリート高校生チェンと街のチンピラシャオベイのピュアな恋愛物語です。
あまりに理不尽ないじめに、抵抗する術すらなく、二人は事件に巻き込まれていきますが、
過酷な状況にもめげず、彼らはしっかりと立ち直っていく、そういうストーリーです。
最後のほうはもう涙なくしては観られません。
中国映画、改めていいなあと思いました。
ちょっと前にやはりアマプラで見た、
「藍色夏恋」
もとてもよかったので、こちらもお勧めです。予想を覆すしかけがあるので、最後まで見ることをお勧めします。
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