ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

エデンより彼方に

2016-04-09 11:48:34 | 映画
夕べはGYAOで映画を見ていました。

「エデンより彼方に」

これ、最近公開された「キャロル」のトッド・ヘインズ監督作品です(2002年公開)。
「キャロル」はバンコクに行った帰りの飛行機の中で見ました。字幕がない上に飛行機の音がうるさくてほとんど台詞はわからなかったのですが、ストーリーは大体わかりました。

両方とも、1950年代のアメリカが舞台です。
そして、両方ともゲイの話(「エデン~」の方は黒人差別問題も)。

「エデンより彼方に」は1957年のアメリカ、コネティカット州ハートフォードが舞台。
ちょうど秋の紅葉のシーズンから始まるのですが、全編通して色調が非常に美しい。
主人公キャシー(ジュリアン・ムーア)の家の周囲の紅葉の美しさ!
そして、キャシーとご近所のブルジョワ婦人たちがこれまた美しいドレスで集まるのです。
基調は赤で、グラデーションが効果を発揮して本当に綺麗。

ストーリーはこう。
1950年代のコネティカット州といったら、ブルジョワの家庭では黒人のメイドや庭師を雇っていた時代。
黒人差別も当たり前のようにあります。
黒人の庭師の肩に手を置いただけで(彼の父親が亡くなったと聞き思わず肩に手を置いた)噂になるという世界。
そんな中でキャシーは見事な良妻賢母ぶりを発揮して、地元の雑誌にも取り上げられます。
でも、実は信頼していた夫がゲイだとわかった。
そこから少しずつ、キャシーは、うわべだけのブルジョワ社会に気づき、本当の自分に気づいていくという話です。

キャシーの苦境を見かねて声をかけてきたのが、黒人の庭師であるレイモンド。
彼はインテリで美術に対する造詣も深い。
キャシーは彼に惹かれていきますが、周囲がそれを許さない。
噂は噂を呼び、ゲイの夫までが自分のことを棚に上げて、キャシーを非難します。

キャシーはどんどんボロボロになっていくのですね。
かわいそうなキャシー。

でも、どんなにかわいそうでも、彼女は美しいドレスを着て、ほほえみを浮かべ、
しっかりと前を向いていきます。
(こういうのって男性好みよねえ)

映像が綺麗なのでつい見てしまいますが、
細部まで計算されつくしすぎていて、逆に見終わった後の感動が薄くなるタイプの映画です。
同じテーマなら
「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」
のほうがよかったなあ。
そういえば、「ヘルプ」にも登場していたヴィオラ・ディヴィスがここでもメイド役で登場しています。

「キャロル」もそうでした。
計算されつくした感がすごくあって、いい映画なのだけど、鼻につくというか。
ま、好みの問題ですけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする