晴れたからここから先はいらないと捨てられたのか蝙蝠傘よ(
野良ゆうき)
百円ショップででも買ったのでしょうか。
いくら安いからとはいえ、雨上がりにビニール傘などが道端に投げ捨てられている光景を見ると、寒々しくなります。
そうした<雨の切れ目が縁の切れ目>といった光景が、投げ捨てられた傘の立場に寄り添うように、ペーソスとユーモアをもって巧みに歌われています。
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あの晴れた朝に廃墟となる街に少女のあなたがいたのだという (
野樹かずみ)
ヒロシマ、ナガサキのどちらか。
60年以上の昔の、<あの晴れた朝に廃墟となる街に少女のあなたがいたのだという>のです。
辛うじて生き残った<あなた>と作者の関係はわかりません。
いずれにしても<あなた>は作者にとって大切な人でしょう。
その<あなた>が生き残ったことと、その廃墟となった街に起きたことへの想いが、ともに静かに伝わってきます。
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こんな日に限っていつも快晴で 罪の意識が増す逢瀬です(
育葉)
人目を忍ぶ逢瀬の日に限ってのカンカン照り。
たしかに罪の意識も増すでしょうね。
思わずそう納得してしまう、ユーモアがあります。