夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

どっちが阿呆か、とはこれまた失礼な

2009年06月13日 | 政治問題
 メールマガジン「頂聞の一針」で渡部亮次郎氏が麻生対鳩山問題で、どっちが阿呆か、と書いている。1575号。結論を言えば、倒産した資産の整理を知らない鳩山が官僚に乗せられて、首になり、うまい汁をその官僚が吸おうとしているのだ、と言う。そうした事をお坊ちゃん育ちの鳩山も単細胞の庶民も分からないのだと言う。言ってくれるじゃないですか。
 倒産した資産の処理が簡単ではないのは分かる。だが、では何で倒産などしたのか。「かんぽの宿」はずっと以前から不良資産だったと言うのなら、なんでそんな不良資産を作ったんだ? どっちにしろ郵政側に責任があるはずではないか。そうした責任を問題にせずに単に資産処分の問題として処理しようとして、しかもそれがべらぼうに安い金額だったから、裏取引があるんじゃないか、国民資産の叩き売りだ、言われるのは当然である。

 我々庶民が実情を知らないのは、知らされないからである。それをマスコミも馬鹿だ、と斬って捨てても何にもならない。メールマガジンを主催しているくらいの人なんだから、マスコミを先導する力だってあるんじゃないか。それとも高見の見物なのか。
 この話には郵政民営化も絡んでいる。大体、民営化の目的がアメリカの資本の郵政資本への乗り込みを許す事にあったと言う。それこそ国民を愚弄している。
 様々な経緯を追っている訳ではないから、私には詳しい事は分からない。でも、この渡部氏の言い方はあんまりじゃございませんか、と私は言いたくなった。
 「もっと早く真相を明らかにして鳩山を切れば問題はなかった。それをしなかったのは党内基盤の弱さから来る「迷い」がこうさせた」と同氏は言うのだが、その真相とは何なのか。不良資産の処理の仕方だと言うなら、納得出来ない。なぜ不良資産になったのかの真相なら、多分、首相は鳩山大臣を切れないのではないか。

 こうした大きな問題は私ふぜいには分からないが、でもやはり、私は自分が感じた事、思った事を素朴に信じてこの問題を見て行きたい。

首相が国民を見ていない事がはっきりした

2009年06月13日 | 政治問題
 きのうの午後から面白い事が起きている。鳩山総務大臣の辞任は自民党にとっては激震かも知れない。何しろページ数の少ない東京新聞が六つの紙面を使って報道している。
 多くの人が鳩山さん頑張れと応援していただろうに、正論が通る見込みが無いと、辞任した。変な妥協をしては男鳩山の「男」がすたる。外野は鳩山さんが仲間を引き連れて民主党に鞍替えするのではないか、とか、自分の党を作るのではないか、などなど、賑やかな事。いずれにしても、麻生内閣の末期的症状が更に速度を速めた事は間違いない。麻生さんの選対本部長だったんだから、こんな面白い事はないではないか。

 今回の事で私が一番気に入ったのは、首相が国民など眼中に無い考えなのが明確になった事だ。鳩山さんは首相周辺からも首相個人からも「西川氏が鳩山氏に直接謝罪する事などを条件に、続投容認を求められた」のである。
 それじゃあまるで子供の喧嘩じゃないか。「御免なさい、僕が悪かったから許してね、そしてお仕事続けさせてね」で事が済むと思っている。国民も本当に馬鹿にされたものだ。
 首相は「政府と郵政会社の間に混乱が生じたような印象を与えた事は甚だ遺憾」と述べている。
 えっ? 混乱が生じてなんかいない、と言ってるのか? と言う事は、政府は西川郵政社長のやった事が正しいと信じている事になる。麻生さん、それでいいんですか? 国民を裏切って、それでいいんですか?

 鳩山さんは言っている。「西川氏が謝るべきは国民だ。これだけ国民共有の財産を棄損してきたのだから」
 全くその通りである。首相とその周辺は「国民VS西川日本郵政社長」の闘いを単なる内輪もめに見せ掛けて国民を騙そうとしている。それはとっくの昔にばれているのだが、それを更にあからさまに国民の目に晒してしまった。
 内閣及び自民党の支持率は更に更に低下する事でしょう。めでたし、めでたし。あーあ、次の世論調査が楽しみだあ、と。

 街には「すぐに辞任するのはうんざりだ」との声も聞かれるが、すぐに辞任ではないだろう。首相側の鉄壁とも言える馬鹿馬鹿しさ、くだらなさに正論が通る見通しが立たないから辞任したのである。
 東京新聞の社説は「閣僚の反乱を抑えられず混乱を長期化させたトップの責任は重大だ。統率力なき政権の惨状が続く」と言うが、それはおかしい。
 これが閣僚の反乱か? 反乱と言うからには、同紙も首相と同じ考えになる。つまり国民無視である。しかも、反乱を抑えられず、と言う。それじゃあなんですか、首相の鶴の一声だけに耳を傾ける大臣が良いと言うのですか? 大臣がどんなに良い事を提言しても、首相は聞く耳を持たなくて当然だ、とでも言うのですか?
 統率力が無いのではない。正論が、定見が無いのである。国民の幸せを考えず、何か架空の政権運営にばかり夢中になっているから、こうした「惨状」になっているのである。