夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

臓器移植法A案衆院通過は乱暴だ

2009年06月20日 | 社会問題
 ずいぶんと大胆な採決の仕方だなあと思った。四つの案があって、最初に採決した案が過半数ならばそれに決まる。悪名高い最高裁判所裁判官の国民投票で、一番×が多く付くのは一番始めに書かれている人に決まっているのだと言う。それが人間の心理である以上、こうした採決の場合にもそれは考慮すべき事柄ではないのか。国民と議員は程度が違う、などと言う事は絶対にあり得ない。
 最高裁の投票では、信任しない人に×を付ける所がミソである。こうした分からない判断では人は積極的にはならない。だから×はほとんど付かない。従って、これを信任する人には○を付ける、とは出来ない。ほとんどが信任されない事になってしまうからだ。

 臓器移植法に関してはこれとは事情が違うが、本当に内容が分かっているのか、との疑問はある。現行法と改正A案の大きな違いは、脳死の位置づけと提供可能年齢のはずだ。提供可能年齢が15歳以上となっているから、本人の意思表示が要るが、年齢がずっと引き下げられれば、本人の意思表示は不要になる場合もある。そうした事を考えれば、臓器提供の場合だけ、脳死は人の死である、と定義しても危険な事は無いだろうが、簡単に脳死イコール人の死、とされる事には大いに問題があり得ると思う。
 そうした事が一切問題にされない、と言うのはどんなものだろう。きのうの新聞を見たのだが、朝刊にも前日の夕刊にも他の三つの案の細かな説明が無い。私の見たのは東京新聞だが、関連する他の四つの紙面にも無い。首相はD案だったと聞いて、なおさらに他の三案を詳しく知りたくなった。
 多分、インターネットで検索すれば簡単に分かるはずだが、そう言う事ではない。新聞はきちんと四つの案について説明すべきである。もしかしたら、その前にそれはきちんとやっていたのかも知れないが、それは何の言い訳にもならない。単に賛成か反対か、を問われているように思えてしまう。
 ただ、紙面には賛成した議員と反対した議員の名前がきちんと出ているから、これをじっくりと見る事にしよう。これである程度の事は分かる。ええ、議員の質の善し悪しについてですがね。