夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

首相が国民を見ていない事がはっきりした

2009年06月13日 | 政治問題
 きのうの午後から面白い事が起きている。鳩山総務大臣の辞任は自民党にとっては激震かも知れない。何しろページ数の少ない東京新聞が六つの紙面を使って報道している。
 多くの人が鳩山さん頑張れと応援していただろうに、正論が通る見込みが無いと、辞任した。変な妥協をしては男鳩山の「男」がすたる。外野は鳩山さんが仲間を引き連れて民主党に鞍替えするのではないか、とか、自分の党を作るのではないか、などなど、賑やかな事。いずれにしても、麻生内閣の末期的症状が更に速度を速めた事は間違いない。麻生さんの選対本部長だったんだから、こんな面白い事はないではないか。

 今回の事で私が一番気に入ったのは、首相が国民など眼中に無い考えなのが明確になった事だ。鳩山さんは首相周辺からも首相個人からも「西川氏が鳩山氏に直接謝罪する事などを条件に、続投容認を求められた」のである。
 それじゃあまるで子供の喧嘩じゃないか。「御免なさい、僕が悪かったから許してね、そしてお仕事続けさせてね」で事が済むと思っている。国民も本当に馬鹿にされたものだ。
 首相は「政府と郵政会社の間に混乱が生じたような印象を与えた事は甚だ遺憾」と述べている。
 えっ? 混乱が生じてなんかいない、と言ってるのか? と言う事は、政府は西川郵政社長のやった事が正しいと信じている事になる。麻生さん、それでいいんですか? 国民を裏切って、それでいいんですか?

 鳩山さんは言っている。「西川氏が謝るべきは国民だ。これだけ国民共有の財産を棄損してきたのだから」
 全くその通りである。首相とその周辺は「国民VS西川日本郵政社長」の闘いを単なる内輪もめに見せ掛けて国民を騙そうとしている。それはとっくの昔にばれているのだが、それを更にあからさまに国民の目に晒してしまった。
 内閣及び自民党の支持率は更に更に低下する事でしょう。めでたし、めでたし。あーあ、次の世論調査が楽しみだあ、と。

 街には「すぐに辞任するのはうんざりだ」との声も聞かれるが、すぐに辞任ではないだろう。首相側の鉄壁とも言える馬鹿馬鹿しさ、くだらなさに正論が通る見通しが立たないから辞任したのである。
 東京新聞の社説は「閣僚の反乱を抑えられず混乱を長期化させたトップの責任は重大だ。統率力なき政権の惨状が続く」と言うが、それはおかしい。
 これが閣僚の反乱か? 反乱と言うからには、同紙も首相と同じ考えになる。つまり国民無視である。しかも、反乱を抑えられず、と言う。それじゃあなんですか、首相の鶴の一声だけに耳を傾ける大臣が良いと言うのですか? 大臣がどんなに良い事を提言しても、首相は聞く耳を持たなくて当然だ、とでも言うのですか?
 統率力が無いのではない。正論が、定見が無いのである。国民の幸せを考えず、何か架空の政権運営にばかり夢中になっているから、こうした「惨状」になっているのである。

 

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kojitan)
2009-06-14 21:41:34
鳩山邦夫氏の辞任という結果が妥当かどうかは今すぐ結論を出すべきことでもないと思いますが、鳩山氏の主張そのものについて、私は正当性を感じています。
しかし、その一方で、その正当さとは裏腹に利権が、鳩山氏も気が付いてはいない利権漁りがあるのではないかと感じたのです。通常、閣僚がああも強硬に首相に対立することは極めて珍しいことです。
それだけに、不正郵便やかんぽの宿の売却などいろいろな問題は報道されている表面的な事実とはちがい、報道されていない事実もやはり多く有りそうなのです。

私は、この事件の深層をあまり見ていませんが、表層をみていると、何か鳩山氏の発言が滑稽にも感じられたし、違和感を感じていました。

一方で麻生首相については、報道が何もかも否定的に報じるものですから、なにやらだめな人に見えてしまいますが、彼一人の手柄とは言いませんが経済の建て直しでは一定の効果が見えてきている。株式市場がそのまま景気を反映すると考えてはいけないのでしょうが、株価は1万円台を回復しつつあります。

あと、鳩山氏の辞任が政権に影響を与えるという憶測も多々ありますが、そういう流れをメディアがつくりたいのだと、そういう意図を感じます。
返信する
難しい問題だと思いますが (夏木広介)
2009-06-15 20:47:23
 私はあまり複雑な事は考えないようにしています。鳩山対西川ではかんぽの宿と言う財産をわずか20分の1くらいの価格で売り払う事に対する疑問だけです。細かな事を考え始めると大切な事を見失ってしまう危険があると考えています。
 だから、喧嘩だとも思わないし、内閣の不一致だとも思いません。そんな事はどうでもいい事で、重要な事は国民としてこの財産処理の問題をどのように考えるか、だけなのです。賛成出来るかどうかです。
 そんな事を言うと、知識の無い一庶民の考えと大局的な見地で物を見る政治家の考えとを一緒くたにするな、との声が聞こえて来そうですが、何の利害も無い知識の無い一庶民だからこそ本当の事が見えるのではないか、と思っています。
返信する
Unknown (kojitan)
2009-06-17 14:21:15
こんにちは。
20分の1が、かんぽの宿の場合安すぎるか、ということなのですが、どうなんでしょうね。赤字になるものを維持し続けることの方がデメリットなので、売却そのものについては反対ではないと思いますが、たとえば、10分の1なら納得できるとか、そういう基準はお持ちですか?

私はいまちょっと思っただけなので、20分の1が安いとは思っても、これ以上で売るにはどうすればよいかとか、妥当性もすこし曖昧なのですけどね。
返信する
売値の基準は持っていません (夏木広介)
2009-06-18 10:15:49
 確かに持っていても赤字である以上、安くても売り払う方が得策とは思います。でも、売り払ってしまえば、それで一件落着になってしまいませんか? 私も持っていても使わない物は捨てる事にしています。それで気持は楽になるし、場所もふさぎません。でもその時に、その物がどのように役に立って来たか、そして買った動機は何だったのかをきちんと振り返っています。それで買った事が正解だったかどうかを反省しています。中には欲しいから欲しいんだ、とばかりに買ってしまって、しまった、と思っている物だってあります。
 かんぽの宿が赤字に陥った原因はきっちりと追及してしかるべきだと思います。それをするための担保として、一括安売りはまかりならぬ、との論議があっても良いのだと考えています。だから幾らなら妥当なのか、とは考えた事がありません。
返信する
こんにちは (kojitan)
2009-06-18 16:19:03
夏木さんの仰るように売却して、小銭でいいから手に入れて、落着というようでは怪しからんとおもいました。同時にそれ以外の方法がないとも考えてみました。

確かにさっさと売り払ってなかったことにしようという雰囲気は猛烈に感じます。原因究明は得に重要なことだとおもいます。特に民営化された企業なのならば、商売としても不採算であることを究明すべきでしょうね。それを公表するかどうかは別ですが。夏木さんの真意がようやく分かったような気がします。

そうすると、売るとか売らないという二択で物事を考えることに無理が有るような気がしまして、最近では、箱物なんだからこれを民間に貸して、黒字をだしてもらって利益のなかから少しだけ、簡保に戻してもらうやり方ってどうなのかなって考えています。

ようするに売るわけではなく、かといって赤字体質だからそのままだと赤字は膨張するばかりです。でも民間企業が運営すると一気に黒字化した施設もあるようですから、そういう民間企業に運営を委託し、利益のうち何パーセントかを少しでもいいんです。今のままよりずっといいのだから、財政投融資でつかったお金を戻してもらう。何年かかってもいいから。ってことで運営するわけにはいかないのかなって思っています。

何でも質問が二択なので、イエス・ノーと考えてしまいます。もっと選択肢があるってことを忘れていました。
返信する
kojitanさん、良い事を教えてくれました (夏木広介)
2009-06-20 08:24:38
 二択と言われて、ああそうだったか、と今更ながら気付きました。郵政・西川社長の続投か引退か。かんぽの宿安売り是か否か。脳死の問題にしても四つの案があっても、結局は投票で過半数を占めれば、一回でそれに決まる。これも二択に似ている。
 ○か×かと言われれば、どちらかに決めなくてはらない。結局、二択にして問題をずらす事も出来る訳で、私はなんでマスコミを始め、問題の最も重要な点を見ないのかと疑問でしたが、そうした理由があったんですね。知恵者はいつも問題のすり替えが上手いので、本当に騙されてしまう。そして騙されていた事に気が付かない。私は騙されないために、もっと論理的に考えようよ、と言う具体的な本を書いたのですが、なかなか日の目を見ません。
返信する