夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

部外者が謝って幕引き、は許さない

2009年06月17日 | 社会問題
 栃木県警の本部長が菅家さんに謝った。でもおかしいじゃないか。本部長は現在その職に就いているが、この事件の捜査当時には関係が無い。関係の無い人が出て来て謝ったって、それは謝った事にはならない。同じ職場の人間として責任の一端はあるとの認識だろうから、心から謝ってなどいない。もしも本当に心から謝っているのだとするなら、素晴らしい人である。他人の罪を自分の罪と感じる事が出来るのだ。
 でも、私はそんな人間が存在するとはとても思えない。自分の罪でさえ、他人事のように思うような人がたくさん存在している。
 事件に関わった人々は逃げてはいけない。きちんと責任を取るべきである。どんな責任かって? それはとても難しい。一番分かり易いのは、菅家さんに実質、17年の懲役刑を与えた人一人一人が同じ17年の懲役刑に服する事である。
 無茶と思われようと、そうでもしない限り、こうした無責任な「仕事」が繰り返される危険性は十分にある。

 捜査に当たった人達は間違っている。彼等の仕事は犯人を見付ける事ではあるが、本当の目的は真実を明らかにする事である。それが誰もが自分の「目先の仕事」に夢中になるあまり、本当の仕事を忘れてしまった。
 国の仕事に関わっている人達はみんな自分の仕事を忘れている。あんたがたの仕事は国民の利益を守る事にあるんですよ。一部の業者や政治家や省庁や、もちろん天下り役人の利益ではない。
 首相までもがそれを忘れている。
 麻生首相は自民党の若手議員が「大政奉還せよ」と言った事に対して、「何の大政だ?」と非常に馬鹿な発言をした。決まってるじゃないか。「大政」とは天下の政治の事だ。徳川慶喜は天下の政治を孝明天皇に奉還した。現代では自民党が天下の政治を国民に奉還する事になる。悔しいから知らない振りをしたんだろうが、恥の上塗りをする事ないじゃないか。

 私は政治の世界の細かな動きは知らないし、知りたくもない。知っていれば、色々な事が分かって来るのだろう。けれどもそうした動きに気を取られると肝心な事を見失ってしまいそうな気がする。だから、日本郵政に関しての鳩山さんと西川社長のやりとりや首相や政府筋、自民党の実力者などの発言の裏側を考えたりはしない。ただ、言葉に現れた事で分かる事がある。言葉はその人の本心を表してしまう事が多い。普段から人々の話し振りに気を付けていれば、単なる間違いか、本心がそこに顔を見せているのかは分かる。だからこうした言葉を採り上げている。もちろん、それは私の感性であって、他人も同じ理解をするとは言わない。
 言葉と言えば、以前、田中眞紀外相が小泉首相に更迭された時、彼女は涙を拭った。それを首相は「涙は女の武器だからね」と一笑に付した。今回、鳩山さんは悔し涙をにじませた、と新聞は伝えている。小泉元首相はこれをどのように評価するのだろうか。今度は「涙」は男の何になるんだろうね。「女の武器」云々は、当時の小泉首相がそんな事くらいしか考えていなかった事を如実に表しているのである。本当に言葉はその人の本心を天下に晒してしまうのである。