夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

アメリカに感動した。でも……

2008年11月06日 | Weblog
 フジテレビの「特ダネ」で小倉キャスターが言った。英語は分からなくても(と言ったかどうかは定かではないが)感動した。私も感動した。何よりも演説の迫力に感動した。自分の言葉でしゃべっている。これほど感動する事は無いではないか。日本では、相変わらず、誰かの作文を読むだけに終わる。どんなに読み方が上手くても、そこに感動は無い。しかも上手くなんかない。とても下手くそである。小学生だってもっと上手く読めるよ。
 更には聴衆の感動がある。単なるリップサービスならあれほどの賛同は得られない。政治家が演説が上手い事は必須条件である。そんなイロハが日本の政治家は分かっていない。私はアメリカが好きではない。何よりも天上天下唯我独尊、自分だけが正義である、との思い上がりが許せない。自分の都合だけで、日本を様々におもちゃにして来た。その根性が何とも許せない。それに尻尾を振った日本の政治家連中など糞食らえ。

 こうしたアメリカを見ていると、何となくほっとするし、信用出来るかも知れないと思ってしまう。しかしアメリカは恐ろしい。二十代でさえ銃を所持する事が許されている。それは他人が信用ならないからだ。そんな社会がアメリカなのだ。だから、オバマ氏の身を案じる人々は多いだろう。頭にはあのケネディー暗殺がある。自分の損になるなら、一国の大統領でさえ平気で殺してしまう人間性の恐ろしさがまざまざと浮かび上がる。
 アメリカには黒人差別の長い歴史がある。それがそう簡単に払拭出来る訳が無い。圧倒的な勝利だと言ったって、得票率で見れば、ほぼ半々に分かれる。熱狂的に白人のみが人間だと信じている人々が果たして黒人大統領を理解出来るか。
 日本人は馬鹿だから、欧米が日本を認めていると信じている。だからテレビでは、欧米がアフガニスタン問題で、日本の助力を大いに期待しているなどとほざいている。彼等は単に日本の金が目当てであるに過ぎない。そんな事も分かっていない。
 ねえねえ、金の切れ目が縁の切れ目、って言う言葉、忘れたんですか。あなた方テレビ人やマスコミ人間が、自分の事で忘れているのは勝手である。だが、それを我々に強要するのは大間違いである。

 話は変わるが、またまた病院たらい回しが起きた。産科医が足りないのはもう世間周知の事実である。だから、これは国の問題である。国が率先して産科医をきちんとそれだけの努力に報いるような手立てを考えるべきなのである。何の役にも立たないような事業に金をつぎ込んでなどいないで、我々の役に立つ仕事にこそ金を掛けるべきなのだ。そんな事、小学生だって分かる。
 私が小学生、小学生と口にするのは、彼等はきちんと育っていれば、人間味溢れる存在だと信じているからだ。彼等を駄目にするとしたら、それは金に狂った両親や世間のせいである。

 演説の話に戻るが、あれだけ原稿を見ずに堂々と話せるのは、それが自分の信念であり、常々考えている事だからである。だからたとえ筋書きなど出来ていなくても、平気で、きちんと話す事が出来る。本人自身の言葉だからこそ、人々の感動を引き出す事が出来る。日本の政治家の演説が口先だけなのは、本人が何も考えてなどいないからである。
 いや、考えている、と言うなら、是非とも、草稿無しに演説をしてみて下さい。信念からの言葉であれば、草稿など不要なはずである。たとえ、途中でとちったとしても、聴衆はそんな事にはこだわらない。きちんと信念を聴き取っている。我々を馬鹿にしてはいけない。
 我々日本人は世界一の識字率を誇る。学力的に一定水準以上にある。そこがかえって裏目に出る。言葉を知っていると錯覚するから、簡単に言葉に騙されている。もっともらしさに簡単に騙される。
  もっと、人間性を見ましょうよ。たとえ言葉が上手くなくても、心情はきちんと言葉の端端に現れている。言葉が上手い場合には、その人にとっては不本意ではあろうが、その言葉をきちんと吟味する必要がある。話している本人自身が、自分の言葉に騙されている事があるのですから。